保育原理一覧

H30後:社会的養護①

平成30年度後期試験 社会的養護 問1
 次の文は、「児童の権利に関する条約」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1.  条約でいう「児童」とは、原則として、20 歳未満のすべての者をいう。 →×
  2. わが国が条約を批准したのは、「児童虐待の防止等に関する法律」の施行後である。 →×
  3. 児童の意見表明に際しては、年齢及び成熟度に従って相応に考慮される。 →〇
  4. 締約国による条約履行の進捗状況を審査するため、「児童の権利に関する委員会」が設置されている。 →〇

正答:4 × × ○ ○


H30後:保育の心理学⑩

平成30年度後期試験 保育の心理学 問 10
 次の文は、子育てへの文化の影響に関する記述である。(A )〜( F )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

日本の子育ては親子の(A 情緒的関係)を重視し、役割からなる社会の枠組を素直に受け入れることができるようになることを強調する。そして(B 社会的規範)を子どもが自然と身につけることを理想とし、子どもに(C 反省すること)を促し、それに基づいて努力することを重視する。
これに対して、例えばアメリカの中産階級の子育ては子どもの(D 独立的思考)を重視し、社会の枠組にしばられず、個人の思考に基づいて(E 選択すること)を強調する。そして、(B 社会的規範)を子どもに明確に教えることや子どもの(F 自尊心)を高めることを重視する、といった文化による違いがみられる。

(組み合わせ)
A B C D E F

  1. 情緒的関係 社会的規範 選択すること 独立的思考 反省すること 自尊心
  2. 独立的思考 社会的規範 情緒的関係 反省すること 選択すること 自尊心
  3. 自尊心 情緒的関係 反省すること 独立的思考 選択すること 社会的規範
  4. 情緒的関係 反省すること 選択すること 自尊心 独立的思考 社会的規範
  5. 情緒的関係 社会的規範 反省すること 独立的思考 選択すること 自尊心

正答:5


H30後:子どもの食と栄養⑭

平成30年度後期試験 子どもの食と栄養 問 14
 次の文は、母乳育児に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

  1. 母乳は乳児に最適な成分組成で、代謝負担が少ない。 →〇
  2. 感染症の発症及び重症度が低下する。 →〇
  3. HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)は、母乳を通じて感染する可能性がある。 →〇
  4. 人工栄養児に比べ、肥満となるリスクが高い。 →×
  5. 出産後の母体の回復を促進する。 →〇

正答:4


H30前:保育原理①

平成30年度前期試験 保育原理 問1
 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の4「保育所の社会的責任」の一部である。(A)~(E)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • 保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、(A 子ども一人一人の人格)を尊重して保育を行わなければならない。
  • 保育所は、(B 地域社会)との交流や連携を図り、保護者や(B 地域社会)に、当該保育所が行う保育の(C 内容)を適切に説明するよう努めなければならない。
  • 保育所は、(D 入所する子ども等)の個人情報を適切に取り扱うとともに、(E 保護者)の苦情などに対し、その解決を図るよう努めなければならない。

(組み合わせ)
      A         B     C      D       E
1 子どもの保護者の人権 地方自治体 内容  保護者や職員等  近隣住民
2 子ども一人一人の人格  地域社会  効果  保護者や職員等  保護者
3 子どもの保護者の人権  地域社会  内容 入所する子ども等 近隣住民
4 子どもの保護者の人権 地方自治体 効果  保護者や職員等  保護者
5 子ども一人一人の人格  地域社会  内容 入所する子ども等 保護者
正答:5


H30前:保育原理②

平成30年度前期試験 保育原理 問2
 次の文は、保育所における「保育のねらい及び内容」に関する記述である。「保育所保育指針」第3章「保育の内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「養護」とは、子どもの身体の健康を図るために保育士等が行う援助や関わりである。 →×
  2. 「教育」とは、子どもが健やかに成長し、その活動がより豊かに展開されるための発達の援助である。 →
  3. 「ねらい」は、保育の目標をより具体化したものである。 →
  4. 「内容」は、「ねらい」を達成するために、保育士等が計画に沿って子どもを指導する事項を示したものである。 →×

