保育の心理学一覧

H31前:保育の心理学①

平成31年度前期試験 保育の心理学 問1 
次の文は、人の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 生涯の発達的変化に影響を及ぼす要因として、人生のなかで出会う重要な意味をもつ個人的出来事があげられる。 →〇
  2. 発達に関して、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視した構成主義として、ピアジェ(Piaget, J.)の発達理論があげられる。 →〇
  3. 成長は身体面の形態・構造の量的変化をさすのに対して、発達は心理・人格面の質的変化をさすとされるが、その区別は厳密ではない。 →〇
  4. 発達には個人差があり、それには2種類の個人差を理解する必要がある。一つは個人間差であり、もう一つは個人内差であり、一般に個人差というと後者をさすことが多い。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ×


H31前:保育の心理学②

平成31年度前期試験 保育の心理学 問2 
次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 生得的に内在する能力が、時期に応じて自然に展開し、発達すると考える。 →イ ゲゼル(Gesell, A.L.)
  2. 発達は漸次的に展開すると捉え、乳児期から老年期に至る8つの発達期それぞれに危機があると考える。 →エ エリクソン(Erikson, E.H.)
  3. 発達を環境との相互作用として捉え、人を取り巻く環境を4つのシステムと考えた後に、時間の影響・時間経過をつけ加え、5つのシステムとした。 →ウ ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)
  4. 受胎から死に至る過程の行動の一貫性と変化を捉え、生涯発達の一般的原理や発達の可塑性と限界を明らかにした。 →オ バルテス(Baltes, P.B.)

【Ⅱ群】
ア マッコール(McCall, R.B.)
イ ゲゼル(Gesell, A.L.)
ウ ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)
エ エリクソン(Erikson, E.H.)
オ バルテス(Baltes, P.B.)

正答:4 イ エ ウ オ


H31前:保育の心理学③

平成31年度前期試験 保育の心理学 問3 
次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」のイ「人間関係」の一部である。A~Eの文のうち、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. いろいろな遊びを楽しみながら物事をやり遂げようとする気持ちをもつ。 →〇
  2. 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。 →×
  3. 自分の思ったことを相手に伝え、相手の思っていることに気付く。 →〇
  4. 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。 →×第2章21~3歳(2)イ人間関係(イ)
  5. 友達と楽しく活動する中で、共通の目的を見いだし、工夫したり、協力したりなどする。 →〇

正答:3 ○ × ○ × ○


H31前:保育の心理学④

平成31年度前期試験 保育の心理学 問4 
次の文は、児童期から青年期の移行に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。

児童期から青年期に移行する第二次性徴が出現する時期は(A カ 思春期)とも呼ばれる。心理的には、
一般に児童期の(B エ 仲間に基準をおく)傾向から、(C ウ 自己に基準をおく)傾向への準備が始まる。その基底に親からの(D イ 心理的離乳)があり、精神的独立に向かって歩みだすが、その不安定さと葛藤は、しばしば反抗として現れる。
【語群】
ア 潜伏期       イ 心理的離乳  ウ 自己に基準をおく
エ 仲間に基準をおく  オ 経済的自立  カ 思春期
正答:5 カ エ ウ イ


H31前:保育の心理学⑤

平成31年度前期試験 保育の心理学 問5 
次の文は、固定遊具での遊びに関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 固定遊具に複数の幼児が集まると、動きの速さや回数を競ったりして互いに刺激し合いながら遊ぶ姿が見られる。数の限られた遊具では、順番に並んだり、交代したりすることを経験することにもなり、体を動かして遊びながら、人との関わりを学ぶことができる。 →〇
  2. 固定遊具のある園庭は、全園児が使用する共有スペースである。そのため、使い方や遊び方については、幼児と保育士が相互に話し合うことも必要である。 →〇
  3. 固定遊具は他の遊具や用具と組み合わせて使ったり、ごっこ遊びなどのイメージを取り込むことで遊びを広げていくことができる。その一方で、黙々と逆上がりに取り組んでいる幼児もおり、固定遊具での遊びの楽しさは一人一人異なる。 →〇
  4. 固定遊具の高い所で押し合うなど、保育士からは危ないように見えても、幼児は友達の様子や状況を考えながら行動している。そのため、声をかけずに見守ることが大切である。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ×


