保育原理一覧

R3前期:保育原理⑪

R3前期 保育原理 問 11
 次の文のうち、乳児保育に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 乳児保育のねらい及び内容は、「健やかに伸び伸びと育つ」、「身近な人と気持ちが通じ合う」、「身近なものと関わり感性が育つ」といった3つの視点ごとに示されている。 →〇
  2. 指導計画は、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して作成されるが、個別的な計画は必要に応じて作成する。  →×
  3. 保育士等との信頼関係に支えられて生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮して、子どもの多様な感情を受け止め、温かく受容的・応答的に関わることが必要である。 →〇
  4. 全員が同じ生活のリズムで一日を過ごしていけるよう、午睡についても全員が同じ時間に入眠し、同じ時間に起床できるようにしなければならない。  →×
  5. 玩具などは、音質、形、色、大きさなど子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、その時々の子どもの興味や関心を踏まえるなど、遊びを通して感覚の発達が促されるものとなるように工夫する。 →〇

正答:2 ○ × ○ × ○


R3前期:保育原理⑫

R3前期 保育原理 問 12
次の表は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」の一部である。保育の内容欄の(A )・(B )にあてはまる記述をア~オから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

領域 保育の内容
健康 (A )
人間関係 (B )
環境 安全で活動しやすい環境での探索活動等を通して、見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする。
言葉 保育士等とごっこ遊びをする中で、言葉のやり取りを楽しむ。
表現 水、砂、土、紙、粘土など様々な素材に触れて楽しむ。

ア 近隣の生活や季節の行事などに興味や関心をもつ。
イ 音楽、リズムやそれに合わせた体の動きを楽しむ。
ウ 保育士等の愛情豊かな受容の下で、安定感をもって生活をする。 →A
エ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。 →B
オ 親しみをもって日常の挨拶に応じる。
(組み合わせ)
A B

  1. ア イ
  2. イ オ
  3. ウ エ →〇
  4. エ ウ
  5. オ ア

正答:3


R3前期:保育原理⑬

R3前期 保育原理 問 13
 次の文のうち、障害のある子どもの保育に関する記述として、「保育所保育指針」第1章「総則」(2)「指導計画の作成」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育所では、障害など特別な配慮を必要とする子どもの保育を指導計画に位置付けることが求められている。 →〇
  2. 障害のある子どもとの関わりにおいては、個に応じた関わりと集団の中の一員としての関わりの両面を大事にしながら、職員相互の連携の下、組織的かつ計画的に保育を展開する。 →〇
  3. 保育所では、障害のある子どもを含め、全ての子どもが自己を十分に発揮できるよう見通しをもって保育することが必要であるため、必要に応じて個別の指導計画を作成し、クラス等の指導計画と関連付けておく。 →〇
  4. 障害など特別な配慮を必要とする子どもは、他の子どもに比べて発達や成長に時間を要することが多いため、個別の指導計画を作成する際には、短期間の計画ではなく、長期間の計画を作成することが必要である。  →×
  5. 障害や発達上の課題のある子どもが、他の子どもと共に成功する体験を重ね、子ども同士が落ち着いた雰囲気の中で育ち合えるようにするための工夫が必要である。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ × ○


R3前期:保育原理⑭

R3前期 保育原理 問 14
 次の文のうち、3歳以上児の保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことにより、体の諸機能の発達が促されることに留意し、子どもの興味や関心が戸外にも向くようにする。 →〇
  2. 一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていくようにする。 →〇
  3. 子どもが自分の思いを言葉で伝え、他の子どもと言葉による伝え合いができるように、状況に関わらず保育士は仲立ちしないようにする。  →×
  4. 子どもが日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことや考えたことを伝える喜びや楽しさを味わいながら、同時に文字を書けるように指導する。  →×
  5. 子どもの表現は、率直であり、直接的であるので、内容の面でも方法の面でも素朴に見えるときは、大人が考えるような形式を整えた表現方法を助言する。  →×

