平成28年度後期試験 保育の心理学 問2 次の文のうち、「保育所保育指針」第2章の2「発達過程」の一部として、(A)~(D)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの発達過程は、おおむね次に示す(A ○)8つの区分としてとらえられる。ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではなく、一人一人の子どもの(B ○)発達過程としてとらえるべきものである。また、様々な条件により、(C ×)子どもの家庭の問題や保育所の生活になじみにくいなどの状態が見られても、保育士等は、子ども自身の力を十分に認め、一人一人の発達過程や心身の状態に応じた(D ○)適切な援助及び環境構成を行うことが重要である。
正答:1 ○ ○ × ○
「保育の心理学」一覧
H28後:保育の心理学③
平成28年度後期試験 保育の心理学 問3
次の文は、エリクソン(Erikson, E.H.)の発達理論の記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
エリクソン(Erikson, E.H.)の(A ライフサイクル論)では、生物としてのヒトがある規則性をもって(B )に発達する一方、社会的に生きる人間がさまざまな心理・社会的な(C )に遭遇し、それを解決しながら発達するとみなされる。つまり、各発達期に固有な課題が、(D )な概念として提起され、肯定的概念が否定的概念を上回ることで、その課題を乗り越え心理・社会的に発達すると考えられている。
【語群】
ア ライフコース論 イ 漸成的 ウ ストレス エ 対極的 オ ライフサイクル論 カ 加速的 キ 危機 ク 両義的
4正答: オ イ キ エ
H28後:保育の心理学④
平成28年度後期試験 保育の心理学 問4
保育所に通っている子どもの場合、次のブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner,U.)の生態学的システムに関する【Ⅰ群】の語句と【Ⅱ群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- マクロシステム →日本文化
- メゾシステム →家庭と保育所の関係
- マイクロシステム →保育所
- クロノシステム →きょうだいの誕生
- エクソシステム →保護者の職場
【Ⅱ群】
ア 家庭と保育所の関係
イ 保護者の職場
ウ 保育所
エ きょうだいの誕生
オ 日本文化正答:4 オ ア ウ エ イ
H28後:保育の心理学⑤
平成28年度後期試験 保育の心理学 問5
次の文は、心の理解に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
他者が外界について本当だと思っていることを正しく推測できるようになる「心の理論」を測定するために、(A 誤信念課題)がよく用いられ、(B 4歳以降)に獲得することが示されている。しかし、この「心の理論」の前駆体の一つとして、(C 生後9か月)頃に成立するコミュニケーションが注目されており、保育者との(D 共同注意)を通した触れ合いが基盤とされる。【語群】
ア 3つ山課題 イ 5歳以降 ウ 誤信念課題 エ 4歳以降 オ 共同注意 カ 生後1歳半 キ 生後9か月 ク ふり遊び
正答:4 ウ エ キ オ
H28後:保育の心理学⑥
平成28年度後期試験 保育の心理学 問6 次の【事例】を読んで【設問】に答えなさい。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
Pちゃん:Pちゃん きのう ダイオン ガオーって いってきた
保 育 士:ん? どこに行ったの?
Pちゃん:パパと ママと Pちゃん チャパリクーパ!
保 育 士:あっ Pちゃん 昨日の日曜日にパパとママとサファリパークに行ったのね
Pちゃん:ダイオン ガオーって!
保 育 士:そうなんだ ライオンさんとお話したのかな?
Pちゃん:おにく どうじょって
きりんしゃん はっぱ どうじょしたの
保 育 士:Pちゃんがライオンにお肉あげたの? すごーい
きりんさんには 葉っぱあげたのね
Pちゃん:もぐもぐ ごっくん
ダイオン ガオーって!【設問】
このやりとりに関連した次の記述について、適切なものを○、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 子どもの過去の出来事や体験の断片的情報から、保育士は意味のある語りを組み立てている。 →○
- 子どもの発話に対し、保育士は拡充模倣をしている。 →○
- 発声するための器官が未発達の子どもは、発音しにくい音を他音で代用したり、音順を入れ替えたりしている。 →○
- 子どもは会話に参加することを通して、どのように語るのかを学んでいくことができる。 →○
正答:1 ○ ○ ○ ○
H28後:保育の心理学⑦
平成28年度後期試験 保育の心理学 問7
次の文は、乳幼児の心理学的実験装置の記述である。この装置を考案した人物として正しいものを一つ選びなさい。
断崖があるように見える実験装置で、乳幼児が奥行を知覚できるか明らかにするために開発された。その後、他の研究者によって、乳幼児がなじみのない場面に出会い、どのように振舞ってよいか分からないときに、他者の表情や態度を参考にする社会的参照を確かめる装置としても用いられた。
- ヴント(Wundt, W.)