H31前:保育の心理学⑥

平成31年度前期試験 保育の心理学 問6 
次の文は、仲間関係の機能に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 他者の外的行為を認めるだけでなく、その背後にある気持ちや感情、意図や動機、思考などの内的特性について気付き、正しく推論し、理解する。 →ウ 他者理解・共感
  2. 他者のある行為を理解するために、その人の年齢、性別、職業などについての知識に基づいて推論する。 →ア 社会的カテゴリーの理解
  3. 集団生活を円滑に行うためにある様々な決まりの本来の意味を、仲間との相互交渉の中で、不当な圧力や利害の片寄りなどの経験を通して考えるようになる。 →エ 社会的規則の理解
  4. 自分の思考、感情、動機といった内的経験をそのまま行動に移すのではなく、客観的に捉え直し、自他を正当に比較し、他者の立場を推論しようとする。 →イ 自己統制能力

【Ⅱ群】
ア 社会的カテゴリーの理解
イ 自己統制能力
ウ 他者理解・共感
エ 社会的規則の理解
正答:5 ウ ア エ イ


H31前:保育の心理学⑦

平成31年度前期試験 保育の心理学 問7 
次の文は、幼児のものの見方や考え方に関する記述である。(A )~(D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

メタ認知とは、目標達成のために現在の自己の状態を監視・調整する(A イ モニタリング)や、それに伴う(B エ 感情体験)なども含まれる。幼児期(C キ 後半)から徐々に発達し、出来事を順序立てて話したり、園では当番活動ができたり、忘れ物をせずに帰り支度ができるなど、(D ア プラン)に添った行動を可能にする。

【語群】
ア プラン     イ モニタリング  ウ シェマ  エ 感情体験
オ プライミング  カ 意識体験    キ 後半   ク 前半
正答:1 イ エ キ ア


H31前:保育の心理学⑧

平成31年度前期試験 保育の心理学 問8 
次の文は、アタッチメント(愛着)についての記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. アタッチメント(愛着)とは、自らが「安全であるという感覚」を確保しようとする個体の本性に基づいて、危機的状況あるいは潜在的な危機に備え、特定の対象への接近・接触を求め維持しようとする傾向と定義される。 →〇
  2. 愛着の個人差を測定するために、エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)が考案したのがサークル・オブ・セキュリティ(安全感の環)であった。 →×
  3. エインズワースによれば、養育者への子どものアタッチメント(愛着)は3つの型に分類される。A型は抵抗(アンビバレント)型、B型は安定型、C型は回避型であった。 →×

正答:3 ○ × ×


H31前:保育の心理学⑨

平成31年度前期試験 保育の心理学 問9 
次の文は、保育所での観察記録である。(A)~(D)の下線部分に関連する語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

園庭では、5歳児クラスの4~5名の子どもたちが、砂場で遊んでいる。子どもたちは、(A カ 協同遊び)砂山を作り、「どうやってトンネルを作る?」「ここ、押さえて。」など言い合いながら川を掘っている。一方、2歳児クラスの子どもたちは、園庭での遊びが終わり、順次、手足を洗って保育室に入るところである。他児よりもだいぶ早く外遊びをきりあげた2歳児クラスのR君は、保育室内のままごとコーナーを占領して、(B オ 一人遊び)かごに入っているお手玉をお玉ですくいあげては、鍋に移すことを繰り返していた。
テラスからR君の姿に気づいた同じ2歳児クラスのS君は、手足を洗わずに、そのまま入室し、ままごとコーナーのR君の前に座って、(C エ 並行遊び)R君がしているように、かごに入ったお手玉をお玉ですくい鍋に移し始めた。保育士が「S君、遊ぶ前に手と足を洗ってきてね。」と促しS君の腕をとると、S君は立ち上がり、手と足を洗いにテラスに出ていった。
しばらくままごとコーナーでR君は過ごしていたが、今度はお手玉をいくつか抱えて保育室を歩きながら、友達が遊んでいるところに近づいては、(D ウ 象徴遊び)「ピザです。ピザです。」と言いながら、お手玉を配り歩いていた

【語群】
ア 連合遊び  イ 身振り遊び  ウ 象徴遊び  エ 並行遊び
オ 一人遊び  カ 協同遊び   キ 構成遊び  ク 共鳴遊び
正答:4 カ オ エ ウ