正答:2 ○ ○ × × ×


R3前期:保育原理⑮

R3前期 保育原理 問 15
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
H保育所の2歳児クラスのKくんは最近、担当のF保育士に対して自己主張をすることが多くなっている。ある日の昼食時のこと、その日はKくんの大好物のリンゴがデザートに出ていた。Kくんは食事の最後にリンゴを食べることを楽しみにしながら食事を終え、ようやくデザートのリンゴに手を伸ばした時、Kくんの手からリンゴが滑り、床に落ちてしまった。Kくんは悔しそうに「リンゴ落ちた、リンゴ落ちちゃった…」と涙声でつぶやき、落ちたリンゴを見つめている。この様子をF保育士はKくんの後方から見ていたが、そのことにKくんは気づいていない。
【設問】
この場面の直後におけるF保育士のKくんへの対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. Kくんの傍らに行き「いつも先生の言うことを聞いてくれないからリンゴさんもKくんから逃げちゃったのかな。これからは先生の言うことを聞いてね」と諭す。  →×
  2. Kくんの傍らに行き「大好きなリンゴが落ちちゃったね、食べたかったのに残念だったね」と言いKくんの気持ちを受け止める。 →〇
  3. Kくんの傍らに行き「落ちちゃったから、食べられないね」と声をかけ、落ちたものを口に入れないように留意しながら、代わりのリンゴを用意する。 →〇
  4. 昼食時は次の午睡に向けた準備や着替えを控え、クラス活動の進行が時間通りに進むことに最も留意しなければならない時間帯なので、Kくんへの声かけなどの配慮はしない。  →×

正答:4 × ○ ○ ×


R3前期:保育原理⑯

R3前期 保育原理 問 16
 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
進級したばかりの5歳児クラスでは、ときどきクラス全員でドッジボールを行っていた。積極的にボールをキャッチして投げる子どももいるが、普段からまったくボール遊びに興味を示さない子どももいた。
保育士は「5歳児クラスでは、例年、秋になるとドッジボールが盛り上がりを見せるようになる。
その時のために、今から投げられたボールを受け取る練習をしておけば、みんなが自信を持てるようになる。」と考えた。そこで、早速、登園後の好きな遊びを行う時間に、ドッジボールでボールに触りたがらない子ども3人を誘って、ボールを受け取る練習を始めた。そこでは、保育士も一緒に加わって、相手の投げたボールを受け取ると隣の子どもに投げ、その子どもがまた次の子どもに向かって投げることを順番に繰り返していた。参加している子どもたちの動きは緩慢で、表情もあまり楽しそうではなかった。
【設問】
この事例における保育士のボールに触りたがらない子どもたちへの対応や考え方として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育士の援助として、これからの活動計画を見通した適切な援助である。特に、ボール遊びを苦手とする子どもに対しては、積極的に誘い、早めに練習させておくことが必要である。  →×
  2. 子どもが何かに取り組むには、子どもなりの必要感や「~したい」と思う気持ちが大切である。
    そのため、子ども自身が意欲をもつ前から早めに練習させておくという方法は適切ではない。 →〇
  3. ボールの受け取りをしている子どもたちの動きや表情から、子どもたちが積極的に参加していないことや楽しんでいない様子を理解し、保育士の見通しを保留して活動を変更する対応が必要である。 →〇

正答:3 × ○ ○


R3前期:保育原理⑰

R3前期 保育原理 問 17
 次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」(3)「家庭及び地域社会との連携」の一部として、(A )~(e)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの(a )生活の連続性を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の(b  ×)小学校、高齢者や異年齢の子ども等を含む(c  〇)人材、行事、施設等の地域の(d 〇)資源を積極的に活用し、豊かな生活体験をはじめ(e  ×)保育環境の充実が図られるよう配慮すること。
正答:2 ○ × ○ ○ ×


R3前期:保育原理⑱

R3前期 保育原理 問 18
 次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」(2)「小学校との連携」の一部として、(A )~(e)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
保育所保育において育まれた(a   ×)生きる力を踏まえ、(b   ×)義務教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の(c )研究の機会などを設け、(中略)「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を(d 〇)共有するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な(e 〇)接続を図るよう努めること。
正答:5 × × ○ ○ ○


