平成29年度後期試験 保育の心理学 問2
次の文は、成人期以降の発達についての記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
エリクソン(Erikson, E.H.)によると、発達段階にはそれぞれ顕在化する(A 心理社会的)課題がある。成人期においても危機的状況に直面するが、否定的要素の(B 停滞)よりも肯定的要素の(C 生殖性)が優位となって課題は達成される。その後、高齢期においても、否定的要素を排除するのではなく、それをも含めて(D 統合)していくことによって課題が達成されるが、そこに至るには大きな困難が伴う、と考えられている。
【語群】
ア 拡散 イ 心理生理的 ウ 孤立性 エ 生殖性 オ 親密性 カ 停滞 キ 統合 ク 心理社会的 ケ 融合
正答:4 ク カ エ キ
「保育の心理学」一覧
H29後:保育の心理学③
平成29年度後期試験 保育の心理学 問3
次の文は、心の理解に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 他者の心は直接観察することはできないが、心の動きを想定する推論の枠組をもつと、他者の行動の予測ができるようになる。 →○
- 「心の理論」の獲得を調べるための方法としては、誤信念課題が用いられることが多い。 →○
- 通常5歳児では、自分自身が知っている事実と他者の知っていることとの区別は難しいが、その後、正しく推測できるようになる。 →×
- 乳児期での保育者とのコミュニケーションを通して、共に注意を向けることや、行為の意図を理解することなどが、心の理解の始まりとして大事な基盤といえる。 →○
正答:2 ○ ○ × ○
H29後:保育の心理学④
平成29年度後期試験 保育の心理学 問4
発達には、発達の方向を社会化と捉える考え方がある。この考え方と対照的な次の説を提唱した人物として正しいものを一つ選びなさい。
人間の発達では、まず初めに社会的関係があり、それが内面化し、心的機能に転化する。
- ハヴィガースト(Havighurst, R.J.)
- ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)
- レヴィン(Lewin, K.)
- ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)
- バルテス(Baltes, P.B.)
正答:2
H29後:保育の心理学⑤
平成29年度後期試験 保育の心理学 問5
次の文は、学童期の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- マーシア(Marcia, J.E.)は、学童期を心理・性的発達段階の第四段階である潜伏期としており、この時期は心理的問題がみられにくいと述べた。 →×
- 学童期中期の仲間関係はチャムグループとよばれ、相互の意見の違いなどを尊重し合うのが特徴である。 →×
- 一般的に、第二次性徴による急激な身体の変化に伴って心理的に不安定になるが、変化が落ち着くにつれて不安定さは治まっていく。 →○
- LD(学習障害)の子どもは、言葉の指示がわかりにくい、板書を写し取るのが苦手など、学校生活で困難に直面しやすい。 →○
正答:4 × × ○ ○
H29後:保育の心理学⑥
平成29年度後期試験 保育の心理学 問6
次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
- 生活のさまざまな場面において、日々具体的な一連の手順を繰り返すことによって、生活習慣の基礎を身に付けていく。 →スクリプト
- 生後9か月前後になると、保育者の視線を追い、保育者が見ているものに目を向けることができるようになる。 →共同注意
- どのように行動したらよいか分からない場面で、保育者の表情や声の調子を手がかりにして行動する。 →社会的参照
- 「今ここにないもの・こと」を思い起こすイメージをもつことにより、目の前にモデルがいなくても似た行動をしたりする。 →延滞模倣
【Ⅱ群】
ア 共同注意
イ 延滞模倣
ウ スクリプト
エ 社会的参照
正答:5 ウ ア エ イ
H29後:保育の心理学⑦
平成29年度後期試験 保育の心理学 問7
次の文は、トマス(Thomas, A.)とチェス(Chess, S.)の気質(temperament)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 気質(temperament)の特性を、活動水準、体内リズムの周期性、順応性、気分等の9つに分類した。 →○
- 「扱いにくい子(difficult child)」は、生活リズムが不規則で環境への適応が難しいとされているが、母親はその子育てを負担に感じることはない、としている。 →×
- 気質的特性に基づいて子どもは活動を選択し、自分の生活環境を形成する、と考えている。 →○
- 「出だしの遅い子(slow-to-warm-up child)」は、新しい状況や人に対して回避的に反応し、慣れるのも遅く、機嫌が悪いことが多い、としている。 →×
正答:3 ○ × ○ ×
H29後:保育の心理学⑧
平成29年度後期試験 保育の心理学 問8
次の( )にあてはまる用語として最も適切なものを一つ選びなさい。集団の中に入りたいという思いは、幼児期の子どもたちにとってごく自然なことである。