- キャッテル(Cattell, J.M.)
- ハーロウ(Harlow, H.F.)
- ギブソン(Gibson, E.J.)
- ソーンダイク(Thorndike, E.L.)
正答:4
H28後:保育の心理学⑧
平成28年度後期試験 保育の心理学 問8
次の文は、高齢期の知的機能についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 高齢期の知的機能については、縦断研究やコホート研究によって新たな知見が示されてきている。 →○
- 人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合がある。 →○
- 過去の経験や獲得した知識に基づく知能は流動性知能と呼ばれ、高齢期でも低下しにくい。 →×
- 高齢期における知的機能の低下は、その機能を使わなくなるということが一つの要因となる。 →○
正答:2 ○ ○ × ○
H28後:保育の心理学⑨
平成28年度後期試験 保育の心理学 問9
次の文は、胎児の発達に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
一般に在胎期間は(A 妊娠 37 週から 42 週未満)の間であるが、妊娠初期から超音波断層法により、胎児の発育状態や動きを画像で見ることができる。胎動を感じるようになるのは(B 妊娠 20 週頃)からであり、これは我が子という感情を母親にもたせることになる。この頃になると胎児の聴
覚も発達し、母親の声の強弱、抑揚などを感知していることが(C 心拍数や胎動の増加)として明らかにされている。そうした胎児期の経験が(D 聴覚記憶)として新生児期においても継続している。
【語群】
ア 妊娠 20 週頃 イ 妊娠 37 週から 42 週未満 ウ 心拍数や胎動の増加 エ 学習記憶 オ 妊娠 30 週頃 カ 妊娠 27 週から 32 週未満 キ 胎児MRI画像 ク 聴覚記憶
正答:1 イ ア ウ ク
H28後:保育の心理学⑩
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 10
次の下線部(A)~(D)に関連の深い用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
乳児は手をしゃぶったり、(A ハンドリガード)手を握ったままかざして見つめたり、また、声を発するといった行動をしばしば繰り返し行う。乳児期半ばでは、(B リーチング)興味や関心のあるものに手を伸ばす行動がみられる。また、手にもった物を振り動かすなど、(C 第2次循環反応)物を介して同じ行動を繰り返すようになる。さらに、1歳頃になると、(D 試行錯誤)ほしい物を手に入れるために様々なことをしてみるようになる。
【語群】
ア ハンドリガード イ ハンドサッキング ウ 第3次循環反応 エ 第2次循環反応 オ 試行錯誤 カ 暗中模索 キ クーイング ク リーチング
正答:3 ア ク エ オ
H28後:保育の心理学⑪
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 11
次の文は、パーテン(Parten, M.B.)による子どもの遊びの分類に関する記述である。A~Dにあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 他の子どもと一緒に同じ活動に関わる。 →連合遊び
- 自分は遊びには参加せずに、仲間が遊んでいる様子を眺めたり、口をだしたりする。 →傍観遊び
- 他の子どものそばで同じような遊びをしているが、互いに交渉はしない。 →平行遊び
- 共通の目的をもって、他の子どもと協力したり役割を分担したりする。 →協同遊び
【語群】
ア 協同遊び イ 傍観遊び ウ 平行遊び エ 連合遊び オ 連携遊び カ 模倣遊び
正答:3 エ イ ウ ア
H28後:保育の心理学⑫
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 12
次の文は、異年齢保育についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- きょうだい関係の交流に近い関わりを体験することができる。 →○
- 年上の子どもは、自分の思いを我慢したり、思いやりを示したりすることができる。 →○
- 子どもの技術・体力の差が大きいので、子ども同士のやり取りは成立しない。 →×
- 年上の子どもをモデルに、新しいことに挑戦しようとする子どもの姿がみられる。 →○
正答:2 ○ ○ × ○
H28後:保育の心理学⑬
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 13
次の文は、保育における発達援助についての記述である。このような特徴を示す用語として、( )にあてはまる語句の最も適切なものを一つ選びなさい。
- 社会の価値や規範を身に付け、それに基づき社会の一員として行動できるようになる過程を( )という。
- 発達初期の( )の担い手は主に保護者といえるが、発達に伴いその担い手は保育士や教師等多様となる。
- ( )の一方、その子らしさを育むことにも配慮する必要がある。
- ( )は、人間の生涯を通じて行われる過程である。
- 社会的促進
- ソーシャル・アクション
- 社会力
- ソーシャル・インクルージョン
- 社会化
正答:5
H28後:保育の心理学⑭
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 14