R3前期:保育原理⑲

R3前期 保育原理 問 19
 次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 『学校と社会』(1899 年)を著し、フレーベル(Fröbel, F.W.)の遊びを重んじる精神を評価しながらもその象徴主義を批判し、現実的な生活における子どもの自発的な活動の必要性を主張した。 →〇
  2. 『新社会観』(1813 年)を著し、人間の性格は環境に根差すものであり、環境を改善すれば人間はより良く形成されるとする人間観を描いた。 →〇
  3. アメリカの婦人宣教師として、1889 年に頌栄幼稚園を開設し、頌栄保姆伝習所の初代所長に就任した。 →〇

【Ⅱ群】
ア デューイ(Dewey, J.)
イ オーエン(Owen, R.)
ウ ハウ(Howe, A.L.)
エ マクミラン(McMillan, M.)
(組み合わせ)
A B C

  1. ア イ ウ →〇
  2. ア ウ エ
  3. イ ア ウ
  4. イ エ ア
  5. エ イ ウ

正答:1


R3前期:保育原理⑳

R3前期 保育原理 問 20
次の表は、認定こども園の支給認定別在籍園児数を認定こども園類型ごとに示したものである。この表を説明した記述として、誤ったものを一つ選びなさい。
表 認定こども園 支給認定別在籍園児数 (人)

  類 型 1号認定

子ども

2号認定

子ども

3号認定

子ども

合計

 

31

幼保連携型 195,585 300,423 191,809 687,817
幼稚園型 110,209 30,807 10,458 151,474
保育所型 9,577 47,826 30,268 87,671
地方裁量型 1,088 1,972 1,263 4,323
合 計 316,459 381,028 233,798 931,285

30

幼保連携型 181,224 251,205 164,656 597,085
幼稚園型 100,280 25,534 9,044 134,858
保育所型 7,874 38,832 23,986 70,692
地方裁量型 1,044 1,703 1,239 3,986
合 計 290,422 317,274 198,925 806,621

出典:内閣府「認定こども園に関する状況について(平成 31 年4月1日現在)」(令和元年9月 27 日)

  1. 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数の合計は、前年と比べて 10 万人以上多くなっている。 →〇
  2. 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数は、1号認定、2号認定、3号認定のすべてにおいて前年と比べて多くなっている。 →〇
  3. 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数が最も多いのは、幼保連携型の1号認定の子どもである。  →×
  4. 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数を類型別にみると、幼保連携型の子どもが最も多く、地方裁量型の子どもが最も少ない。 →〇
  5. 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数を支給認定別にみると、2号認定の子どもが最も多く、3号認定の子どもが最も少ない。 →〇

正答:3



R2後期:保育原理①

令和2年度 後期試験 保育原理 問1 
次の文のうち、「保育所保育指針」の特徴に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 第1章「総則」に、「保育の計画及び評価」の項目が設けられ、そこに「全体的な計画の作成」について努力義務が記載されている。 →×
  2. 第1章「総則」に、「養護に関する基本的事項」の項目が設けられ、そこに「養護に関わるねらい及び内容」が記載されている。 →〇
  3. 第2章「保育の内容」に、「夜間保育」の項目が設けられ、そこに「夜間保育の留意点」が記載されている。 →×
  4. 第3章「健康及び安全」に、「災害への備え」の項目が設けられ、そこに「災害発生時の対応体制及び避難への備え」が記載されている。 →〇

正答:4 × ○ × ○


R2後期:保育原理②

令和2年度 後期試験 保育原理 問2 
次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「養護に関する基本的事項」の一部である。
( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • 一人一人の子どもの置かれている状態や( A 発達過程)などを的確に把握し、子どもの( B  )を適切に満たしながら、( C 応答的)な触れ合いや言葉がけを行う。
  • 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や( D 探索意欲)などを高めるとともに、自分への( E 自信)をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。

(組み合わせ)
A BC D E

  1. 家庭での様子 欲求 応答的 好奇心 満足感
  2. 発達過程 欲求 応答的 探索意欲 自信 →〇
  3. 家庭での様子 不満 密接 好奇心 満足感
  4. 発達過程 欲求 応答的 好奇心 自信
  5. 発達過程 不満 密接 探索意欲 自信