幼児期にみられる欲求を分類すると、愛情をもって養育されたいという生理的欲求、安全の欲求、そして、それらが満たされた子どもは集団に所属したいという所属の欲求、さらに、認められたいという承認の欲求を抱きつつ、幼児期にふさわしい( )へと動機づけられる。すなわち( )は、集団の中で自発的な遊びや学びを通して個性を発揮しようとすることである。
- コンピテンス
- 自己決定
- エンパワメント
- 自己実現
- セルフ・モニタリング
正答:4
H29後:保育の心理学⑨
平成29年度後期試験 保育の心理学 問9
次の文のうち、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」の2「保育の実施上の配慮事項」の一部として正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 一人一人の子どもの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わるように努めること。 →○
- 食事、排泄、睡眠、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなど、生活に必要な基本的な習慣については、一人一人の状態に応じ、落ち着いた雰囲気の中で行うようにし、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重すること。 →○
- 子どもが自ら周囲に働きかけ、自分の力で行う活動を積極的に促す援助をすること。 →×
- 子どもの心身の発達及び活動の実態などの個人差を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。 →○
正答:3 ○ ○ × ○
H29後:保育の心理学⑩
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 10
次のA~Eは、子どもの運動遊びに関する記述である。A~Eの記述を【語群】の用語と結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
- ボールを投げる →操作系動作
- 鬼ごっこで走って逃げる →移動系動作
- 平均台の上を歩いて渡る →平衡系動作
- マットの上で前転する →平衡系動作
- なわとびで二重跳びをする →操作系動作
【語群】
ア 平衡系動作 イ 移動系動作 ウ 操作系動作
正答:4 ウ イ ア ア ウ
H29後:保育の心理学⑪
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 11
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】
4歳児クラスに進級した頃のT君(男児)は思いどおりにならないと、噛んだり、物を投げたり、ひっくり返って泣き続けたりして、仲間とうまく関わることができなかった。
また、活動中に保育室から出てしまうことがしばしばみられた。以下は、T君の6月以降の様子である。
6月:朝の集まりのとき、それぞれが「好きなもの」を発表しあうなかで、U君(男児)が「ボク、T君が好きー」と言った。クラス全員の前で「好き」と言われ、落ち着きなく座っていたT君は慌てて座り直し、姿勢を正して、嬉しそうにしていた。
7月:クラスで乱暴なことをしてしまった時に、そのことを友達に言われても、以前のような激しい行動や大きな混乱は少なくなってきた。
9月:おままごとの最中に、T君は誤ってGちゃん(女児)の袖口に水をかけてしまった。”しまった” というT君の表情に対して、Gちゃんは「いいよ、いいよ、すぐに乾くから」と言った。その言葉にT君は、ほっとしたような表情をみせた。そして気持ちが混乱することなく、おままごとが続いていった。
12 月:ゲームで自分の思いどおりにならないと、今までは泣いて保育室から飛び出してしまっていたが、初めて保育室の入口のところで座り込んでみんなの様子を見ていた。ゲームが終わったあと、保育士がT君のところに行き、「ゲーム、楽しかったよ。
でもT君がいたほうが、もっともっと楽しかったのにな!」と伝えた。
2月:発表会で『桃太郎』をすることになったが、鬼役のなり手がいなかった。T君は自分から「やる」と鬼役をかってでて、クラスの皆から「ありがとう」と言われた。
この頃から、遊びの輪から飛び出していっても、保育士が誘うと自分で気持ちを切り換えて参加してくるようになった。【設問】
次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 思いもよらない友だちの言葉が、T君自身の自己の理解により好ましい影響を与えた
と考えられる。 →○- 集団の一員としてルールを守って友だちと楽しく遊べるようにと、保育士がT君に言い聞かせたという働きかけが役立ったと考えられる。 →×
- 皆から感謝される喜びを通して、自己概念が肯定的なものとなり、さらに情動を制御できるようになっていったと考えられる。 →○
- T君は他者による評価を自分自身の基準として取り入れ、行動が変化していった。またその結果、仲間からの見方も変わり、さらにT君の自己概念も変化していったと考えられる。 →○
正答:2 ○ × ○ ○
H29後:保育の心理学⑫
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 12
