保育の心理学一覧

R6後期:保育の心理学①

R6後期 保育の心理学 問1 
次のうち、人の発達の捉え方に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. シュテルン(Stern, W.)は、遺伝と環境の2つの要因が寄り集まって、発達が現れると考えた。 →〇
  2. 発達段階とは、人の発達において、数字で表すことが難しい質的な変化について、いくつかの段階と順序で捉える考え方である。 →〇
  3. ハヴィガースト(Havighurst, R.J.)は、人の発達を8つの段階に分けて、それぞれの段階の発達課題を設定した。 →×
  4. 発達とは、時間の経過とともに、心身が変化することであり、人の発達は青年期までに完了する。 →×

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × × →〇
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
正答:1


R6後期:保育の心理学②

R6後期 保育の心理学 問2 
次のうち、乳幼児期の発達に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. ブリッジス(Bridges, K.M.B.)によれば、1歳半頃に客体的意識が獲得されると、照れや共感がみられるようになる。 →×
  2. 乳児期に、同じ物をずっと見たり聞いたりしていると飽きて注意を向けなくなる現象を、脱馴化という。 →×
  3. ファンツ(Fantz, R.L.)によれば、生後2~3か月の乳児は、単純な刺激と複雑な刺激を見せられると、単純な刺激を好んで注視する。 →×
  4. マズロー(Maslow, A.H.)の人間の欲求階層説によると、乳児期は食欲、睡眠欲などの生理的欲求の充足を求める段階である。 →〇
  5. ギブソン(Gibson, E.J.)とウォーク(Walk, R.D.)の視覚的断崖の装置は、乳児における奥行き知覚の存在を確かめるものとして開発された。 →〇

正答:4,5


R6後期:保育の心理学③

R6後期 保育の心理学 問3 
次の文は、子どもの発達に関する記述である。A~Dについて提唱した人物を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 学習を成立させるためには、当該の知識や技能に対応する神経系の成熟を待たなければならない。 →ア ゲゼル(Gesell, A.L.)
  2. 向社会的な道徳判断は、自己志向的な考え方から、他者の視点を考慮した共感的な考え方を経て、内面化された価値や規範に基づくものへと発達する。 →エ アイゼンバーグ(Eisenberg, N.)
  3. ヒトは脳の巨大化と直立二足歩行という特徴から、未熟な状態で出産せざるを得なくなり、早産が通常化した。 →カ ポルトマン(Portmann, A.)
  4. 子どもが独力で可能な問題解決の発達水準と、大人に指導されたり自分より有能な仲間と協同したりして可能となる問題解決の発達水準との間には隔たりがある。 →オ ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)

【語群】
ア ゲゼル(Gesell, A.L.) イ アドラー(Adler, A.)
ウ バンデューラ(Bandura, A.) エ アイゼンバーグ(Eisenberg, N.)
オ ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.) カ ポルトマン(Portmann, A.)
(組み合わせ)
A B C D
1 ア ウ オ イ
2 ア エ カ イ
3 ア エ カ オ →〇
4 イ ウ カ オ
5 イ エ オ ウ
正答:3


R6後期:保育の心理学④

R6後期 保育の心理学 問4 
次の乳児と母親のやりとり場面の記述を読んで、【設問】に答えなさい。
生後9~ 10 か月頃になると、乳児の認識世界には大きな変化が現れる。乳児を抱いている母親が「ワンワンだね」と犬を指し示すと、乳児は犬に視線を向ける。また、棚の上の玩具がほしい時に「アーアー」と言いながら身振りで母親に伝えようとする。
【設問】
次の用語のうち、この記述に示されているものを○、示されていないものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 三項関係 →〇
B 共鳴動作 →×
C 共同注意 →〇
D 情動調整 →×
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ × →〇
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
正答:3


R6後期:保育の心理学⑤

R6後期 保育の心理学 問5
 次の文は、認知発達における情報処理に関する記述である。A~Dに関する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 情報の処理に時間を要するが、処理に誤りの少ないタイプ。 →ア 熟慮型
  2. 物事を順番に記憶する際に、最初と最後に記憶したものの再生率が高い。 →エ 系列位置効果
  3. 記憶を思い出す時には、覚えていた内容が変化することがある。 →カ 記憶の変容
  4. 記憶すべき対象の情報を保持するために、それを繰り返し唱えたり、再生したりすること。 →ク リハーサル