正答:3 × ○ ○ ×


H30前:保育原理③

平成30年度前期試験 保育原理 問3
 次の文は、保育における人権の配慮に関する記述である。(A)~(C)にあてはまる適切な語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)第 9 条では、「児童福祉施設においては、入所している者の(A 国籍)、信条、社会的身分又は入所に要する費用を負担するか否かによって、(B 差別的)取扱いをしてはならない」とされており、この方針は、子どもの人権の配慮とともに「保育所保育指針」第 1 章「総則」において、保育所の(C 社会的責任)の一つとして明記されている。
【語群】
ア 国籍   イ 個性   ウ 社会的責任  エ 排除的  
オ 倫理観  カ 差別的  キ 性別     ク 説明責任  
正答:2 ア カ ウ


H30前:保育原理④

平成30年度前期試験 保育原理 問4
 次の文は、保育の歴史についての記述である。(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ドイツの教育者である(A フレーベル(Frobel, F.W.))は、世界で最初の幼稚園(Kindergarten)の創設者である。主著である『人間の教育』(1826 年)の中で、幼児期においては(B 遊び)がこの時期の子どもの最も美しい表れだと主張した。彼は、幼児のための遊具(Gabe)を考案したが、これは、明治時代になって(C 関信三)の編集した『幼稚園法二十遊嬉』等によってわが国に紹介された。
(組み合わせ)
        A        B    C
1 ルソー(Rousseau, J.-J.)    遊び  中村正直
2 フレーベル(Frobel, F.W.)  作業  近藤真琴
3 ルソー(Rousseau, J.-J.)    無垢   関信三
4 ロック(Locke, J.)      作業  中村正直
5 フレーベル(Frobel, F.W.)   遊び   関信三
正答:5


H30前:保育原理⑤

平成30年度前期試験 保育原理 問5
 次の文のうち、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」の(1)「養護に関わるねらい及び内容」のイ「情緒の安定」の一部として、正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 一人一人の子どもが、安定感を持って過ごせるようにする。 →
  2. 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。 →×
  3. 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。 →×
  4. 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。 →×
  5. 一人一人の子どもの心身の疲れが癒されるようにする。 →

正答:3 ○ × × × ○


H30前:保育原理⑥

平成30年度前期試験 保育原理 問6
 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。 
【事例】
園庭で遊んだ後にお話し会が予定されている。お話し会の前に、トイレに行こうとしたT君(4歳)と、ちょうどトイレから出てきたS君(4歳)とが正面からぶつかってしまった。保育士が確認したところ、二人とも怪我はなく手当ての必要はなかった。T君とS君は泣きながら、相手のことを怒っている。
【設問】
「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の方法」、第2章「子どもの発達」、第3章「保育の内容」の2「保育の実施上の配慮事項」に基づいた保育士の対応として、最も不適切なものを一つ選びなさい。

  1. 自分たちで解決することも大切なので、やりとりをそばで見守る。 →
  2. 二人の話を聴き、わざとぶつかったのではないこと、お互いに痛かったことを伝えるように促す。 →
  3. T君とS君に、ぶつかったりしないように、周りに注意して行動するように伝える。 →
  4. いつまでも怒っていないで、お互いに早く謝り仲直りをするように伝える。 →×
  5. 二人の気持ちを受け止め、落ち着いたところで、お話し会が始まることを知らせ、参加するように促す。 →