H31前:保育の心理学⑩

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 10 
次の文は、乳児期の視覚の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 新生児の視力では、周囲はぼんやりとしている。また焦点距離は 20cm 程度で、抱っこされたときには相手の顔がよく見える。 →〇
  2. 最初のうちは、あおむけの姿勢の目の前で、がらがらを左右や上下方向に動かすと線として追視し、支え座りができる5か月頃には、円を描いて動くがらがらをなめらかに追視する。 →〇
  3. 生後1か月頃には、単色の単純な刺激と、同心円模様、新聞の一部、顔の絵といった複雑な刺激を対にして見せられると、より複雑な刺激、特に顔図形を好んで注視する。 →×
  4. 生後4か月頃には、青、緑、黄、赤をそれぞれ異なる色として識別するようになる。 →〇

正答:1 ○ ○ × ○


H31前:保育の心理学⑪

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 11 
次の文は、排泄の習慣に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 1歳以上3歳未満児では、排泄の自立のための身体的機能も整うので、便器での排泄になれ、自分で排泄ができるようになることをめざす。 →〇
  2. 排泄は、身体の成熟や神経系の成熟などが関係するため、排泄機能が未成熟な状態で、トイレット・トレーニングをしても子どもの負担になる。 →〇
  3. 子どもは1歳を過ぎると、他者の模倣を盛んにするようになっていく。保育所のトイレット・トレーニングでは、子どもは他児をモデルとして排泄する姿もみられる。 →〇
  4. 排泄の習慣を形成する時期については、社会や文化、そして時代の影響を受ける。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ ○


H31前:保育の心理学⑫

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 12 
次の文は、言葉の発達に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 新生児は自然言語のどの音も知覚する感受性を備えている。 →イ 言語発達の内在的要因
  2. 新生児は大人が話しかける言語の語、音節、音素の切れ目に同調してリズミカルに身体部位を動かす。 →イ 言語発達の内在的要因
  3. 言葉が出現する以前からの大人との社会的相互作用が、言葉の獲得の重要な基礎となる。 →ア 言語発達の外在的要因
  4. 大人が乳児に話しかける時、ゆっくり、はっきり、繰り返しする、などの特徴がある。 →ア 言語発達の外在的要因

【Ⅱ群】
ア 言語発達の外在的要因
イ 言語発達の内在的要因

正答:5 イ イ ア ア


H31前:保育の心理学⑬

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 13 
次の文は、保育士の役割についての記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 小学校で困らないように、正しい文字を書くことや簡単な筆算をすることなどを指導することが大切である。 →×
  2. 3歳児では、個の成長よりも子ども相互の関係や、役割を分担したりする協同的な活動が、促されるよう配慮することが求められる。 →×
  3. 少し難しいと感じても「自分にはきっとできる」という見通しがもてるように幼児の思いに寄り添って見守ることが重要である。 →〇
  4. 遊びのルールについて主張がぶつかり合ったとき、それぞれの考えや思い、アイディアを出し合うことは、「一緒に遊びたい」という気持ちを育てる上で必要なことである。 →〇

正答:5 × × ○ ○


H31前:保育の心理学⑭

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 14 
次の文は、巡回相談に関する記述である。下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 巡回相談は、外部機関の子どもの発達に関する専門家である相談員が保育所等を訪問し、保育を支援するための相談活動である。園を訪れた相談員が支援を必要とする子どもと取り巻く保育状況についてアセスメントを行い、そのあとに保育士とケースカンファレンスを行う形式が多い。 →〇
  2. 保育士と相談員と協働しての保育の振り返りは、支援を必要とする子どもの行動を深く理解することにつながる。さらに園全体で子ども理解を共有することによって、その子どもと保育士との関わりが意味あるものへと発展していく。 →〇
  3. 相談員は、保育士が直面している問題を把握し、具体的な支援につなげる手立てを保育士と共に考える。このように保育と発達という異なる領域の専門家同士が互いの立場を尊重しながら自由で対等な話し合いを通して保育上の問題解決にあたることは発達臨床カウンセリングと呼ばれる。 →×