【語群】
ア 熟慮型    イ 場依存型   ウ 忘却曲線    エ 系列位置効果
オ 記憶の保持  カ 記憶の変容  キ シフティング  ク リハーサル
(組み合わせ)
A B C D
1 ア ウ オ キ
2 ア エ カ ク →〇
3 イ ウ カ ク
4 イ エ オ ク
5 イ エ カ キ
正答:2


R6後期:保育の心理学⑥

R6後期 保育の心理学 問6 
次の子どもの数の認識に関する記述を読んで、【設問】に答えなさい。
数を数える時には、おはじきでも、クレヨンでも、数える対象がどんなものであっても、「いち、にぃ、さん…」というように数詞をいつも同じ順序で唱える。数える対象のそれぞれを、1つ1つ指でさして、それぞれの数詞を唱えることもみられる。例えば、一列に並んだ 13 個のおはじきを数えるように促された幼児は、端から順番に数えあげて「全部で 13 あった」と言い、最後の数が全体の数を表すことを覚えていくことで、数の概念が育っていく。また、おはじきを右から数えても、左から数えても、数は一定であることを学んでいく。
【設問】
次の用語のうち、この記述に示されていないものを1つ選びなさい。
1 数の保存の原則 →×
2 一対一対応の原則
3 基数の原則
4 安定した順序の原則
5 順序無関連の原則
正答:1


R6後期:保育の心理学⑦

R6後期 保育の心理学 問7 次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の発生的認識論に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 具体的操作期に、子どもは、物や人を見たり触ったりする経験を繰り返す中で、その特徴を理解していく。 →×
  2. 前操作期になると、シンボルを用いて事象を表現することができるようになり、象徴遊びが可能になる。 →〇
  3. 形式的操作期の最後の段階である6段階目になると、実際に自分自身がやってみなくても、結果に関する予期をする洞察がみられる。 →×
  4. 外界の対象に働きかける際に、その対象が自分にうまく合わないときに、自分をその対象に合わせて修正する働きを同化という。 →×
  5. 自他が未分化なため、自分の視点や経験を中心にして、ものごとを捉えることを自己中心性という。 →〇

正答:2,5


R6後期:保育の心理学⑧

R6後期 保育の心理学 問8 次のA~Dは、社会性の発達に関する用語である。発達過程の中で出現する順に並べた場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 延滞模倣
B 社会的参照
C 社会的表示ルール(social display rules)
D 社会的微笑
(組み合わせ)
1 B→A→D→C
2 B→D→C→A
3 D→A→B→C
4 D→B→A→C →〇
5 D→C→B→A
正答:4


R6後期:保育の心理学⑨

R6後期 保育の心理学 問9 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
P保育士は、0歳児クラスの担当保育士である。

  • Qちゃんの保護者Rさんが、「ある人から、(a)子どもが泣いたらすぐに抱っこしていると、その子は親から離れることができなくなる →×と聞いて不安になりました。本当でしょうか?」と心配そうな表情でP保育士に質問した。また、保護者Rさんは、「昨日の夜、2歳になるQの姉を一人で部屋に残して、ティッシュを取りに行きました。Qの姉は私が戻るまで、泣かずにその場にいました。(b)私が目の前にいなくても、私のイメージを思い浮かべて、待つことができるようになった →〇ということでしょうか?」とP保育士に質問した。
  • P保育士は、保育を学ぶ実習生Sさんに養護面の大切さを伝えた。実習生Sさんの実習日誌には、「(c)保育の中で心地よさを感じながら育つと、子どもは、担当保育士に対する信頼を形成し、それを基盤として、他の保育士への信頼も形成していく →〇」と書かれていた。また、実習生Sさんは「(d)周囲の人に対する信頼感よりも不信感が強いと、パーソナリティに影響を与える →〇と聞いたことがあるのですが、それは本当ですか?」とP保育士に質問した。