正答:4


H30前:保育原理⑦

平成30年度前期試験 保育原理 問7
 次の文は、戦後の保育の歴史に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
1963(昭和 38)年に、(A 文部省)と厚生省の共同通知として「幼稚園と保育所との関係について」が発出された。この通知では、それぞれの機能の独自性を明示するとともに、「保育所のもつ機能のうち、教育に関するものは(B 幼稚園教育要領)に準ずることが望ましい」と示し、保育内容の統一化が図られた。そこで、(B 幼稚園教育要領)の改訂・告示を受けて、厚生省は、(C 1965(昭和 40))年に「保育所保育指針」を公表した。ここでは、保育所保育の基本的性格について「(D 養護)と教育が一体となって」と示されるとともに、子どもの発達上の特性、年齢別の保育内容、指導上の留意事項等の具体的な記載がなされ、最初の「保育所保育指針」として大きな役割を果たした。
(組み合わせ)
   A     B       C     D
1 文部省 幼稚園教育要領 1965(昭和 40) 養護
2 内閣府 幼稚園教育要領 1975(昭和 50) 保護
3 内閣府   保育要領   1965(昭和 40) 保護
4 文部省   保育要領   1965(昭和 40) 養護
5 文部省 幼稚園教育要領 1975(昭和 50) 養護
正答:1


H30前:保育原理⑧

平成30年度前期試験 保育原理 問8
 次の文は、3歳児クラスを担当する保育士のWさんが、自分の勤める保育所において行っている業務(行為)に関する記述である。「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. Wさんは、自らの保育実践を振り返るとともに、職員と話をしながら保育の質の向上のための自らの課題を明確にしている。 →
  2. Wさんは、指導計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価に取り組んでいる。 →
  3. Wさんは、自らの自己評価は個人的な実践の評価であるため、施設長や職員に開示していない。 →×
  4. Wさんは、子どもがその活動に取り組んだ過程よりも、何ができて何ができなかったかという結果を重視する考え方に立って保育の評価を行っている。 →×
  5. Wさんは、保育の内容の評価については、定期的に保護者に意見を聴く方法を取り入れている。 →

正答:3 ○ ○ × × ○


H30前:保育原理⑨

平成30年度前期試験 保育原理 問9
 次の【Ⅰ群】及び【Ⅱ群】は、「保育所保育指針」第6章「保護者に対する支援」の一部である。【Ⅰ群】の記述に続くものを【Ⅱ群】の記述から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 子育て等に関する相談や助言に当たっては、
  2. 地域の子育て支援に関する資源を積極的に活用するとともに、
  3. 子どもの利益に反しない限りにおいて、

【Ⅱ群】
ア 子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーの保護、知り得た事柄の秘密保持に留意すること。
イ 子育て等に関する相談や助言に当たっては、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者一人一人の自己決定を尊重すること。
ウ 子どもの福祉を重視すること。
エ 地域の子育て支援に関する資源を積極的に活用するとともに、子育て支援に関する地域の関係機関、団体等との連携及び協力を図ること。
オ 子どもと保護者の安定した関係に配慮して、保護者の養育力の向上に資するよう、適切に支援すること。
正答:2 イ エ ア


H30前:保育原理⑩

平成30年度前期試験 保育原理 問 10
 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。     
【事例】
保育室での遊びの際、1つのテーブルが小麦粉粘土遊びの場となっている。近くのテーブルにいるMちゃん(1歳4か月)は、まわりで子ども達が小麦粉粘土で遊ぶ様子が気になるようで、チラチラと見ている。他の子の手に小麦粉粘土がついている様子を見て、それはいやだと思うのか、テーブルに行くことはしない。Mちゃんは、しばらく前に指に絵の具をつけるスタンプ遊びを行ったときも、自分から絵の具を指につけることはなかった。
Mちゃんは、苦手だと思う遊びには加わらないことが続いている。
【設問】
「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」、第3章「保育の内容」の(3)「3歳未満児の保育に関わる配慮事項」、第6章「保護者に対する支援」に照らし、Mちゃんの担当保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 何事も一度はやってみることが大事なので、小麦粉粘土のテーブルに座らせて小麦粉粘土を手に持たせてみる。 →×
  2. 他の子が楽しんでいる様子を見せて誘ってみるが、Mちゃんがやりたがらない様子であれば、その気持ちを受け止める。 →
  3. 小麦粉粘土に限らず、砂や土、泥で遊ぶなど、保育所の遊びの中でいろいろな素材の感触を味わえるようにする。 →
  4. Mちゃんの保護者に、Mちゃんは苦手だと思う遊びは自分からやらないが、まわりの子どもが遊ぶ様子を見るようになってきていると伝える。 →