次の文は、自我の発達に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
2歳頃に、「自分でやりたい」「イヤ」というような(A 自己主張)が始まる。これはまわりの大人からすると、わがままを言っているように受け止められるが、自分でやりたいという自我が発達した証である。
その後、自分の思いを主張するだけでなく、集団の中で相手にあわせて自分の気持ちを抑える(B 自己抑制)が伸びていく。このような力には、相手の気持ちを推測し、理解して、自分の気持ちを調節する(C 情動調整)や、ルールに気づき、守ろうとする(D 規範意識)が関連している。
【語群】
ア 規範意識 イ 自己抑制 ウ 共感 エ 情動調整 オ 連帯意識 カ 自己主張
正答:5 カ イ エ ア
H29後:保育の心理学⑬
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 13
次の文は、保育所における発達の援助に関する記述である。保育士の援助として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 子どもが苦手な活動に取り組む場合には、「できないこと」に注目し、それが必ずできるように働きかけることが重要である。 →×
- 「○○したらいいよ」と、やり方を具体的に示したり、見通しが持てるように働きかけることは重要である。 →○
- 新しい活動に取り組む際は、運動や言語、社会性など各領域の発達の様相に配慮することが大切である。 →○
- 「気になる行動」を通して子どもが何を訴えているのかを探り、その行動の意味を理解することが重要である。 →○
正答:3 × ○ ○ ○
H29後:保育の心理学⑭
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 14
次の文は、幼児期の人とのかかわりに関する記述である。この記述の内容を表す用語として正しいものを一つ選びなさい。
幼い子どもは、不安や恐怖を感じたときに、保育者への接近・接触によって安心感を得る。そうした経験を積み重ねると、保育者がその場にいなくても、保育者のイメージを思い浮かべて、安心するようになる。この経験がその後の人との関係性の基盤になる。
- エントレインメント
- 象徴機能
- 三項関係
- 内的ワーキング・モデル
- 観察学習
正答:4
H29後:保育の心理学⑮
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 15
次の文は、保育所と小学校との連携についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 指導計画の作成に当たっては、乳幼児期を基盤とする生涯発達という観点を持って、保育所での育ちがそれ以降の生活や学びへとつながっていくよう保育の内容の工夫を図るようにする。 →○
- 小学校での生活や学びにつながる保育とは、基礎学力を培う読み、書き、計算する等の活動を中心として充実させることである。 →×
- 子どもが小学校生活に対して見通しや期待感を持てるように、子どもが小学校を訪問したり、小学生と交流する機会を設けるなどの連携をする。 →○
- 保育所児童保育要録は、小学校における基礎学力の資料として保育における養護及び教育に関わる5領域の視点を踏まえ、一人一人の子どもの良さや全体像が伝わるよう工夫して記す。 →×
正答:3 ○ × ○ ×
H29後:保育の心理学⑯
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 16
次の文は、保育実践のプロセスに関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句の最も適切な組み合わせ一つ選びなさい。
保育の計画に基づく実践のプロセスは、(A 幼児理解)から始まる。それに基づいてクラス等の保育方針、重点目標を指導計画として作成する。次に計画に基づく(B 保育の展開)、保育活動の実施状況における(C 反省・評価)、その結果から指導計画に関する(D 改善)に結びつけると、(A 幼児理解)が深まる。
(組み合わせ)
A B C D
1 幼児理解 改善 反省・評価 保育の展開
2 保育の展開 反省・評価 改善 幼児理解
3 幼児理解 保育の展開 改善 反省・評価
4 幼児理解 保育の展開 反省・評価 改善
5 改善 反省・評価 幼児理解 保育の展開
正答:4
H29後:保育の心理学⑰
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 17
次の文は、定型発達の子どもの攻撃性に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 2歳以前には身体的攻撃よりも言葉による攻撃が多く見られる。 →×
- 6~7歳を過ぎると、相手を侮辱するなどの目的をもった対人的、報復的な性質の攻撃性が増加する。 →○
- 攻撃的衝動は小学生頃になると、スポーツ、社会活動、学習などの活動に向けられるようになる。 →○
正答:4 × ○ ○
H29後:保育の心理学⑱
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 18