【設問】
(a)~(d)の下線部分が、エリクソン(Erikson, E.H.)による「基本的信頼」の形成の観点から、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
(組み合わせ)
a b c d
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ○ →〇
4 × ○ × ×
5 × × ○ ×
正答:3


R6後期:保育の心理学⑩

R6後期 保育の心理学 問 10 
次のうち、学童期から青年期の発達に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 学童期後期では自己評価のための社会的比較がまだできないため、正確な自己評価ができず、肯定的に偏ってしまう。 →×
  2. 青年期では養育者などの周囲の大人や社会に対して従順な姿勢を示し、世の中の価値観を疑うことなく内在化し始めるようになるため、心理的に安定する。 →×
  3. 近年、第二次性徴の時期が早まっており、新しい世代になればなるほど、身体的な発達が促進されるような現象を発達加速現象という。 →〇
  4. サリヴァン(Sullivan, H.S.)によれば、同性の仲間と親密な関係性を築き、互いの類似性や共通点を確かめ合う集団をチャムグループという。 →〇
  5. 青年期において、大人としての社会的役割や責任が一時的に猶予されることを、エイジング・パラドックスという。 →×

正答:3,4


R6後期:保育の心理学⑪

R6後期 保育の心理学 問 11 
次のうち、高齢期の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 高齢期になると、感覚機能や奥行き知覚、運動能力など様々な側面における変化が見られ、視覚の老化は五感のうち最も早く顕著に現れる。 →〇
  2. 高齢者が高齢期に生じる生理的・精神的・社会的な変化に適応して、幸せで心理的に安定した生活を送ることができることを、サクセスフル・エイジングという。 →〇
  3. 厚生労働省の区分では、高齢者を前期(65 ~ 74 歳)と後期(75 歳以上)に分けており、一般的に前期は、労働や子育てなどの社会的責任から解放されて新しいライフスタイルをもつ時期であると考えられる。 →〇

(組み合わせ)
A B C
1 ○ ○ ○ →〇
2 ○ × ○
3 ○ × ×
4 × ○ ×
5 × × ×
正答:1


R6後期:保育の心理学⑫

R6後期 保育の心理学 問 12 
次の文は、アタッチメント(愛着)に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
( A  →〇キ エインズワース(Ainsworth, M.D.S.))はアタッチメントの個人差を測定する手続きとして、( B  →〇オ SSP(ストレンジ・シチュエーション法))を開発した。これは、子どもが初めて訪れる部屋に親子を案内し、親と分離させたり、見知らぬ人と対面させたり、親と再会させたりすることによって、子どもの反応を組織的に観察するというものである。親との分離に際し、泣くなどの混乱を示すことがほとんどない子どものアタッチメント・スタイルは( C  →〇イ Aタイプ(回避型))、親との分離に際し、非常に強い不安や混乱を示し、親との再会時には、親に強く身体接触を求めるが、その一方で親に対して強い怒りを示す子どものアタッチメント・スタイルは( D  →〇カ Cタイプ(アンビバレント型))と呼ばれている。
【語群】
ア SST(ソーシャル・スキル・トレーニング) イ Aタイプ(回避型)
ウ ボウルビィ(Bowlby, J.) エ Bタイプ(安定型)
オ SSP(ストレンジ・シチュエーション法) カ Cタイプ(アンビバレント型)
キ エインズワース(Ainsworth, M.D.S.) ク Dタイプ(無秩序・無方向型)
(組み合わせ)
A B C D
1 ウ ア エ カ
2 ウ オ イ ク
3 キ ア エ ク
4 キ オ イ カ →〇
5 キ オ エ ク
正答:4


R6後期:保育の心理学⑬

R6後期 保育の心理学 問 13 
次のうち、親になることに関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 1990 年代に日本で行われた、幼児期までの子どもをもつ親を対象とした「親となることの発達」に関する研究では、子育ての経験は柔軟性、自己抑制、視野の広がり、自己の強さ、生き甲斐など親自身の人格発達を促すこと、このような発達は父親よりも母親で顕著であることが示された。 →〇
  2. 親準備性は、自らが妊娠や出産を経験することによって初めて獲得される。 →×
  3. 一般に、有職の母親は専業主婦の母親よりも育児不安が強いと言われる。 →×
  4. 子どもが青年期になると、親は子どもの自立を援助することが課題となるが、子どもの自立によって空虚感や役割の喪失を感じる「カサンドラ症候群」に陥る場合もある。 →×
  5. 親としての育ちには、アイデンティティの再体制化が必要となる。 →〇