正答:2


R2後期:保育原理③

令和2年度 後期試験 保育原理 問3 
次の文は、保育所における長時間にわたる保育において、保育士が留意することに関する記述である。「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 複数の保育士等が一日の流れを把握した上で、保育のねらいや内容等について理解し共有して取り組む。 →〇
  2. 長時間の保育において子どもが不安にならないように、保育士と保護者の連携を密にしながら十分に配慮して子どもに関わる。 →〇
  3. 子どもに心身の負担が生じることがないように、家庭的でゆったりとくつろぐことができる環境を整える。 →〇
  4. 一日の中で保育士が引き継ぎを行う際には、職員間で情報の伝達を適切に行う。 →〇
  5. 迎えの際には少しでも早く家に帰ってもらうようにするため、その日の子どもの生活の様子や育ちの姿を伝えることは省略する。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ○ ×


R2後期:保育原理④

令和2年度 後期試験 保育原理 問4
次の表は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」の一部である。表中の( A )~( C )にあてはまる記述をア~カから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

領域 ねらい
健康
  • 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
  • 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
  • (A イ 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。
人間関係
  • 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる。
  • 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。
  • (B オ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。
環境
  • (C ウ 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
  • 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
  • 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。

ア 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。
イ 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。
ウ 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
エ 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
オ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。
カ 身近な人と親しみ、関わりを深め、愛情や信頼感が芽生える。
正答:2 イ オ ウ


R2後期:保育原理⑤⑥

令和2年度 後期試験 保育原理 問5・問6 
次の文は、ある著書の一部である。これを読んで、問5・問6に答えなさい。

著作権の関係により公表できません。

問5 この文章の著者として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 城戸幡太郎
  2. 倉橋惣三 →〇
  3. 東基吉
  4. 野口幽香
  5. 橋詰良一

正答:2

問6 この文章の著者と関連の深い事項として、最も適切なものを一つ選びなさい。

  1. 家なき幼稚園
  2. 律動遊戯
  3. 保育問題研究会
  4. 二葉幼稚園
  5. 誘導保育 →〇

正答:5


R2後期:保育原理⑦

令和2年度 後期試験 保育原理 問7 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
M保育所の1歳児クラスに通うK君(1歳8か月)は、ごはんやうどんなどの主食は好きでよく食 べるが、野菜やお肉などのおかずはなかなか食べない。また、自分で食べるときもあるが、「ママ! (やって)」と食べさせてもらうことを求めることが多い。K君の保護者は、K君に主食だけではなく おかずもしっかりと食べられるようになってほしい、また自分で食べるようになってほしいと思って いる。しかし、なかなかそうならないK君に保護者はあせりを感じている。そこで連絡帳にK君の家 庭での食事の様子を記入し、担当保育士にアドバイスを求めてきた。 保育所でもK君は食事の際、ごはんなどはスプーンを持って上手に食べるが、おかずになると手を ひざの上において自分で食べようとしないことが続いている。保育士が声をかけると、自分でスプー ンを持っておかずを食べる日もあり、担当保育士はK君を励ましながら食事を進めている。 担当保育士から相談を受けた栄養士は、K君の食事の様子を最近よく見ている。
【設問】
担当保育士がK君の保護者の連絡帳に記入する内容として、「保育所保育指針」第3章「健康及び 安全」の2「食育の推進」及び第4章「子育て支援」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育所でのK君の食事に対する担当保育士の対応の様子を伝え、食べることを楽しむことが大切 なので、あせらずにやっていきましょうと伝える。 →〇
  2. 食事は早くからの自立への援助が大切であるため、何でも自分でスプーンなどを持って食べるように保育所での指導を強めていきますと伝える。 →×
  3. 子どもの食事は、保育所よりも保護者が指導することが大切なので、家庭でしっかりと指導して くださいと伝える。 →×
  4. 保護者が希望するならば、栄養士も交えて一緒に相談しましょうと伝える。 →〇