次の文の(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」の「(A 小学校との連携)」では、「子どもに関する(B 情報共有)に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること」とある。その資料とは(C 保育所児童保育要録)であり、あくまでも子どもの(D 主体としての育ち)の過程を保育所の側から小学校へつなぐものとして記述するよう留意することが大切である。
【語群】
ア 小学校との連携 イ 情報共有 ウ 保育所児童保育記録 エ 主体としての育ち オ 資料 カ 保幼小連携 キ 保育所児童保育要録 ク ねらいの達成
正答:2 ア イ キ エ
H28後:保育の心理学⑮
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 15
次の下線部(A)~(E)に関連の深い用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
ソーシャルサポートとは、一般的には対人関係において他者から得られる種々の援助をさす。例えば(A ストレッサー)ストレスを引き起こす出来事や刺激に直面している者に対して、(B 情緒的サポート)励ましや愛情など感情への働きかけ、(C 道具的サポート)問題解決のための助言・助力、などがあり、当事者の(D 直接効果)精神的・身体的健康によい影響を与える効果と、(E 緩衝効果)健康の悪化のプロセスに対して作用する効果があるとされている。
【語群】
ア 評価的サポート イ テンション ウ 道具的サポート エ 促進効果
オ 緩衝効果 カ 情緒的サポート キ ストレッサー ク 直接効果
ケ 補完的サポート
正答:5 キ カ ウ ク オ
H28後:保育の心理学⑯
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 16
次の文は、保育士の職務に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 保育士は、福祉の専門職として基盤となる知識や技術の習得はもとより、他者への共感性が求められる。 →○
- 「空の巣症候群」とは、情緒的に疲れ果て自己有能感が低下した状態で、保育士等の対人援助職に就いている人に多くみられる症状である。 →×
- 保育士としての職業生活は、個々人のアイデンティティの揺らぎや再構築に影響する。 →○
- 軽い気分の落ち込みがうつ状態につながることがあるため、保育所としては、保育士の心の健康維持に留意する必要がある。 →○
正答:3 ○ × ○ ○
H28後:保育の心理学⑰
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 17
次の文は、ストレンジシチュエーション法を用いた、アタッチメント(愛着)のアセスメントに関する記述である。【実験場面】を読んで、【設問】に答えなさい。【実験場面】
月齢 15 か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 再会場面では母親に駆け寄ったが、接触する前に踵を返して、もと居た位置に駆け戻った。この子どもの母親に対するアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。 →○
- 分離場面で泣いていたが、再会場面で母親に駆け寄りぴったりと抱き付いた。まもなく泣き止み、母親から離れて遊びだした。この子どもは、安定したアタッチメント(愛着)を持っていると考える。 →○
- 分離場面でまったく泣かずにおもちゃで遊んでいたが、母親と再会すると3分間大声で泣き続けた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。 →○
- 分離場面では立ったまま泣き続けていた。再会場面では、泣き止みその場に座り、おもちゃで少しの間遊んだが、再び泣き出し、泣きながら仰向けに倒れた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。 →○
正答:1 ○ ○ ○ ○
H28後:保育の心理学⑱
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 18
次の文は、親が子どもの障害を受容していく過程に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 段階説とは、親が子どもの障害を受容していく過程は長期にわたり紆余曲折するが、いずれは障害のある子を受容するに至り、心理的に安定するという説である。 →○
- 慢性的悲嘆説とは、親の悲しみは一過性ではなく、子どもの成長に伴うさまざまな出来事によって繰り返されるという説である。 →○
- 螺旋形モデルとは、適応と落胆という障害に対する肯定と否定の両価的感情を併せ持ちながら進行していくという説である。 →○
正答:1 ○ ○ ○
H28後:保育の心理学⑲
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 19
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として適切なものを○、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- F君の母親と個別に話をする機会を設ける。 →○