正答:1,5


R6後期:保育の心理学⑭

R6後期 保育の心理学 問 14 次のうち、子育てを取り巻く社会的状況に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 晩婚化や晩産化などを背景に、育児期にある者が親の介護も同時に引き受けることがある。これを育児と介護のダブルケアという。 →〇
  2. 「令和3年社会生活基本調査」によれば、子どもがいる世帯のうち6歳未満の子どもがいる世帯において、妻の家事時間は増加傾向、育児時間は減少傾向で推移している。 →×
  3. 虐待を生じさせるリスク要因には、保護者側の要因や養育環境の要因が挙げられるが、子ども側の要因は含まれない。 →×
  4. 「令和4年版男女共同参画白書」によれば、2020(令和2)年には婚姻の約4件に1件が再婚となっている。 →〇

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ×
3 ○ × × ○ →〇
4 × ○ × ○
5 × × × ×
正答:3


R6後期:保育の心理学⑮

R6後期 保育の心理学 問 15 
次のうち、「第 16 回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(2023 年8月 国立社会保障・人口問題研究所)における、結婚と出産に関する意識についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 25 ~ 34 歳の未婚者の「独身でいる理由」としては、男性・女性ともに「適当な相手にまだめぐり会わないから」よりも「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」のほうが多い。 →×
  2. 18 ~ 34 歳の未婚女性の「理想ライフコース」としては、結婚し子どもを持つが、結婚あるいは出産の機会にいったん退職し、子育て後に再び仕事を持つ「再就職コース」が最も多く、結婚し、子どもを持つが、仕事も続ける「両立コース」が次いで多い。 →×
  3. 予定子ども数が理想子ども数を下回る初婚同士の夫婦において、「夫婦が理想の数の子どもを持たない理由」としては、「自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから」よりも「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」のほうが多い。 →〇

(組み合わせ)
A B C
1 ○ ○ ○
2 ○ ○ ×
3 ○ × ×
4 × ○ ○
5 × × ○ →〇
正答:5


R6後期:保育の心理学⑯

R6後期 保育の心理学 問 16 
次のうち、ドメスティック・バイオレンスに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. ドメスティック・バイオレンスには、身体的なものだけでなく、精神的なものや性的なものも含まれる。 →〇
  2. 子どもの前で行われるドメスティック・バイオレンスは、児童虐待には当たらない。 →×
  3. 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」において、「配偶者」には婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。 →〇
  4. 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」において、「被害者」は女性に限定されている。 →×

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ × →〇
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○
正答:2


R6後期:保育の心理学⑰

R6後期 保育の心理学 問 17 
次の文は、初期経験が発達に及ぼす影響に関する記述である。(a)~(d)の下線部分が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
動物行動学を確立した(a)ハーロウ(Harlow, H.F.) →×は、ハイイロガンなどの鳥類のひなは、孵化してから最初に見たもの(音を出して動くもの)の後をついて回るという現象を発見した。この現象は(b)インプリンティング →〇と呼ばれている。このような現象は、孵化後の一定の時期を逃すと起こらないこと、(c)一度獲得されると後から修正できない →〇ことから、この時期は(d)敏感期 →×と呼ばれている。しかし、ヒトの場合には厳密な意味でのこのような時期は存在しないと言われている。(組み合わせ)
a b c d
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ × →〇
5 × × × ○
正答:4


R6後期:保育の心理学⑱

R6後期 保育の心理学 問 18 
次のうち、自閉スペクトラム症に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 話し言葉の発達の遅れや、相手の言ったことをそのまま繰り返す、状況にそぐわない言葉を使用するなど特徴的な言葉の使用がみられることがある。 →〇
  2. 原因として、母子関係のあり方で生じるという考えが主流だった時期もあったが、現在では、育て方によるものではないと考えられている。 →〇
  3. 社会的コミュニケーションの障害の症状としては、他者の気持ちを理解することが苦手であり、うまく対人関係を築くことが難しく、一人でいることが多い。 →〇
  4. 興味や行動の限定の症状として、特定の物事に強い興味をもち、強いこだわりを示したり、特定の行動を繰り返したり、特定の領域に関する膨大な知識をもったりするなどの特徴があげられる。 →〇