正答:3 × ○ ○ ○


H30前:保育原理⑪

平成30年度前期試験 保育原理 問 11
 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の(3)「保育の環境」の一部である。(A )~( F )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • 子ども自らが環境に関わり、(A 自発的)に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
  • 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の(B 保健的)環境や(C 安全)の確保などに努めること。
  • 保育室は、温かな親しみと(D くつろぎの場)となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること。
  • 子どもが(E 人と関わる力)を育てていくため、子ども自らが周囲の(F 子どもや大人)と関わっていくことができる環境を整えること。

(組み合わせ)
   A   B   C    D      E      F
1 自発的 保健的 安全 くつろぎの場 人と関わる力 子どもや大人
2 意欲的 保健的 安全 くつろぎの場  生きる力   社会や文化
3 自発的 衛生的 人材 安心できる場  生きる力  子どもや大人
4 意欲的 衛生的 人材 くつろぎの場 人と関わる力  社会や文化
5 自発的 保健的 安全 安心できる場 人と関わる力  社会や文化
正答:1


H30前:保育原理⑫

平成30年度前期試験 保育原理 問 12
 次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の方法」の一部として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの生活リズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活の援助や、意欲を十分に発揮できる環境を整えること。 →×
  2. 子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること。 →
  3. 子ども相互の関係作りや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を規律あるものにするよう援助すること。 →×
  4. 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感を持って活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。 →

正答:4 × ○ × ○


H30前:保育原理⑬

平成30年度前期試験 保育原理 問 13
次の表は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」のねらいから作成したものである。表中の A ~ E にあてはまるア~カの記述の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

領域 健康 人間関係 環境 言葉 表現
ねらい

ア 保育所生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。 →人間関係
イ 明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。 →健康
ウ 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。
エ いろいろな物の美しさなどに対する豊かな感性を持つ。 →表現
オ 身近な事物を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。 →環境
カ 人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。 →言葉
正答:3 イ ア オ カ エ


H30前:保育原理⑭

平成30年度前期試験 保育原理 問 14
 次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63号)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 第 34 条では、「保育所における保育時間は、一日につき8時間を原則とし、その地方における乳幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、自治体の長がこれを定める。」とされている。 →×
  2. 第 35 条では、「保育所における保育は、保護者支援及び教育を一体的に行うことをその特性とし、その内容については、厚生労働大臣が定める指針に従う。」とされている。 →×
  3. 第 36 条では、「保育所の長は、常に入所している乳幼児の保護者と密接な連絡をとり、子育ての支援等について、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない。」とされている。 →×
  4. 第 36 条の2第2項では、「保育所は、定期的に外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図るよう努めなければならない。」とされている。 →

正答:4 × × × ○


H30前:保育原理⑮

平成30年度前期試験 保育原理 問 15
 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。   
  
【事例】
Kちゃんは2歳になったばかりである。母親は初めての子育てに奮闘している。そんな中、Kちゃんの母親は、同じクラスにおむつをはずし始めた子がいることを知る。Kちゃんは保育所でも家庭でもおむつを使っており、担当保育士からKちゃんのトイレット・トレーニングを始めるという話はまだない。しかし、母親は、Kちゃんのトイレット・トレーニングのことを意識し始める。早速、休みの日にKちゃんが午睡から起きた際などにおむつがぬれていないときは、トイレに座ってみるように声をかけて誘ってみるが、Kちゃんは「いや!いかない」と言ってトイレに座ろうとしない。また、別の日にトイレに誘ってみるが、Kちゃんはトイレに座らないことが続く。母親は、Kちゃんのトイレット・トレーニングをどのように進めていけばよいのかを担当保育士に相談してきた。

