保育の心理学一覧

H27本:保育の心理学②ブロンフェンブレンナー

平成27年度本試験 保育の心理学 問2 
 次の文は、子どもの生活環境を捉える考え方の特徴を示したものである。このような考え方を提唱した人物として正しいものを一つ選びなさい。

  • 子どもが所属し、多様な経験をする場として家庭、保育所、地域などがあるとした。
  • きょうだいの誕生や就学など、人生の出来事が影響を及ぼすとした。
  • しつけとして重視する内容は各家庭で異なっても、文化として共通する面もあるとした。
  • 人間を取り巻く環境を入れ子構造として捉えた。
  1. ブラゼルトン(Brazelton, T.B.)
  2. フェスティンガー(Festinger, L.)
  3. マッコール(McCall, R.B.)
  4. ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)→
  5. ローレンツ(Lorenz, K.)

正答:4


H27本:保育の心理学③【事例】子どもの言語発達

平成27年度本試験 保育の心理学 問3 
 次の文は、子どもの言語発達に関する【事例】である。下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【事例】
文字が読めるようになったばかりの4歳児クラスのRちゃんは、絵本を持ってきては(a→拾い読み)一字一字読もうとしたり、何も書いていない紙を使って友達とお手紙ごっこをしながら、(b→表象遊び)読むふり、書くふりを楽しんでいる。また、(c→音韻意識)「りんご」という言葉は「り・ん・ご」の3つの音に区切ることにも気づいているようである。家庭でも、兄と(d→しりとり)語音を使った言葉遊びをしていると保護者は言っている。このようにRちゃんは(e→プレリテラシー)生活の中で読み書きに関連する行動をしている。

【語群】
ア 黙読    イ 拾い読み  ウ 表象遊び   エ 具象遊び     オ 音韻意識
カ 文法構造  キ しりとり  ク じゃんけん  ケ プレリテラシー  コ シェマ
正答:3 イ ウ オ キ ケ


H27本:保育の心理学④アタッチメント(愛着)

平成27年度本試験 保育の心理学 問4 
 次の文は、アタッチメント(愛着)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. アタッチメント(愛着)は生理的なケアによって決定されるのではなく、情緒的なやりとりによって人との間に形成される。→
  2. 子どもがもつ愛着対象についてのイメージは、内的ワーキングモデルと呼ばれる。→
  3. 養育者との間にアタッチメント(愛着)が形成されると、子どもは養育者と離れることに抵抗するという「人見知り」を示すようになる。→×

正答:1 ○ ○ ×


H27本:保育の心理学⑤子どもの認知発達

平成27年度本試験 保育の心理学 問5 
 次の文は、子どもの認知発達についての記述である。下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

お風呂で(a数唱)「いち、にぃ、さん…」と 10 まで数えたり、例えば 13 個のおはじきを(b1対1対応)一つ一つ指さして数えることができても、必ずしもいくつあるかが分かっているとは言いきれない。数を数えたあと、(c集合数の理解)「全部でいくつ?」と数を聞かれたら「13」と最後の数を言えるようになるなどの過程で数概念が育っていく。ピアジェ(Piaget, J.)は、並べたおはじきの間隔を広げ(d数の保存概念)見かけを変化させると幼児は数の正しい判断ができなくなることを示した。

【語群】
ア 数の保存概念  イ 数系列の理解  ウ 序数     エ 数唱    
オ 集合数の理解  カ 指算      キ 視覚的優位  ク 1対1対応
正答:5 エ ク オ ア


H27本:保育の心理学⑥幼児期の子ども同士で生じる「いざこざ」

平成27年度本試験 保育の心理学 問6 
 次の文は、幼児期の子ども同士で生じる「いざこざ」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. いざこざの原因には、たたく、ける、ひっぱるといった行為、取り合い、ルール違反、イメージのずれ、不快な言葉などがある。→
  2. いざこざの原因には、年齢によって明らかな違いがみられ、低年齢のいざこざの原因は、高年齢の子どもにはみられない。→×
  3. いざこざに気づいた時には、どのような場合でも保育士はすぐに仲裁しなければならない。→×
  4. いざこざの解決には年齢差がみられ、高年齢になると子ども同士での解決もできるようになる。→

正答:3 ○ × × ○


H27本:保育の心理学⑦子どもの社会性の発達

平成27年度本試験 保育の心理学 問7 
 次の文は、子どもの他者との関わりについての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

日常、保育士が子どもに「なぜそれをしてはいけないか」を説明することによって、子どもは自分の行為が相手の気持ちにどのように影響するかがわかるようになる。このような経験によって、子どもは相手の(A 感情)に気づき、相手の気持ちに寄り添うことができる(B 共感性)が育つ。また、相手の立場に立って考えることができる(C 役割取得能力)も育つと言われている。これらが他者を思いやる(D 向社会的)行動を育むことにつながる。

【語群】
ア 感情      イ 能力      ウ 共感性  エ 自尊感情  
オ 役割取得能力  カ 自己調整能力  キ 合理的  ク 向社会的
2 ア ウ オ ク


