保育の心理学一覧

H28前:保育の心理学②人の生涯発達

平成28年度前期試験 保育の心理学 問2
 次の文は、人の生涯発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 人の生涯発達は、遺伝的要因と環境的要因との相互作用によって促される。→
  2. 人の生涯発達における文化の影響は、乳児期において最も大きい。→×
  3. 人の生涯発達とは、上昇的変化の過程を意味する。→×
  4. 人の生涯発達は、個人的に重要な意味をもつ出来事の影響を受ける。→

正答:3 ○ × × ○


H28前:保育の心理学③情動伝染

平成28年度前期試験 保育の心理学 問3
 次の文の(   )にあてはまる用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。
生後数日の赤ちゃんが、他の赤ちゃんの泣き声を聞くことで泣き出すことがしばしばみられる。このように生後間もない赤ちゃんは、自他の区別があいまいなまま、他者の感情に巻き込まれる経験をする。こうした赤ちゃんの行動は(   )と呼ばれる。

  1. 模倣
  2. 同型性
  3. 感情移入
  4. 共感性
  5. 情動伝染→

正答:5


H28前:保育の心理学④ピアジェの理論

平成28年度前期試験 保育の心理学 問4
 次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の理論に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 物は隠れていても存在し続けているという物の永続性の理解は、ピアジェ(Piaget, J.)が提唱した月齢よりも早い時期であることがその後の研究によって示されている。→
  2. 誕生から3歳頃までの子どもは、触る、叩く、なめる等の感覚運動を通して世界を理解している。→×
  3. 前操作期の子どもは、イメージや言葉を用いて世界を捉えることができるようになるが、それは自己中心的で、知覚的特徴に影響されやすい。→
  4. 外界の対象に働きかける際に、その対象を自分に合うように変化させて、自分の内部に取り入れることを調節という。→×

正答:3 ○ × ○ ×


H28前:保育の心理学⑤乳児の感情の発達

平成28年度前期試験 保育の心理学 問5
 次の文は、子どもの感情の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

感情の発達については、運動・認知・自己の発達と関連しながら分化していくという考え方がある。この考え方の代表的な提唱者(A ルイス)によると、誕生時には、(B 充足)、苦痛、興味の原初的感情をもって生まれ、生後3か月頃までに、(C 喜び)、悲しみ、嫌悪の感情がみられるようになり、6か月頃までに、驚き、怒り、(D 恐れ)の感情が分化していく。これらは(E 一時的感情)と呼ばれ、見知らぬ人への反応などに反映されていく。他方、感情の発達については、基本的な感情は誕生時に備わっており、主として感情を抑制する側面が発達するという考え方がある。

【語群】
ア 一次的感情 イ 充足(contentment) ウ 二次的感情  エ ルイス(Lewis, M.) オ 誇り(pride) カ 感動(affect) キ 喜び(joy) ク サメロフ(Sameroff, A, J.) ケ 恐れ(fear) コ 恥(shame)

正答:3 エ イ キ ケ ア


H28前:保育の心理学⑥新生児の反射、生存を維持するためのしくみ

平成28年度前期試験 保育の心理学 問6
 次の説明を読んで、以下の【設問】に答えなさい。
新生児は、生存を維持するための生得的な仕組みを備えている。
【設問】
生存を維持するための生得的な仕組みとして、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の、正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. バビンスキー反射→
  2. 信号行動→
  3. 社会的微笑→×
  4. 顔の形態的特徴→

正答:3 ○ ○ × ○


H28前:保育の心理学⑦【保育所保育指針】子どもの発達

※新保育所保育指針では、旧保育所保育指針第2章に関する記述(下記内容)はカットされています。

平成28年度前期試験 保育の心理学 問7
 次の文は、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の2「発達過程」の一部である。それぞれにあてはまる発達過程の区分の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる。
  2. 歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める。
  3. 歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する。