次の文は、子どもに用いられる心理検査に関する記述である。検査名とその説明として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 新版K式発達検査は、子どもの発達の水準や偏りを「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3領域から評価する。 →○
- WPPSI知能診断検査は、言語性IQ、動作性IQ、全検査IQの3種類のIQが測定できる。 →○
- P-Fスタディは、欲求不満状況に対する反応傾向に基づいて、被験者のパーソナリティを評価する検査である。 →○
- バウムテストは、被験者に樹木を描かせて、被験者の感情、情緒の状態を評価するのに有効である。 →○
正答:1 ○ ○ ○ ○
H29後:保育の心理学⑲
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 19
次の文は、小児期のトラウマ反応についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
- 迷子になることが心理的に大きな傷になることもある。 →○
- トラウマ反応の一つに攻撃性の亢進がある。 →○
- 虐待によって繰り返されるトラウマによる反応は、交通事故等の単回性のトラウマによる反応と同様である。 →×
- 子どもに起きやすいトラウマ反応として、退行がある。 →○
- 成人に起こるトラウマ反応であるフラッシュバックは、小児期にも起こる。 →○
正答:3
H29後:保育の心理学⑳
平成29年度後期試験 保育の心理学 問 20
次の文は、DSM-5の「反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- この障害の行動上の特徴は、どの大人とも相互的に最小限にしか関われず、特に苦痛時に慰めを求めることができないことである。また、陽性の情緒の表出が極端に少ない。 →○
- 施設養育で育てられた子どもにのみ、この障害がある子どもが見出される。 →×
- この障害の主な病因は、重度の身体的虐待である。 →×
- この障害がある子どものほとんどは、選択的な愛着対象(アタッチメント対象)を持っていない。 →○
正答:2 ○ × × ○
H29前:保育の心理学①
平成29年度前期試験 保育の心理学 問1
次の文は、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の一部である。(A)~(D)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。特に大切なのは、人との関わりであり、愛情豊かで思慮深い大人による(A 保護や世話)などを通して、大人と子どもの相互の関わりが十分に行われることが重要である。この関係を起点として、次第に他の子どもとの間でも相互に働きかけ、関わりを深め、人への信頼感と(B 自己の主体性)を形成していくのである。
これらのことを踏まえ、保育士等は、次に示す子どもの発達の特性や(C 発達過程)を理解し、発達及び生活の(D 連続性)に配慮して保育しなければならない。(後略)【語群】
ア 教育的働きかけ イ 保護や世話 ウ 自己の主体性 エ 発達段階
オ 自己への信頼感 カ 発達過程 キ 一貫性 ク 連続性正答:5 イ ウ カ ク
H29前:保育の心理学②
平成29年度前期試験 保育の心理学 問2
次の記述によって説明される用語として最も適切なものを一つ選びなさい。出生から死に至る過程において、人が一定の段階をたどり、次世代に生命を受け継いでいくことを意味する。
1 ライフレビュー
2 ライフサイクル
3 発達課題
4 ライフコース
5 発達過程
正答:2
H29前:保育の心理学③
平成29年度前期試験 保育の心理学 問3
次の記述に該当する人物として正しいものを一つ選びなさい。
- 人間の発達では、初めに社会的関係があり、それが内面化すると考えた。
- 他者とのコミュニケーションに用いる言葉を外言とした。
- 子どもの独語は、自分の思考のための言葉になる移行過程であると捉えた。
1 ワロン(Wallon, H.)
2 ボウルビィ(Bowlby, J.)
3 ガードナー(Gardner, H.)
4 ロスバート(Rothbart, M.K.)
5 ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)
正答:5
H29前:保育の心理学④
平成29年度前期試験 保育の心理学 問4
次の文は、仲間同士の関わりについての記述である。(A)~(C)にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
友だちと一緒に遊ぶようになると、子どもは、自分のやりたいことと相手がやりたいことがぶつかり合い、いざこざやトラブルを経験するようになる。子どもは他者との関係のなかで、自分の欲求をぶつけ、実現しようとする(A 自己主張)と、欲求を我慢しようとする(B 自己抑制)の両方を求められる。友だちとの関係を築くためには、この両者のバランスを調整する(C 自己制御)が必要になる。
【語群】
ア 攻撃性 イ 自己主張 ウ 自己抑制 エ 抑圧 オ 欲求不満耐性 カ 自己制御
正答:4 イ ウ カ
H29前:保育の心理学⑤
平成29年度前期試験 保育の心理学 問5
次の文は、乳児の身体・運動の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 乳児の運動機能の発達は、頭部から足部へ、身体の中心部から末梢へ、粗大運動から微細運動へという方向性と順序がある。 →○