H27本:保育の心理学⑧乳幼児期における「泣き」

平成27年度本試験 保育の心理学 問8 
 次の文は、乳幼児期における「泣き」についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

  1. 「泣き」は、不快な情動の音声表出である。→
  2. 「泣き」は、保育者の同情、または怒りを引き起こす刺激といえる。→
  3. 「泣き」は新生児・乳児にとっての交信手段であり、生命の維持や危険から身を守ることになる。→
  4. 子どもの「泣き」や「ぐずり」が持続する時のやりとりは、保育者にとってストレスが高いので、望ましくない対応をしてしまいがちである。→
  5. 「泣き」の発達とは、生理的情動のみを制御できるようになることを意味する。→×

正答:5


H27本:保育の心理学⑨乳幼児の社会性の発達

平成27年度本試験 保育の心理学 問9 
 次の文は、乳幼児の他者との関わりについての記述である。【Ⅰ群】の説明と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 身近な人たちとの触れ合いに応じて、それぞれ異なった特徴的なコミュニケーションをとる。
     →社会的ネットワーク論
  2. 乳児が泣きや怒りをおさめ、おだやかな状態を回復するための手立てとして役立つ。
     →タッチング(スキンシップ)
  3. 自分を受けとめてくれる経験の積み重ねから形成される。
     →基本的信頼感

【Ⅱ群】
ア 社会的ネットワーク論
イ タッチング(スキンシップ)
ウ 3歳児神話
エ 基本的信頼感
オ 社会的促進
正答:1 ア イ エ


H27本:保育の心理学⑩乳幼児期の発達の特性

平成27年度本試験 保育の心理学 問 10 
 次の文は、乳幼児期の発達の特性についての記述である。「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の1「乳幼児期の発達の特性」に照らして考えた場合、不適切な記述を一つ選びなさい。

  1. 乳幼児期は、生涯にわたる生きる力の基礎が培われる時期である。→
  2. 乳幼児期に多様な経験の積み重ねにより養われた力が、その後の生活や学びの基礎になる。→
  3. 乳幼児期は、遊びを通して、仲間との関係を育み、その中で個の成長も促される。→
  4. 乳幼児期の発達は、生理的・身体的な条件により決定され、環境の個人差が影響することはない。→×
  5. 乳幼児期は、特に身体感覚を伴う多様な経験が積み重なることにより、感性、好奇心、探究心、思考力が養われる。→

正答:4


H27本:保育の心理学⑪1歳前後の運動

平成27年度本試験 保育の心理学 問 11 
 次の文は、生後1歳前後の運動発達についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

運動発達は、全身の移動運動や姿勢に関わる(A 粗大運動)と、手指操作に関わる(B 微細運動)に分けられる。自立歩行は重力に対抗して姿勢を保持する能力と(C 移動能力 )との発達によって成立する。独りで座る、這う、つかまり立ち、伝い歩きから独りで歩くなど、生後(D 6か月ごろ)から1歳3か月頃は著しい運動機能の発達がみられる時期であるため、保育者は転倒・転落など、安全への配慮が必要となる。

【語群】
 ア 微細運動  イ 移動能力  ウ 粗大運動  エ  6か月頃  
 オ 粗雑運動  カ 軽微運動  キ 転置能力  ク 4か月頃
正答:3 ウ ア イ エ


H27本:保育の心理学⑫生活・遊びと学習

平成27年度本試験 保育の心理学 問 12 
 次の文は、生活を通した学びに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 基本的生活習慣の獲得へと向かう時期に、子どもは他児をモデルとして自立に向けてさまざまなことを経験し学ぶ。→
  2. 仲間と一緒に暮らすことの喜びが芽生え育っていくなかで、ルールは守らされるものとしてではなく、守ろうとするものになっていく。→×
  3. 植物の世話では、うまく育たない時、「どうしたらよいのだろう」と考えるきっかけになる。→
  4. 仲間と楽しく遊んだ経験や、遊びのなかで築いた仲間関係が、生活での協力に結びついたりする。→×

正答:1 ○ ○ ○ ○ 


H27本:保育の心理学⑬保育における集団編成

平成27年度本試験 保育の心理学 問 13 
 次の文は、保育における集団編成についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育においてはさまざまな集団編成が行われる。集団単位には、学年や性別などの(A 制度的・生物学的)に決定される集団と、座席や活動のグループなどの(B 保育士)の裁量によって決定される集団がある。
保育現場では、月齢や能力などを考慮して集団を編成するだけでなく、子どもの興味をきっかけに形成される(C 自然発生的)な集団を活動単位とすることもある。座席グループを編成する場合、幼児が自由に席を決めると、仲間と(D 並びあう)位置関係を好むといった行動は、4歳頃からみられるという。

【語群】
ア 制度的・生物学的  イ 自然発生的  ウ 保育所長  エ 社会的・物理的
オ 並びあう      カ 保育士    キ 意図的   ク 向かいあう  
正答:3 ア カ イ オ