- F君の体にあざがないか、身なりが清潔かどうかなどを確認する。 →○
- F君の母親も自閉スペクトラム症だと考え、母親に精神科への受診を強く勧める。 →×
- G君の母親に、F君は自閉スペクトラム症なので、F君とF君の母親を許すように伝える。 →×
正答:2 ○ ○ × ×
H28後:保育の心理学⑳
平成28年度後期試験 保育の心理学 問 20 次の文は、乳幼児の社会・情緒的発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 乳幼児期は、発達の速度が速く、精神障害を同定することが困難であるため、社会・情緒的発達のアセスメントには、危険因子と保護因子の評価と、養育者との関係性の評価のみが重要となる。
- 乳幼児が示す人との関わり方は、養育者ごとに異なる傾向が強い。 →○
- 両親の夫婦関係が適応的なことは、子どもの社会・情緒的発達の保護因子の一つである。 →○
- 家庭への社会的な支援は、乳幼児の社会 ・ 情緒的発達の保護因子ではない。
正答:3 × ○ ○ ×
H28前:保育の心理学①子どもとの関わりにおける環境としての保育士
平成28年度前期試験 保育の心理学 問1
次の文は、子どもとの関わりにおける環境としての保育士についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
保育士が子どもたちの「心のよりどころとなる」には、アタッチメント(愛着)の発達過程で示されるように、子どもの発するサインに対して、保育士がタイミングよく子どもの要求にそった(A 応答的関わり)をすることによって、子どもとの間に(B 情緒的な関わり)が結ばれる。
特に、気持ちが不安定になりやすい時期や場面においては、心のよりどころとしての保育士の存在が重要となる。
乳児期後半の子どもは、保育士を安全基地として(C 探索行動)を展開するようになっていく。その後、子どもの(D 認知)的な発達にともない内在化された保育士のイメージに支えられて、その場に保育士がいなくても、情緒的な安定をはかることができるようになる。
【語群】
ア 規律的関わり イ 応答的関わり ウ 情緒的な絆 エ 補完的な絆
オ 探索行動 カ 人間関係 キ 認知 ク 運動
3 イ ウ オ キ
H28前:保育の心理学②人の生涯発達
平成28年度前期試験 保育の心理学 問2
次の文は、人の生涯発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 人の生涯発達は、遺伝的要因と環境的要因との相互作用によって促される。→○
- 人の生涯発達における文化の影響は、乳児期において最も大きい。→×
- 人の生涯発達とは、上昇的変化の過程を意味する。→×
- 人の生涯発達は、個人的に重要な意味をもつ出来事の影響を受ける。→○
正答:3 ○ × × ○
H28前:保育の心理学③情動伝染
平成28年度前期試験 保育の心理学 問3
次の文の( )にあてはまる用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。
生後数日の赤ちゃんが、他の赤ちゃんの泣き声を聞くことで泣き出すことがしばしばみられる。このように生後間もない赤ちゃんは、自他の区別があいまいなまま、他者の感情に巻き込まれる経験をする。こうした赤ちゃんの行動は( )と呼ばれる。
- 模倣
- 同型性
- 感情移入
- 共感性
- 情動伝染→○
正答:5
H28前:保育の心理学④ピアジェの理論
平成28年度前期試験 保育の心理学 問4
次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の理論に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 物は隠れていても存在し続けているという物の永続性の理解は、ピアジェ(Piaget, J.)が提唱した月齢よりも早い時期であることがその後の研究によって示されている。→○
- 誕生から3歳頃までの子どもは、触る、叩く、なめる等の感覚運動を通して世界を理解している。→×
- 前操作期の子どもは、イメージや言葉を用いて世界を捉えることができるようになるが、それは自己中心的で、知覚的特徴に影響されやすい。→○
- 外界の対象に働きかける際に、その対象を自分に合うように変化させて、自分の内部に取り入れることを調節という。→×
正答:3 ○ × ○ ×
H28前:保育の心理学⑤乳児の感情の発達
平成28年度前期試験 保育の心理学 問5
次の文は、子どもの感情の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。感情の発達については、運動・認知・自己の発達と関連しながら分化していくという考え方がある。この考え方の代表的な提唱者(A ルイス)によると、誕生時には、(B 充足)、苦痛、興味の原初的感情をもって生まれ、生後3か月頃までに、(C 喜び)、悲しみ、嫌悪の感情がみられるようになり、6か月頃までに、驚き、怒り、(D 恐れ)の感情が分化していく。これらは(E 一時的感情)と呼ばれ、見知らぬ人への反応などに反映されていく。他方、感情の発達については、基本的な感情は誕生時に備わっており、主として感情を抑制する側面が発達するという考え方がある。
【語群】
ア 一次的感情 イ 充足(contentment) ウ 二次的感情 エ ルイス(Lewis, M.) オ 誇り(pride) カ 感動(affect) キ 喜び(joy) ク サメロフ(Sameroff, A, J.) ケ 恐れ(fear) コ 恥(shame)正答:3 エ イ キ ケ ア