(組み合わせ)
正答:3 ○ × × ○


R2後期:保育原理⑧

令和2年度 後期試験 保育原理 問8 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
N保育所の4歳児クラスで、外遊びから戻ってきた子どもたちが、麦茶を飲もうと列に並び始め た。S児、Y児が順番に並んでいった。先頭のS児が後方に並んでいたM児に呼ばれ少しだけ列の横 に動いた。S児がその場を離れると予想したのか、前に並びたいという気持ちが働いたのか、Y児が 先頭に並ぼうと前に出た。S児が「やめて。僕が一番なんだから」と強く言うが、Y児は譲らず、2 人がつかみ合いになった。担当保育士がやってきて、「どうしたの?」と言いながら間に入った。近 くにいた子どもたちがじっとその様子を見ていた。担当保育士は、保育室の隅に2人を連れていきそ れぞれに状況や理由を聴き始めた。先ほどから2人のいざこざの様子を見ていたM児がそばにやって きて、「あのね、私がSちゃんに・・・」といざこざになった理由を説明し始めた。
【設問】
担当保育士の子どもへの対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関す る基本原則」、3「保育の計画及び評価」及び第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関す るねらい及び内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせ を一つ選びなさい。

  1. 最も重要なことは、2人のいざこざの理由を当事者のそれぞれが自分で説明することなので、自 分のこと(列に並んで麦茶を飲むこと)に専念するようM児をその場から遠ざける。 →×
  2. 当事者それぞれが状況や理由を言葉で主張しあうことも大切だが、クラスの子どもが友達のいざこざに関心をもち、解決のプロセスに参加するように援助する。 →〇
  3. いざこざは、当事者が一番わかっていることなので、他の子どもが野次馬的な感情で参加することはいけないことだと、このような機会をとらえて全体に指導する。 →×
  4. 4歳児クラスとして規範意識の育ちを促す良い機会なので、周囲の子どもと一緒にどうしたらよいかを考える。 →〇
  5. M児は自分がS児に呼びかけた結果、トラブルになったことで責任を感じているのかもしれない。M児の気持ちも配慮しながら、いざこざに対する援助をする。 →〇

正答:3 × ○ × ○ ○


R2後期:保育原理⑨

令和2年度 後期試験 保育原理 問9 
次の文のうち、フレーベル(Fröbel, F.W.)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な 記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 人智学という独自の立場と神秘主義的思想から、オイリュトミーやフォルメンという独特の活動 を保育の実践に取り入れた。
  2. 幼児のための遊具を考案し、ドイツ語で神からの贈り物を意味する「ガーベ」と名付けた。これ は、日本には「恩物」という名前で紹介された。
  3. 1837 年に「遊戯及び作業教育所」を開設し、この施設は 1840 年に保育者養成の施設と統合され て「キンダーガルテン」と改称され、世界初の幼稚園が誕生した。
  4. 1826 年の著作『大教授学』には、万有在神論の考え方が表されるとともに、幼児期における遊 戯の重要性が主張されている。

正答:全(組み合わせ) A B C D 1 ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ × × 3 ○ × × ○ 4 × ○ ○ ○ 5 × ○ ○ ×


R2後期:保育原理⑩

令和2年度 後期試験 保育原理 問 10 
次の文は、保育所における子育て支援の基本的事項に関する記述である。「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者自らが選択、決定していけるように支援する。 →〇
  2. 保護者の話から不適切と思われる行動が行われているとわかれば、はっきりと非難の意思を示し禁止するように指示する。 →×
  3. 保護者とのコミュニケーションは、日常の送迎時における対話や連絡帳、電話、面接など様々な機会をとらえて行う。 →〇
  4. 保育士や看護師、栄養士等の専門性を有する職員が配置されていることを生かして、保護者が子どもの成長に気付けるようにする。 →〇
  5. 保護者の保育参観や保育体験への参加の機会は、他の子どもの家庭の状況がわかることから子育ての支援としては行わない。 →×

正答:3 ○ × ○ ○ ×


R2後期:保育原理⑪

令和2年度 後期試験 保育原理 問 11 
次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の法律・省令を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 →エ 日本国憲法
  2. 乳児及び幼児は、心身ともに健全な人として成長してゆくために、その健康が保持され、かつ、増進されなければならない。 →ウ 母子保健法
  3. 保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とし、その内容については、厚生労働大臣が定める指針に従う。 →イ 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和 23 年厚生省令第 63 号)
  4. 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。 →ア 児童福祉法