H27本:保育の心理学⑭保育士に求められる専門性

平成27年度本試験 保育の心理学 問 14 
 次の文は、保育士に求められる専門性に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの現在の能力を捉え、その育ちを見通して、多様な環境や経験を保障する。→
  2. 一人一人の子どもの体験を、子ども同士で共有できるように人的・物的環境を構成する。→
  3. クラス担任は特別な支援を必要とする子どもかどうか、日常の様子から障害を見極め、すぐに専門機関へ連絡する。→×
  4. 医療、療育、福祉などの専門家、及び行政との間で情報を共有する仕組みを活用する。→

正答:2 ○ ○ × ○


H27本:保育の心理学⑮乳幼児の行動と心理学用語

平成27年度本試験 保育の心理学 問 15 
 次の文は、乳幼児が日常保育のなかで示す行動である。A~Cの子どもの行動の基盤にある認知的発達に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 玩具を別の場所に動かしたのをRちゃんは見ていないことを4歳のMちゃんは知っていて、「Rちゃんは元の場所にあると思っているよ」と言う。
     →心の理論
  2. 積み木をバスに見立てて、「ブーブー」と言いながら押して動かす。
     →象徴機能
  3. 保育士が乳児を抱っこして、室内の離れたところにある玩具を指さすと、乳児もそれを見る。
     →共同注意

【語群】
ア 場の理論  イ 心の理論  ウ 象徴機能  エ 模倣  オ 社会的参照
カ 共同注意
正答:4 イ ウ カ


H27本:保育の心理学⑯【事例】子ども理解

平成27年度本試験 保育の心理学 問 16 
 次の【事例】は、子ども理解に関する記述である。A~Dを示す語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
【事例】

  1. 女の子はピンク色が好きで、男の子は青色が好きだと思う。→ステレオタイプ
  2. 自分はピーマンが嫌いだったので、子どもはみんなピーマンが嫌いだと思う。→経験に基づく基準の偏り
  3. ある子どもに対して苦手意識をもっていると、その子どもも自分のことを苦手と感じていると思う。→投影
  4. 良い子としてふるまい過ぎて、年齢に比して背伸びをしていると思う。→過剰適応

【語群】
ア 経験に基づく基準の偏り   イ ストラテジー   ウ 投影
エ 課題解決における試行錯誤  オ 早期自立     カ 逃避
キ 過剰適応          ク ステレオタイプ
正答:3 ク ア ウ キ


H27本:保育の心理学⑰分離不安障害

平成27年度本試験 保育の心理学 問 17 
 次の文は、分離不安障害に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 症状の一つとして、分離に関する悪夢を繰り返す。→
  2. 症状の一つとして、愛着をもっている人からの分離の際に、胃痛、頭痛などの身体症状を繰り返す。→
  3. 歩きはじめの子どもや就学前の子どもが、愛着をもっている人から実際に別れたり、その恐れがあったりすることに対して不安を示す場合はすべて分離不安障害と診断する。→×
  4. 症状の一つとして、無感情がある。→

正答:2 ○ ○ × ○


H27本:保育の心理学⑱心理的環境要因が主な原因と考えられる精神医学的問題

平成27年度本試験 保育の心理学 問 18 
 次のうち、心理的環境要因が主な原因と考えられるものとして正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 反応性愛着障害→< /li>
  2. 外傷後ストレス障害→
  3. 広汎性発達障害→×
  4. 学習障害→×
  5. 精神遅滞→×

正答:2 ○ ○ × × ×


H27本:保育の心理学⑲【事例】自閉症児の対応

平成27年度本試験 保育の心理学 問 19 
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
服が濡れたり、汚れたりするのが嫌いな自閉症のJさん(6歳)。時には、少し濡れただけで泣き叫んだり、自分の手をかんだり、頭を壁に打ち付けたりするほど動揺してしまう。

【設問】
この子どもに対する配慮として適切なものを○、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. Jさんが激しく動揺してしまった時は、Jさんを別室に移し、気持ちが落ち着くのを待つ。→
  2. Jさんの服をわざと濡らして、我慢できるようにする。→×
  3. 服が濡れたときのためにJさん専用の乾いたタオルを用意しておき、自分で拭いて対処した時は褒める。→
  4. 頭を壁に打ち付けている最中に、「頭を打ち付けるのは良くない」とJさんを説得する。→×

正答:3 ○ × ○ ×


H27本:保育の心理学⑳【事例】発達の遅れの見られる5歳児

平成27年度本試験 保育の心理学 問 20 
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
5歳の女児。発達の状況としては、首が座ったのが生後6か月、ハイハイが1歳0か月、つかまり立ちが1歳4か月、歩行開始が1歳8か月、始語が2歳0か月、二語文の表出が3歳6か月であった。保育所では動きが緩慢で、保育士が子どもたち全体へ声をかけるだけでは活動しない。他の子どもが遊んでいると一緒に遊ぼうとするが、他児のオモチャを取り上げてしまうため、他児をよく怒らせてしまい、トラブルになる。「それは棚の上に置いてね」などの口頭指示は、まだ理解できていない様子である。

【設問】
この子どもの精神医学的問題について、保育士として検討しておくべきこととして適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 地域の保健センターとの情報共有→
  2. 医療機関への受診→
  3. 保護者との面接→
  4. 職員間での情報共有→

 

正答:1 ○ ○ ○ ○