「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」に示される発達過程や、第3章「保育の内容」の(1)「養護に関するねらい及び内容」、第6章「保護者に対する支援」に基づいた保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「Kちゃんのおむつがはずれるよう、努力しているのですね」と母親に言葉をかける。 →
  2. 保育所でトイレット・トレーニングを始めるまでは、家庭では進めないよう母親に伝える。 →×
  3. 保育所でのKちゃんの排泄の状況を伝え、トイレット・トレーニングをこれからどのように進めようと考えているのかを母親に伝える。 →
  4. トイレット・トレーニングは家庭で進めるべきものなので、保育所では対応できないと母親に伝える。 →×
  5. トイレット・トレーニングを始める目安や、いつから開始するかは個人差が大きいことなど、保育所としての基本的な考えをクラス便りに載せる。 →

正答:2 ○ × ○ × ○ 


H30前:保育原理⑯

平成30年度前期試験 保育原理 問 16
 次の文は、「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」のオ「家庭及び地域社会との連携」の一部である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもの(A 生活の連続性)を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の(B 自然)、人材、行事、施設等の(C 資源)を積極的に活用し、豊かな生活体験を始め(D 保育内容)の充実が図られるよう配慮すること。

【語群】
ア 生きる力  イ 生活の連続性  ウ 小学校   エ 自然       オ 資源
カ 遊び    キ 文化財     ク 保育内容  ケ 今後の義務教育
2 イ エ オ ク


H30前:保育原理⑰

平成30年度前期試験 保育原理 問 17
 次の文は、倉橋惣三に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 児童文化に関心を持ち、『キンダーブック』の 1927(昭和2)年の創刊・編集に携わったり、「お茶の水人形座」を創設するなど人形芝居を保育界に広めた。 →
  2. 子どもの生き生きしさや心持ちを大切にし、子どもの生活の中に保育者が教育目的を持ちながら近づき、その生活が充実するように導く「生活を生活で生活へ」という説を提唱した。 →
  3. 1934(昭和9)年発刊の『幼稚園保育法真諦』において、子どもの興味に即した主題を持たせながらその生活や活動をさらに発展させるような保育方法として「誘導」の考え方を提唱した。 →
  4. 戦後は教育刷新委員会の委員となり、「幼稚園教育要領」の作成に関わるなどし、戦後の新教育の建設に貢献した。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ×


H30前:保育原理⑱

平成30年度前期試験 保育原理 問 18
 次の文のうち、「保育所保育指針」第7章「職員の資質向上」の一部として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の知識並びに保育所職員としての職務の自覚がその基盤とならなければならない。 →×
  2. 施設長は、職員及び保育所の課題を踏まえた保育所内外の研修を体系的、計画的に実施するとともに、保育観に関する職員への恒常的指導に努めなければならない。 →×
  3. 職員は、子どもの保育及び保護者に対する保育に関する指導が適切に行われるように、自己評価に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の研修等を通じて、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めなければならない。 →
  4. 職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や地域の関係機関など、様々な人や場との関わりの中で共に学び合う環境を醸成していくことにより、保育所の活性化を図っていくことが求められる。 →

正答:5 × × ○ ○


H30前:保育原理⑲

平成30年度前期試験 保育原理 問 19
次の表は、年齢区分別の保育所等利用児童の人数と割合(保育所等利用率)を示したものである。この表を説明した記述として誤ったものを一つ選びなさい。ただし、ここでいう「保育所等」は、従来の保育所に加え、平成 27 年4月に施行した子ども・子育て支援新制度において新たに位置づけられた幼保連携型認定こども園等の特定教育・保育施設と特定地域型保育事業(うち2号・3号認定)を含むものとする。
表 年齢区分別の保育所等利用児童の割合(保育所等利用率)