- 一般的に、平均体重は 2 , 900 ~ 3 , 000g 前後、平均身長は 49cm 前後で生まれるが、生後1年で体重は約3倍、身長は約 1 . 5 倍になる。 →○< /li>
- 生後 8 か月頃になると、物と物を打ち合わせる、物を容器に入れる、小さい積木を高く積みあげることができるようになる。 →×
- 手に触れたものを握ろうとする把握反射が新生児にみられ、生後3か月になると指さしが出現する。 →×
正答:2 ○ ○ × ×
H29前:保育の心理学⑥
平成29年度前期試験 保育の心理学 問6
次の文は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」のイ「人間関係」の一部である。
(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- (A 友達)と積極的に関わりながら喜びや悲しみを共感し合う。
- (B 外国人)など、自分とは異なる文化を持った人に親しみを持つ。
- 友達の良さに気付き、(C 一緒に活動する)楽しさを味わう。
- 良いことや悪いことがあることに気付き、(D 考えながら)行動する。
【語群】
ア 保育士 イ 友達 ウ 外国人 エ 異年齢の友達 オ 一緒に活動する カ 協力してやり遂げる キ 決まりどおりに ク 考えながら
正答:4 イ ウ オ ク
H29前:保育の心理学⑦
平成29年度前期試験 保育の心理学 問7 次の文は、学童期の知的発達についての記述である。次の下線部(A)~(D)に該当する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ピアジェ(Piaget, J.)は、子どもの知的発達のなかで、(A 具体的操作期)数、重さ、体積などの保存が獲得される時期を示した。例えば、(B 重さの保存)子どもが見ている前で、球状の粘土をソーセージ形などに変える実験を行った。
この時期には様々な思考活動に可逆性や相補性が加わり、(C 群性体)物の分類、順序づけに必要な操作が発達し、次に、(D 形式的操作期)抽象的・論理的な操作が可能となる時期へと向かう。
【語群】
ア 形式的操作期 イ 具体的操作期 ウ 密度の保存 エ 重さの保存 オ 群性体 カ 同化
正答:5 イ エ オ ア
H29前:保育の心理学⑧
平成29年度前期試験 保育の心理学 問8 次の文は、乳児の知覚の実験についての記述である。この実験で用いられている測定法の名称として正しいものを一つ選びなさい。
乳児に、ある視覚刺激を繰り返し提示すると、最初のうちは長く注視するが、回数を重ねるにつれて注視時間が短くなった。そこで別の視覚刺激に変えて提示すると、注視時間が回復し長くなった。このような測定結果の場合、乳児は最初の刺激と次の刺激とを区別していることが明らかになる。
1 選好注視法
2 馴化・脱馴化法
3 ソーシャル・リファレンシャル法
4 視覚走査法
5 ストレンジ・シチュエーション法
正答:2
H29前:保育の心理学⑨
平成29年度前期試験 保育の心理学 問9 次の文は、学童期の仲間関係についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 仲間は、観察学習のモデルとして相互に影響を及ぼし合う存在である。 →○
- 学童期の初めでは特に、学級内での役割分担が仲間形成の要因になりやすい。 →×
- 学童期の初めには、閉鎖性の強いギャング・グループが生まれやすい。 →×
- 学童期の終わり頃になると、興味・関心や価値観などの内面的な特性による結びつきが強くなる。 →○
正答:3 ○ × × ○
H29前:保育の心理学⑩
平成29年度前期試験 保育の心理学 問 10 次の文は、乳児の生理的反応についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 大脳皮質が成熟、発達してくると随意運動が原始反射に取って代わるようになる。 →○
- 消失すべき時期になっても原始反射が持続する場合、発達の遅れ等が疑われる。 →○
- 乳児期初期の泣きや微笑は生理的であっても、養育行動を引き出す特性がある。 →○
- 反射に顕著な左右差があるときには、部分的な運動・感覚機能の異常が疑われる。 →○
正答:1 ○ ○ ○ ○
H29前:保育の心理学⑪
平成29年度前期試験 保育の心理学 問 11
次の文は、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の(6)「おおむね4歳」の一部である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
全身の(A バランスを取る能力)が発達し、体の動きが巧みになる。(中略)目的を持って行動し、つくったり、かいたり、試したりするようになるが、自分の(B 行動やその結果)を予測して不安になるなどの葛藤も経験する。仲間との(C つながり)が強くなる中で、けんかも増えてくる。その一方で、決まりの大切さに気付き、守ろうとするようになる。感情が豊かになり、身近な人の気持ちを察し、少しずつ自分の(D 気持ちを抑えられ)たり、我慢ができるようになってくる。
【語群】
ア バランスを取る能力 イ 協応動作 ウ 得意や不得意 エ 行動やその結果 オ 競争心 カ つながり キ 要求伝達を高め ク 気持ちを抑えられ
正答:3 ア エ カ ク