【Ⅱ群】
ア 児童福祉法
イ 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和 23 年厚生省令第 63 号)
ウ 母子保健法
エ 日本国憲法
オ 子ども・子育て支援法
正答:4 エ ウ イ ア


R2後期:保育原理⑫

令和2年度 後期試験 保育原理 問 12 
次の【Ⅰ群】と【Ⅱ群】は、「保育所保育指針」第1章「総則」の4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(1)「育みたい資質・能力」に関する記述である。【Ⅰ群】と【Ⅱ群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 学びに向かう力、人間性等 →イ 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする。
  2. 知識及び技能の基礎 →ア 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする。
  3. 思考力、判断力、表現力等の基礎 →ウ 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする。

【Ⅱ群】
ア 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする。
イ 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする。
ウ 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする。
エ してよいことや悪いことがわかり、自分の行動を振り返ったり、よりよい生活を営もうとする。
正答:2 イ ア ウ


R2後期:保育原理⑬

令和2年度 後期試験 保育原理 問 13 
次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 全体的な計画に基づき、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。 →〇
  2. 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定する。 →〇
  3. 一日の生活リズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮する。 →〇
  4. 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保する。長時間にわたる保育等を考慮し、睡眠時間は一律に確保できるように配慮する。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ×


R2後期:保育原理⑭

令和2年度 後期試験 保育原理 問 14 
次の文は、障害児保育についての記述である。「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」に照らして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育所は、全ての子どもが、日々の生活や遊びを通して共に育ち合う場であるため、一人一人の子どもが安心して生活できる保育環境となるよう、障害や様々な発達上の課題など、状況に応じて適切に配慮する必要がある。 →〇
  2. 保育所では、障害のある子どもを含め、全ての子どもが自己を十分に発揮できるよう見通しをもって保育することが重要であり、障害のある子どもの指導計画はクラス等の指導計画に含めて作成するため、個別の計画を作成する必要はない。 →×
  3. 障害や発達上の課題のある子どもの理解と援助は、子どもの保護者や家庭との連携が大切であり、連携を通して保護者が保育所を信頼し、子どもについての共通理解の下に協力し合う関係を形成する。 →〇
  4. 障害のある子どもの保育にあたっては、専門的な知識や経験を有する地域の児童発達支援センターや児童発達支援を行う医療機関などの関係機関と連携し、互いの専門性を生かしながら、子どもの発達に資するよう取り組んでいくことが必要である。 →〇

正答:3 ○ × ○ ○


R2後期:保育原理⑮

令和2年度 後期試験 保育原理 問 15 
次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • 乳児は( A 疾病)への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う( A )の発生が多いことから、一人一人の発育及び発達状態や健康状態についての適切な判断に基づく( B 保健的)な対応を行うこと。
  • 一人一人の子どもの( C 生育歴)の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が( D 応答的)に関わるように努めること。

(組み合わせ)
ABCD

  1. 疾病 保健的 生育歴 応答的 →〇
  2. 感染症 医療的 性格 指導的
  3. 疾病 医療的 生育歴 指導的
  4. 感染症 保健的 生育歴 指導的
  5. 疾病 医療的 性格 応答的

正答:1


R2後期:保育原理⑯

令和2年度 後期試験 保育原理 問 16 
次の文のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「保育所における子育て支援に関する基本的事項」には、各地域や家庭の実態等を踏まえつつも、最終的には専門職である保育士の提案に保護者が従えるようにすることが記載されている。 →×
  2. 「保育所における子育て支援に関する基本的事項」の「子育て支援に関して留意すべき事項」には、子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持することが記載されている。 →〇
  3. 「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」には、保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じて、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の就労事情を最優先に配慮した対応に努めることと記載されている。 →×
  4. 「地域の保護者等に対する子育て支援」には、地域の要保護児童への対応など、地域の子どもをめぐる諸課題に対して、関係機関等と連携及び協力して取り組むことに努めるよう記載されている。 →〇