  平成28 年4月 平成 27 年4月
3歳未満児(0~2歳) 975,056 人 (32.4%) 920,840 人 (29.7%)
  うち0歳児 137,107 人 (14.2%) 127,562 人 (12.5%)
うち1・2歳児 837,949 人 (41.1%) 793,278 人 (38.1%)
3歳以上児 1,483,551 人 (47.0%) 1,452,774 人 (46.0%)
全年齢児計 2,458,607 人 (39.9%) 2,373,614 人 (37.9%)

(保育所等利用率:当該年齢の保育所等利用児童数 ÷ 当該年齢の就学前児童数)
出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(平成28 年4月1日)」(平成28 年9月2日発表)による

  1. 平成28 年4月の全年齢児の保育所等利用率は、前年と比べて高くなっている。 →
  2. 平成28 年4月の保育所等利用率は、0歳児、1・2歳児、3歳以上児のすべてにおいて前年と比べて高くなっている。 →
  3. 平成28 年4月の保育所等利用率において、前年と比べて一番比率が高くなったのは0歳児である。 →×
  4. 平成28 年4月の3歳未満児の保育所等利用率は、3歳以上児の保育所等利用率と比べて低い。 →
  5. 平成28 年4月の全年齢児の保育所等の利用児童数と利用率は、両方とも前年と比べて高くなっている。 →

正答:3


H30前:保育原理⑳

平成30年度前期試験 保育原理 問 20
 次の文は、日本の保育の現状と課題に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 外国籍の子どもを保育所に受け入れて保育する際には、国籍や文化の違いを認め、互いの文化を理解し、それぞれの持つ文化の多様性を尊重する多文化共生の視点が求められる。 →
  2. 小学校教育との連携は、主に学童保育の問題が中心的課題であり、保育と小学校以上の教育とは異質な面が多いため、学習面での連続性は考えず保育の独自性を追求することが今後の課題である。 →×
  3. 就学に向けて、保育所の子どもと小学校の児童との交流、職員同士の交流、情報共有や相互理解など小学校との積極的な連携を図ることが求められている。 →

正答:2 ○ × ○


H29後:保育原理①

平成29年度後期試験 保育原理 問1
 次の文は、保育所の役割に関する記述である。「保育所保育指針」第1章「総則」の2「保育所の役割」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育所は、「児童福祉法」に規定された児童福祉施設であり、子どもの学力の向上を図るとともに、子どもの福祉を積極的に増進することを目的にしている。 →×
  2. 保育所は、入所する子どもの最善の利益を考えて、積極的に福祉を増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。 →
  3. 保育所は、保育について専門性を持った職員が、保育所の環境を通して、3歳未満児には養護と教育を行っているが、3歳以上児には教育のみを行っている。 →×
  4. 保育所は、入所する子どもの保護者への支援を行うだけではなく、地域の子育て家庭への支援をする役割を担う。 →
  5. 保育所の役割や機能が適切に発揮されるようにするために、保育所の保育士は倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって子どもを保育したり、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行う。 →

正答:4 × ○ × ○ ○

☆新保育所保育指針 第1章総則 1保育所保育に関する基本原則 (1)保育所の役割

A:「ア 保育所は、児童福祉法第39条の規定に基づき、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。」
C:「イ 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。


H29後:保育原理②

平成29年度後期試験 保育原理 問2
 次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の法令を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 2006(平成 18)年に全面改正され、その第 11 条において、幼児期の教育に関する規定が取り入れられた。 →教育基本法
  2. 2001(平成 13)年の改正により、保育士の定義や登録等、保育士資格の法定化がなされ、その法定化は 2003(平成 15)年に施行された。 →児童福祉法
  3. 2003(平成 15)年に制定され、その第2条において、急速に進展する少子化社会において講ぜられる施策の基本理念が示された。 →少子化社会対策基本法
  4. 2004(平成 16)年に制定され、その第7条において、保育を行う場合に発達障害児の健全な発達が他の児童と共に生活することを通じて図られるよう適切な配慮をするものとされた。 →発達障害者支援法