H28前:保育の心理学⑥新生児の反射、生存を維持するためのしくみ
平成28年度前期試験 保育の心理学 問6
次の説明を読んで、以下の【設問】に答えなさい。
新生児は、生存を維持するための生得的な仕組みを備えている。
【設問】
生存を維持するための生得的な仕組みとして、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- バビンスキー反射→○
- 信号行動→○
- 社会的微笑→×
- 顔の形態的特徴→○
正答:3 ○ ○ × ○
H28前:保育の心理学⑦【保育所保育指針】子どもの発達
※新保育所保育指針では、旧保育所保育指針第2章に関する記述(下記内容)はカットされています。
平成28年度前期試験 保育の心理学 問7
次の文は、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の2「発達過程」の一部である。それぞれにあてはまる発達過程の区分の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる。
- 歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める。
- 歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する。
正答:4 おおむね 3 歳 おおむね 1 歳 3 か月から 2 歳未満 おおむね 2 歳
H28前:保育の心理学⑧子どもの仲間との関わり
平成28年度前期試験 保育の心理学 問8
次の文は、子どもの仲間との関わりについての記述である。下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
2~3歳頃では、(a)近くで同じような遊びをしていても、互いのやりとりはみられないこと【→平行遊び】が多い。活発にやりとりをして遊ぶようになると、(b)自分がやりたいことと仲間のやりたいこととのぶつかり合い【→対人葛藤】を経験することになる。その後、4~5歳になると、(c)相手の立場に立って、自分とは異なる相手の気持ちや考えを徐々に理解できるよう【→役割取得】になっていく。
したがって、保育士は子ども相互の気持ちや思いをつなぎ、子どもが(d)自分自身の気持ちをコントロールする力【→自己調整力】を身につけるように配慮する必要がある。
【語群】
ア 連合遊び イ 対人葛藤 ウ 共感 エ 自己調整力 オ 平行遊び
カ 対人拮抗 キ 役割取得 ク 対人調整力
正答:4 オ イ キ エ
H28前:保育の心理学⑨経験と環境、センス・オブ・ワンダー
平成28年度前期試験 保育の心理学 問9
次の( A )~( D )の語句が正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもにとっての経験には、事物に触ったり、手に取ったり、見たりなど、視覚、聴覚、(A 遠感覚→×)、触覚、味覚といった五感を使って働きかける経験があり、それは(B 直接→○)経験と呼ばれる。一方、絵本やメディア、人の話・行動を介した経験もあり、それは(C バーチャル→×)経験と呼ばれる。
レイチェル・カーソン(Carson, R.L.)は、自然との(B 直接)的な関わりのなかで、子どもが不思議に思ったり、感動したりすることを(D センス・オブ・ワンダー→○)と呼び、もっと知りたいという思いが促されるとした。
正答:3 × ○ × ○
H28前:保育の心理学⑩文字の獲得、情報教育
平成28年度前期試験 保育の心理学 問 10
次の文は、子どもの文字の獲得に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
幼児期は話す、聞くという(A 話し言葉)による言語活動が中心であるが、幼児期後期では、(B 文字)に興味を示すようになり、七夕の願い事や手紙を書くなどの(C 遊び)のなかで、仲間とのコミュニケーションを楽しむようにもなる。
そして保幼小連携のもと、小学校教育では(D リテラシー)を身につけることが期待される。(D リテラシー)とは、単に文字を読んだり書いたりするだけでなく、社会生活をおくるうえで必要な文章を読んだり理解したりすること、文章で表現することなどを含む。
【語群】
ア 書き言葉 イ リテラシー ウ 話し言葉 エ 文字 オ 学習活動
カ 発音 キ ソーシャルスキル ク 遊び
正答:3 ウ エ ク イ
H28前:保育の心理学⑪発達の最近接領域
平成28年度前期試験 保育の心理学 問 11
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Kちゃんはスプーンで食べ物をすくうことができず、かんしゃくを起こしてしまう。これに対し保育士は、Kちゃん自身が「スプーンで食べた」という喜びや達成感を味わい、さらに、自分でスプーンを使って食べようとする意欲を育てたいと考えた。そこで、あらかじめ食べ物をスプーンの上にのせ、そのあとはKちゃんが自分でやるようにした。また、保育士は、すくいやすい器にするなどの工夫も行った。こうした保育士の配慮に支えられて、Kちゃんはスプーンを使う経験を積み重ね、上手に食べ物を食べられるようになっていった。
【設問】
保育士が行ったこの対応の根拠となる発達心理学の用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。
- 発達段階
- 発達の連続性
- 発達課題
- 発達の最近接領域→○
- 発達過程
正答:4