正答:4 × ○ × ○


R2後期:保育原理⑰

令和2年度 後期試験 保育原理 問 17 
次の文のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする。 →〇
  2. 食事、睡眠等の生活のリズムの感覚が芽生える。 →〇
  3. 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。 →×
  4. 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。 →×

正答:2 ○ ○ × ×


R2後期:保育原理⑱

令和2年度 後期試験 保育原理 問 18 
次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の語句を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 1899(明治 32)年、文部省令として公布され、幼稚園の保育目的、編制、保育内容などに関して国として最初の基準を定めた。 →イ 幼稚園保育及設備規程
  2. 1926(大正 15)年、日本の幼稚園に関する最初の単独の勅令として公布された。 →エ 幼稚園令
  3. 1948(昭和 23)年に文部省から出された幼児教育の手引書で、幼稚園のみならず保育所や子どもを育てる母親を対象とする幅広い手引書となった →ア 保育要領
  4. 1951(昭和 26)年5月5日、「日本国憲法」の精神にしたがい、すべての児童の権利を保障し、幸福を図るために制定された。 →ウ 児童憲章

【Ⅱ群】
ア 保育要領
イ 幼稚園保育及設備規程
ウ 児童憲章
エ 幼稚園令
正答:4 イ エ ア ウ


R2後期:保育原理⑲

令和2年度 後期試験 保育原理 問 19 
次の文のうち、諸外国の幼児教育・保育に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「ラーニング・ストーリー」は、子どもたちの育ちや経験を観察し、写真や文章などの記録を通して理解しようとする方法であり、自らも保育者であったマーガレット・カー(Carr, M.)を中心にニュージーランドで開発された。 →〇
  2. 1965 年に、スウェーデンで開始された「ヘッド・スタート計画」は、主に福祉的な視点から、貧困家庭の子どもたちに適切な教育を与えて小学校入学後の学習効果を高めることを意図した包括的プログラムである。 →×
  3. イタリアのレッジョ・エミリア市では、第二次世界大戦後、ローリス・マラグッツィ(Malaguzzi, L.)のリーダーシップのもと、独創的な保育の取り組みが進められてきた。 →〇

正答:3 ○ × ○


R2後期:保育原理⑳

令和2年度 後期試験 保育原理 問 20
次の表は、平成 29 年4月の年齢区分別の保育所等利用児童数および待機児童数を示したものである。この表を説明した記述として、正しいものを一つ選びなさい。ただし、ここでいう「保育所等」は、従来の保育所に加え、平成 27 年4月に施行した子ども・子育て支援新制度において新たに位置づけられた幼保連携型認定こども園等の特定教育・保育施設と特定地域型保育事業(うち2号・3号認定)を含むものとする。

表 年齢区分別の保育所等利用児童数および待機児童数

平成 29 年利用児童数 平成 29 年待機児童数
低年齢児(0~2歳) 1,031,486 人 (40.5%) 23,114 人 (88.6%)
★うち0歳児 146,972 人  (5.8%) 4,402 人 (16.9%)
★うち1・2歳児 884,514 人 (34.7%) 18,712 人 (71.7%)
3歳以上児 1,515,183 人 (59.5%) 2,967 人 (11.4%)
全年齢児計 2,546,669 人(100.0%) 26,081 人(100.0%)

出典:厚生労働省「保育所等関連状況とりまとめ(平成 29 年4月1日)」

  1. 平成 29 年の保育所等の利用児童数は、3歳以上児よりも低年齢児(0~2歳)の方が多い。 →×
  2. 平成 29 年の保育所等の待機児童数は、3歳以上児が最も多い。 →×
  3. 平成 29 年の保育所等の待機児童数は、2万6千人を超えており、そのうち低年齢児(0~2歳)が8割以上を占めている。 →〇
  4. 平成 29 年の保育所等の利用児童数の割合は、低年齢児(0~2歳)が約4割であり、待機児童数は低年齢児(0~2歳)が3歳以上児よりも少なくなっている。 →×
  5. 平成 29 年の保育所等の利用児童数の割合は、3歳以上児が約6割であり、待機児童数は3歳以 上児が年齢児(0~2歳)よりも多くなっている。 →×

正答:3