【Ⅱ群】
ア 発達障害者支援法
イ 次世代育成支援対策推進法
ウ 児童福祉法
エ 教育基本法
オ 少子化社会対策基本法
正答:5 エ ウ オ ア


H29後:保育原理③

平成29年度後期試験 保育原理 問3
次の表は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」の1「保育のねらい及び内容」の一部から作成したものである。表中のA~Dにあてはまるア~エの記述の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  ねらい 内容
生命の保持 ・ 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。

・A 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。

・ 清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して、子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活リズムが作られていくようにする。

・B 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。

情緒の安定 ・ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。

・C 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。

・ 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。

・D 一人一人の子どもの生活リズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。

ア 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
イ 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。
ウ 一人一人の子どもの生活リズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。
エ 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。
正答:4 エ イ ア ウ


H29後:保育原理④

平成29年度後期試験 保育原理 問4
 次の文は、「児童の権利に関する条約」第 12 条の一部である。(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
締約国は、自己の(A 意見)を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を(B 表明)する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の(C 年齢)及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。
(組み合わせ)
   A   B   C
1 信条  主張  年齢
2 意見  表明  年齢
3 意見  主張  人格
4 信条  表明  人格
5 意見  主張  年齢
正答:2


H29後:保育原理⑤

平成29年度後期試験 保育原理 問5
 次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の方法」の一部として、(A)~(E)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 子どもが自発的、意欲的に関われるような (a →)環境を構成し、子どもの (b →)主体的な活動(c →×)子どもと特定の大人との関わりを大切にすること。特に、乳幼児期に (d →×)貴重な体験が得られるように、(e →)生活や遊びを通して総合的に保育すること。

正答:3 ○ ○ × × ○


H29後:保育原理⑥

平成29年度後期試験 保育原理 問6
 次のA~Eは保育所の「園だより」に紹介された各年齢クラスの子どもの姿である。年齢の低い順に並べた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. この2週間ほどお団子作りが続いています。砂と土の違いがわかり、今は土団子を作っています。まん丸のお団子ができるには根気と集中力が必要ですが、途中で壊れてもその理由を自分なりに考え、試行錯誤しながらあきらめずに頑張っています。
  2. 保育士の「お馬の親子は~」の歌に合わせてマットや板で作った低い段差をハイハイでたくさん動いて遊んでいます。体操も気に入っていて、手を叩いたり身体を揺らして楽しんでいます。
  3. 食事も自分で上手に食べることができて、衣類の着脱についても自分で引き出しから洋服を出して着替えるなどの姿が見られます。
  4. 保育士に土俵を描いてもらい、「ひがしー○○山、にしー○○花」「みあってみあって、はっけよいのこった!」とみんなで言いながら、保育士と一緒にすもうごっこを楽しんでいます。すもうで力くらべをするにも、ルールがあることが次第にわかってきたようです。
  5. 誰かが手さげ袋を持つと、それをまねして袋を持つ子が続きます。保育士が「お出かけですか?」と声をかけるとバイバイと手を振って、はりきってお出かけをします。

正答:2 B→E→C→D→A


H29後:保育原理⑦

平成29年度後期試験 保育原理 問7
 次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の法令等を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 児童福祉施設の職員は、常に自己研鑽に励み、法に定めるそれぞれの施設の目的を達成するために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。 →
  2. 児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境のなかで育てられる。 →
  3. 保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなつた後においても、同様とする。 →

【Ⅱ群】
ア 児童福祉法
イ 児童憲章
ウ 児童の権利に関する条約
エ 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和 23 年厚生省令第 63 号)
正答:5 エ イ ア