正答:2 ○ ○ ×


H31前:保育の心理学⑮

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 15 
次の文は、妊娠期からの親の心理に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 妊娠初期は、つわりなど心身両面で、適応していくことが必要となる時期であるため、自分自身に関心が向き、生活やキャリアへの不安が強まることが多い。 →〇
  2. 胎動を通して母性が目覚め、母親は胎児の心の状態やパーソナリティなどについて様々な想像をめぐらすことは、出産直後の赤ちゃんとの相互作用に影響を及ぼす。 →〇
  3. 乳幼児と接している時間が母親は長いことが多いので、育児に対する肯定的感情も否定的感情も同様に極めて高い。 →×
  4. 妊娠そのものを喜ぶことができず、受け入れることができない母親は、生まれた後の子どもとの関係性や育児態度に深刻な影響をもたらす可能性が高い。 →〇

正答:2 ○ ○ × ○


H31前:保育の心理学⑯

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 16
次の【図】は、「男女共同参画白書」(平成 29 年版)における「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化を示している。以下の【設問】に答えなさい。

【図】「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化

【設問】
次のA~Cのうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正
しい組み合わせを一つ選びなさい。
ここでは、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方を性役割分担意識という。性役割分担意識に賛成する者とは「賛成」及び「どちらかといえば賛成」を合わせた者とし、反対する者とは「反対」及び「どちらかといえば反対」を合わせた者とする。

  1. 経年推移をみると、性役割分担意識に反対する者の割合は、男女とも長期的に増加傾向にある。
  2. 平成 28 年調査では、男女ともに反対する者の割合が賛成する者の割合を上回っている。
  3. どの調査年であっても、性役割分担意識に賛成する者の割合は、女性が男性を上回っている。

正答:2 ○ ○ ×


H31前:保育の心理学⑰

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 17 
次の文は、乳幼児と養育者の関係性に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 乳幼児と養育者の関係性は、乳幼児の社会・情緒的発達に影響を与える。 →〇
  2. 養育者のもつ子どもについての認知、イメージ、表象は、子どもの親に対する行動のパターンには、ほとんど影響を与えない。 →×
  3. 保育士と乳幼児との関係性は、小学校、中学校での社会・情緒的発達に影響を与えない。 →×
  4. 乳幼児と養育者の関係は、愛着関係と同義であると考えられる。 →×
  5. 乳幼児期に形成される愛着のパターンから、成人期の愛着のパターンを 95%予想できる。 →×

正答:3 ○ × × × ×


H31前:保育の心理学⑱

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 18 
次の文は、乳幼児虐待に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 家庭が経済的困窮に陥り、母親がうつ病である場合、虐待が必ず起こると考えられる。 →×
  2. 児童虐待は、子どもの社会・情緒的発達に影響を与えるが、脳の実質に変化を与える(器質的問題を生じる)可能性はない。 →×
  3. 全ての虐待に対して親子の分離を行い、里親あるいは施設養育をすることが適切である。 →×
  4. 被虐待乳幼児が保育所を利用することは、乳幼児の社会・情緒的発達にとってほとんど意味がない。 →×

正答:5 × × × ×


H31前:保育の心理学⑲

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 19 
次の文は、乳幼児期における情動の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 新生児期は、周りの働きかけに対して微笑することが多い。 →×
  2. 生後3~6か月頃から、悲しさと怒り、満足と喜び、興味と驚きなどの感情を表出する。 →〇
  3. 他者に対する相手を慰めるような行動にみられる共感反応は、一般的に1歳半頃から現れる。 →〇
  4. 嫉妬は、一般的に2歳頃になると現れる。 →〇

正答:4 × ○ ○ ○


H31前:保育の心理学⑳

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 20 
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Zちゃん(1歳半、男児)は、1か月前に保育所に入所した。入所以来園への行きしぶりが続いた。ある日登園中に雷が鳴るのを聞いて以来、全く園に行けなくなった。

【設問】
考えられる事項として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の組み合わせを一つ選びなさい。

  1. Zちゃんは、場所見知りがあるのかもしれない。 →〇
  2. Zちゃんは、分離不安があるのかもしれない。 →〇
  3. Zちゃんは、感覚過敏があるのかもしれない。 →〇
  4. Zちゃんは、雷を経験したことにより、トラウマ反応を起こしたのかもしれない。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ ○