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○ →〇
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
正答:1


R6後期:保育の心理学⑲

R6後期 保育の心理学 問 19 
次の文は、子どもの行動観察法に関する記述である。A~Dに関する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 印象に残ったこと、気になったことなど、行動の偶発的発生を観察する方法 →イ 逸話記録法
  2. 行動の流れを時間間隔で分け、特定の行動の有無や、頻度を観察する方法 →ウ 時間見本法
  3. 観察した行動の程度や印象を数値的に評価する方法 →オ 評定尺度法
  4. ある特定の事柄や行動がどのように生起したのか、どのようなプロセスを経たのかを観察する方法 →ク 事象見本法

【語群】
ア 日誌法    イ 逸話記録法   ウ 時間見本法  エ 場面見本法
オ 評定尺度法  カ 非参加観察法  キ 実験観察法  ク 事象見本法
(組み合わせ)
A B C D
1 ア ウ カ キ
2 ア エ オ ク
3 イ ウ オ ク →〇
4 イ ウ カ ク
5 イ エ カ キ
正答:3


R6後期:保育の心理学⑳

R6後期 保育の心理学 問 20 
次のうち、「新版K式発達検査 2020」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

  1. 対象年齢は、3歳から成人である。 →×
  2. 年齢にかかわらず課題の実施順序が定められている。 →×
  3. 対象者が課題のやり方を言葉で理解できないと、検査の実施が難しい。 →×
  4. 「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3領域で構成されている。 →〇

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × × ○ ×
5 × × × ○ →〇
正答:5


R6前期:保育の心理学①

R6前期 保育の心理学 問1 次の文は、アタッチメントに関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
( A  →〇ボウルビィ(Bowlby, J.))は、乳児が不安や不快を感じるとアタッチメント行動が( B  →〇自動的)に生じ、特定の人物から慰めや世話を受けることで、安心感や安全感が取り戻されると、アタッチメント行動は( C  →〇沈静化)すると考えた。アタッチメントはこのような( D  →〇行動制御システム)を通して機能するものであり、( A )は、特定の人物にくっつくという形で示される、子どもから特定の人物への永続的で強固な絆のことを、アタッチメントと呼んだ。
(組み合わせ)
A BC D
1 エインズワース(Ainsworth, M.D.S.) 随意的 沈静化 刺激反応システム
2 エインズワース(Ainsworth, M.D.S.) 自動的 活性化 行動制御システム
3 ボウルビィ(Bowlby, J.) 随意的 活性化 刺激反応システム
4 ボウルビィ(Bowlby, J.) 自動的 沈静化 行動制御システム →〇
5 ボウルビィ(Bowlby, J.) 自動的 活性化 刺激反応システム
正当:4


R6前期:保育の心理学②

R6前期 保育の心理学 問2 次のうち、音声知覚の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 生後間もない乳児でも、母語とそれ以外の言語を聞き分けられるのは、養育者の話し声から、その言語特有のリズムパターンを学習しているからである。 →〇
  2. 乳児の視覚機能の発達が早いのに比べ、聴覚機能の発達は、生活リズムに適応する過程を経て生後1年までに徐々に発達していく。 →×
  3. 乳児の音の好み(聴覚的選好)を調べた結果、女性の高い音域の声よりも、男性の低い音域の声によく反応することが分かった。 →×
  4. 乳児に、同じ刺激を反復提示すると、慣れてきて注意が低下し反応が減少する。 →〇

正当:3 ○ × × ○


R6前期:保育の心理学③

R6前期 保育の心理学 問3 次のうち、心の理論の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 誤信念課題は、6歳頃から徐々に正答できるようになる。 →×
  2. 自閉スペクトラム症の場合、知的な遅れがないのに誤信念課題の成績が低いことがあり、心の理論の獲得に困難があることが注目された。 →〇
  3. 生後9か月頃に成立する共同注意は、心の理論の前駆体とみなされている。 →〇
  4. 心の理論を獲得した子どもは、相手の行動を理解したり予測したりすることが可能になる。 →〇

正当:4 × ○ ○ ○


R6前期:保育の心理学④

R6前期 保育の心理学 問4 次の文は、社会情動的発達に関する記述である。A~Dに関連する語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 自分で自分の身体に触れているときは、触れている感覚と触れられている感覚がする。 →〇
  2. 生後間もない時期から、乳児が他者に示された表情と同じ表情をする。 →〇
  3. 1歳半頃から、子どもが大人と同じようなことをやりたがったり、大人に対してことごとく「イヤ」と言って頑として譲らなかったりする。 →〇
  4. 情動は、運動・認知・自己の発達と関連しながら分化していく、という考え方を提唱した。 →〇

【語群】
ア ダブルバインド  イ ダブルタッチ  ウ 共鳴動作  エ トマセロ(Tomasello, M.)
オ 延滞模倣     カ 自己中心性   キ 自己主張  ク ルイス(Lewis, M.)
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア ウ カ エ
2 ア オ キ ク
3 イ ウ カ ク
4 イ ウ キ ク →〇
5 イ オ カ エ
正当:4


R6前期:保育の心理学⑤

R6前期 保育の心理学 問5 次のうち、乳幼児の運動発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 二足歩行ができるようになると、子どもの行動範囲は広がり、両手で物を持って運ぶ、足で蹴るなどの操作的技能を獲得するようになる。 →〇
  2. 乳児の運動機能の発達は、頭部から尾部へ、身体の末梢から中心へ、粗大運動から微細運動へという方向性と順序がある。 →×
  3. 4~5歳頃になると、運動パターンの主要な構成要素が身につき、自分の運動をコントロールし、調和のとれたリズミカルな動きができるようになる。 →〇
  4. 一般に、運動遊びを好み、日常的にいろいろな種類の運動遊びをしている幼児の運動能力の水準は高い。しかし、幼児期の子どもについては、体力・運動能力テストによる測定は全く不可能である。 →×

正当:3 ○ × ○ ×


R6前期:保育の心理学⑥

R6前期 保育の心理学 問6 次の文は、乳幼児期の学びに関する理論の記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)は、子どもの認知発達には二つの水準が存在するとした。一つは、他者の援助がなくても独力で遂行できる現在の発達水準である。もう一つは大人や友だちの援助があればできる水準である。この二つの水準の間を( A  →〇エ 発達の最近接領域)と呼んだ。
  • パブロフ(Pavlov, I.P.)が提唱した、条件反射のメカニズムによって行動の変化を説明する理論を( B  →〇ウ レスポンデント条件づけ)と呼ぶ。日常的な例として、レモンを見ると唾液が出るといったことが挙げられる。
  • バンデューラ(Bandura, A.)は、経験をしていなくても他者の行動を観察するだけで学習者の行動が変化するという( C  →〇オ モデリング)を提唱した。
  • 「学び」については、古くから多くの研究が行われており、「学び」の捉え方(学習観)自体も大きく転換してきた。現代にいたるまでの間に、学びの中心に教師を置く「教師中心」の行動主義から、学びを「知識の構築過程」と捉え、子どもを自らの知識を構築していく能動的な存在と考え、学びの中心に子どもを置く「子ども中心」の( D  →〇ク 構成主義)に転換すると考えられている。

【語群】
ア オペラント条件づけ  イ 内的作業領域  ウ レスポンデント条件づけ
エ 発達の最近接領域   オ モデリング   カ 機能主義
キ 認知的徒弟制     ク 構成主義
(組み合わせ)
  A B C D
1 イ ア オ カ
2 イ ウ キ ク
3 エ ア キ カ
4 エ ア キ ク
5 エ ウ オ ク →〇
正当:5