H30後:保育の心理学①

平成30年度後期試験 保育の心理学 問1
 次の文は、子ども理解や発達観に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育における子ども理解は、子どもの発達観に大きく影響されており、発達過程論から発達段階論へと転換されてきている。 →×
  2. レイヴとウェンガー(Lave, J. & Wenger, E.)の正統的周辺参加論(1991)に基づくと、保育者の関わりや保育者と子どもとの関係が問われている。 →〇
  3. 行動主義理論においては、保育者が行動を変容させる技法を用いて、適切な行動を形成すると考えられている。 →〇
  4. 成熟主義理論では、子どもの生得的能力が自然に展開するので、保育者はできる限り関わりを控えるべきであるとしている。 →×

正答:3 × ○ ○ ×


H30後:保育の心理学②

平成30年度後期試験 保育の心理学 問2
 次の文は、乳幼児期の言葉の発達に関する記述である。下線部分の心理学用語が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 機嫌のよいときに、喉の奥からやわらかい声を出すようになる。これを喃語という。大人に比べて喉は狭く舌を動かす範囲も狭いので、言葉を話すためには、喉や口腔機能などの発達も必要である。 →×
  2. 1歳半を過ぎ、自発的に表現できる単語数が 50 語を超えた頃に、急激に語彙が増える。これを語彙般化という。 →×
  3. 「ママ」は単語であるが、発話場面では状況に応じて「ママがいない」「ママのくつだ」のように、文と同じように様々な意味を相手に伝えている。これを一語文という。 →〇
  4. 1歳頃、初語という意味のある言葉を話し始める。これらは「マンマ」「ブーブー」など発音しやすい言葉で、身近な人やものに関わる名詞が多い。 →〇

正答:4 × × ○ ○


H30後:保育の心理学③

平成30年度後期試験 保育の心理学 問3
 次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 保育者と新生児や乳児の間には、生まれて間もない時期から同調的な相互作用がみられる。例えば、保育者が話しかけると、新生児はその話しかけに反応するように同期して自分の身体を動かす。 →エントレインメント
  2. 新生児や乳児は、生まれて間もない時期から、人の声や顔などに特に敏感に反応し、なかでも他者の感情には敏感に反応する。例えば、新生児でも、他児の泣き声を聞くとつられて泣き出すことがある。 →情動伝染
  3. 新生児や乳児が大人の表情や動作と同様の反応を示す現象がある。例えば、向かい合って口を開けたり、舌を出したりする保育者の動きをじっと見ていた新生児が、しばらくすると、同じような動きをする。 →共鳴動作
  4. 保育者と乳児の間では、言葉を話し始める前から、コミュニケーションが成立している。例えば、生後9か月頃になると、保育者の視線を追い、保育者が見ているものに目を向けることができるようになる。 →共同注意

【Ⅱ群】
ア 情動伝染
イ 共同注意
ウ エントレインメント
エ 共鳴動作

正答:5 ウ ア エ イ


H30後:保育の心理学④

平成30年度後期試験 保育の心理学 問4
 次の文は、乳幼児期の自己の発達に関する記述である。初期から発達の順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 大人が自分の意図したように行動しないと、かんしゃくを起こすことがみられるようになる。
  2. 一人ずつ順番に名前を呼ばれる場面では、自分の名前に対してのみ応える。
  3. 自分の手や足の指をしゃぶる感覚を経験することによって、身体的自己を発見する。
  4. 鏡に映った自分の姿を「自分である」と理解できるようになる。

正答:4 C→A→B→D


H30後:保育の心理学⑤

平成30年度後期試験 保育の心理学 問5
 次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の認知発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 物や現象の一部に注意が集中し、同時にいくつかの側面に注意を向けることが難しいことを脱中心化と呼んだ。 →×
  2. 自己中心性とは、他者の視点に自分が立ったり、自分と他者の相互関係を捉えたりすることが難しいことを意味する。 →〇
  3. 特に幼児では自他未分化のため、自分の視点や経験にとらわれて、ものごとを判断してしまうと考えた。 →〇
  4. 幼児期には、遊びの活動に伴ってリズミカルに繰り返される独語(ひとり言)が多く発せられるが、それは思考機能をもつことを実証した。 →×

正答:4 × ○ ○ ×


H30後:保育の心理学⑥

平成30年度後期試験 保育の心理学 問6
 次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第4章「子育て支援」の(1)「保護者との相互理解」の一部である。(A )〜(E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • (A 日常の保育に関連した様々な機会)を活用し子どもの日々の様子の(B 伝達や収集)、保育所保育の(C 意図の説明)などを通じて、保護者との相互理解を図るよう努めること。
  • 保育の活動に対する(D 保護者の積極的な参)は、保護者の子育てを(E 自ら実践する力の向上)に寄与することから、これを促すこと。