R6前期:保育の心理学⑦

R6前期 保育の心理学 問7 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳児のMちゃんとRちゃんが積み木で遊んでいる。Rちゃんは積み木を高く積み、「いち、に、さん、よん、ご……じゅう」と自分が積んだ積み木を数えていく。そして、Mちゃんに「見て、10個も積めた」と話しかける。
Mちゃんは三角の積み木を床に置き、その上に三角の積み木をもう一つ積もうとするが、滑り落ちる。Mちゃんは「Rちゃん、見て。グラグラしてのらない」と笑いながら言って、Rちゃんに見せる。Rちゃんは「四角い積み木を下に置いて、その上に三角の積み木を置くと、グラグラしないよ」と教える。
その言葉を聞いて、Mちゃんは、四角い積み木を持ってくる。そして、四角い積み木の上に三角の積み木を積む。Mちゃんは、再びRちゃんに「四角い積み木の上に三角の積み木を置いたらお家みたいだね」と言う。今度は、いくつかの四角い積み木の上にそれぞれ三角の積み木を積む。Rちゃんは「街にしよう」と誘い掛け、「Mちゃんのお家の右側に道を作って、左側に他のお家を作ろう」とMちゃんに伝える。Mちゃんは「いいね。道の横にも、お家を作ろうよ」と言って、二人は積み木遊びを続ける。
【設問】
次のうち、事例の遊びの中でMちゃんとRちゃんが学んでいることとして、最も関連性の低い内容を一つ選びなさい。
1 計数
2 形の認識
3 計算 →〇
4 上下という空間に関する感覚
5 左右という空間に関する感覚
正当:3


R6前期:保育の心理学⑧

R6前期 保育の心理学 問8 次のうち、幼児の問題解決に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 幼児は、遊びや生活において様々な問題に直面する。例えば、光る泥団子を作る際に、どうやったら壊れない、表面がなめらかな泥団子になるか考え、自分の作りたい泥団子のイメージに近いものを作っている友だちの作り方を見て参考にしたり、自分で材料を工夫したりして、試行錯誤する。 →〇
  2. 問題解決とは、問題状況に直面したとき、「こうしたい」という目標をもち、手段や方法を考えて実行し、目標に達しようとすることである。 →〇
  3. 幼児が問題解決をしようとしているとき、保育士は幼児の気持ちを推測し、常に解決策を提示するとよい。 →×
  4. 遊びにおける問題解決場面は、幼児の思考力が促される機会となり得る。幼児の思考の特徴として、物事や人に関して、言語的な情報によってのみ思考が進むことがあげられる。 →×

正当:2 ○ ○ × ×


R6前期:保育の心理学⑨

R6前期 保育の心理学 問9 次のうち、学童期の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 善悪の判断が、行為の意図を重視する判断から、行為の結果を重視する判断へと移行する。 →×
  2. ピアグループと呼ばれる小集団を形成する。この集団は、多くの場合、同性、同年齢のメンバーで構成され、強い閉鎖性や排他性をもち、大人からの干渉を極力避けようとする。 →×
  3. 保存概念を獲得し、外見的特徴や見かけに左右されずに、物事を論理的に考えて理解することができるようになっていく。 →〇
  4. エリクソン(Erikson, E.H.)は、学童期の心理社会的危機を「勤勉性 対 劣等感」としている。 →〇

正当:4 × × ○ ○


R6前期:保育の心理学⑩

R6前期 保育の心理学 問 10 次の文は、青年期に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
青年は、自己探求の過程で「自分」という存在を問い続けることで、アイデンティティを確立していく。しかし、その過程では自分の存在意義や社会的役割を見失うことも多々ある。これは多くの青年が( A  →〇オ 一時的)に経験する自己喪失の状態であり、( B  →〇ア アイデンティティ拡散)と呼ばれる。
( C  →エ マーシア(Marcia, J.E.)〇)は、アイデンティティを獲得する過程において、危機と積極的関与に着目し、アイデンティティ・ステイタスを4つに分類した。このうち、( D  →〇イ 早期完了)は危機を経験することなく、何かに積極的関与をしている状態とされる。
【語群】
ア アイデンティティ拡散 イ 早期完了 ウ ホリングワース(Hollingworth, L.S.)
エ マーシア(Marcia, J.E.)  オ 一時的     カ アイデンティティ達成
キ 永続的 ク モラトリアム
(組み合わせ)
  A B C D
1 オ ア エ イ →〇
2 オ ア エ ク
3 オ カ ウ イ
4 キ ア ウ ク
5 キ カ エ ク
正当:1