【語群】
ア 意図の説明            イ 行事や特別な催しなどの機会
ウ 積み重ねと発達過程        エ 伝達や収集
オ 日常の保育に関連した様々な機会  カ 子ども理解
キ 個別に配慮した実践        ク 特性を生かした支援
ケ 保護者の積極的な参加       コ 自ら実践する力の向上
正答:5 オ エ ア ケ コ


H30後:保育の心理学⑦

平成30年度後期試験 保育の心理学 問7
 次の文は、乳児期の微細運動の典型的な発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ガラガラなどのおもちゃを両手に持たせると、持っていられるようになるのは3〜4か月頃、自発的におもちゃに手を伸ばすようになるのは4〜5か月頃である。 →〇
  2. 6〜7か月頃には、小さな物を5本の指を全部使って引き寄せてつかもうとし、8〜9か月頃には、親指と人差し指の2本だけでつまんで持ち上げることができるようになる。 →×
  3. 6か月頃には、両手に持った物を一方の手に持ち替え、また両手で持って、次にはもう一方の手へという持ち替えを盛んに行う。 →〇
  4. 満1歳を過ぎると、ティッシュを繰り返し取り出したり、複数の積み木を寄せ集めたりすることがみられるようになる。 →×

正答:3 ○ × ○ ×


H30後:保育の心理学⑧

平成30年度後期試験 保育の心理学 問8
 次の文は、乳児の泣きへの対応に関する記述である。(A )〜(D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

乳児は泣くことで「不快」と訴えると、保育者が状況を「快」に変えるという繰り返しが(A 安心感)につながる。周囲の安全を全身で感じ保育者の温かい対応に喜び、次々と(B サイン)を出そうとする。その(B サイン)を確実に読み取り、適確に応えることが人と関わろうとする意欲を育むことになり、(C 基本的信頼)と呼ばれる生涯の心の在り方の基本が根づくことになる。重要なことは、乳児の(B サイン)に応えることが保育者の喜びともなることであり、それは快感情の共有であり、(D 会話)の原型である。

【語群】
ア 安心感  イ 充実感  ウ サイン  エ 叫喚  オ 基本的信頼
カ 自尊心  キ ターン・テイキング   ク 会話
正答:2 ア ウ オ ク


H30後:保育の心理学⑨

平成30年度後期試験 保育の心理学 問9
 次の文は、スクリプトについての記述である。(A )〜(D )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

スクリプトとは、日常的なできごとに関する(A 知識構造 →〇)の一種であり、特定の行動について、そこに含まれる事象や行為が(B 時間的・空間的 →〇)に表現される。例えば「レストランでの食事」という場面における行為としては、店に入る、注文する、食事をする、支払いをする、店を出るというように(C 対比的 →×)に生起する一連の典型的な場面と行為が考えられる。スクリプトでは、このような一連の行為が、登場人物や小道具類などと共に生起する順に(D 水路づけ →×)され、スロットを埋めるような形で表象されていると仮定される。
正答:1 ○ ○ × ×


H30後:保育の心理学⑪

平成30年度後期試験 保育の心理学 問 11
 次の文は、ある発達理論に関する記述である。(A )〜(E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

教育と心的機能の発達の相互作用に関する理論の中で、(A ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.))は、2つの発達水準を区別することができると提唱した。すなわち、問題解決の場面で子どもが自力で解決できる既に(B 完成した)水準と、大人の援助や指導によって解決が可能となる(C 成熟しつつある)水準である。この2つの発達水準の差の範囲を(D 発達の最近接領域)と呼んだ。(E 教育的働きかけ)はこの範囲に対してなされなければ子どもの発達に貢献できないし、また、教育は(D 発達の最近接領域)をつくりだすように配慮しなければならない。

【語群】
ア キャンポス(Campos, J.J.) イ ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)
ウ 成熟しつつある       エ 完成した
オ 誘導的働きかけ       カ 発達の最近接領域
キ 教育的働きかけ       ク 固有の知識領域
正答:4 イ エ ウ カ キ