正答:4 おおむね 3 歳 おおむね 1 歳 3 か月から 2 歳未満  おおむね 2 歳


H28前:保育の心理学⑧子どもの仲間との関わり

平成28年度前期試験 保育の心理学 問8
 次の文は、子どもの仲間との関わりについての記述である。下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
2~3歳頃では、(a)近くで同じような遊びをしていても、互いのやりとりはみられないこと【→平行遊び】が多い。活発にやりとりをして遊ぶようになると、(b)自分がやりたいことと仲間のやりたいこととのぶつかり合い【→対人葛藤】を経験することになる。その後、4~5歳になると、(c)相手の立場に立って、自分とは異なる相手の気持ちや考えを徐々に理解できるよう【→役割取得】になっていく。
したがって、保育士は子ども相互の気持ちや思いをつなぎ、子どもが(d)自分自身の気持ちをコントロールする力【→自己調整力】を身につけるように配慮する必要がある。
【語群】
ア 連合遊び  イ 対人葛藤  ウ 共感     エ 自己調整力  オ 平行遊び
カ 対人拮抗  キ 役割取得  ク 対人調整力
正答:4 オ イ キ エ


H28前:保育の心理学⑨経験と環境、センス・オブ・ワンダー

平成28年度前期試験 保育の心理学 問9
 次の( A )~( D )の語句が正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもにとっての経験には、事物に触ったり、手に取ったり、見たりなど、視覚、聴覚、(A 遠感覚→×)、触覚、味覚といった五感を使って働きかける経験があり、それは(B 直接→)経験と呼ばれる。一方、絵本やメディア、人の話・行動を介した経験もあり、それは(C バーチャル→×)経験と呼ばれる。
レイチェル・カーソン(Carson, R.L.)は、自然との(B 直接)的な関わりのなかで、子どもが不思議に思ったり、感動したりすることを(D センス・オブ・ワンダー→)と呼び、もっと知りたいという思いが促されるとした。
正答:3 × ○ × ○


H28前:保育の心理学⑩文字の獲得、情報教育

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 10
 次の文は、子どもの文字の獲得に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
幼児期は話す、聞くという(A 話し言葉)による言語活動が中心であるが、幼児期後期では、(B 文字)に興味を示すようになり、七夕の願い事や手紙を書くなどの(C 遊び)のなかで、仲間とのコミュニケーションを楽しむようにもなる。
そして保幼小連携のもと、小学校教育では(D リテラシー)を身につけることが期待される。(D リテラシー)とは、単に文字を読んだり書いたりするだけでなく、社会生活をおくるうえで必要な文章を読んだり理解したりすること、文章で表現することなどを含む。
【語群】
ア 書き言葉  イ リテラシー     ウ 話し言葉  エ 文字  オ 学習活動
カ 発音    キ ソーシャルスキル  ク 遊び
正答:3 ウ エ ク イ


H28前:保育の心理学⑪発達の最近接領域

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 11
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Kちゃんはスプーンで食べ物をすくうことができず、かんしゃくを起こしてしまう。これに対し保育士は、Kちゃん自身が「スプーンで食べた」という喜びや達成感を味わい、さらに、自分でスプーンを使って食べようとする意欲を育てたいと考えた。そこで、あらかじめ食べ物をスプーンの上にのせ、そのあとはKちゃんが自分でやるようにした。また、保育士は、すくいやすい器にするなどの工夫も行った。こうした保育士の配慮に支えられて、Kちゃんはスプーンを使う経験を積み重ね、上手に食べ物を食べられるようになっていった。
【設問】
保育士が行ったこの対応の根拠となる発達心理学の用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。

  1. 発達段階
  2. 発達の連続性
  3. 発達課題
  4. 発達の最近接領域→
  5. 発達過程

正答:4


H28前:保育の心理学⑫保育士のあり方と子どもの発達

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 12
 次の文は、保育士のあり方と子どもの発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育士は、保育の計画を作成し環境を構成するだけでなく、子どもとのやりとりを通して環境を再構成していく存在といえる。→
  2. 子どもが安心してまわりの世界に目を向け、人や物との出会いの経験を広げていくような、子どもへの関わりが保育士には求められる。→
  3. 子どもを取り巻く人的環境、物的環境、自然環境や社会環境などをつなぐ役割を保育士は担っている。→
  4. 保育士は、一人の人間として発達・変化する存在でもあることから、自分自身をも振り返り、自己の内面や子どもとの関係性について客観的に捉えることが重要である。→

正答:1 ○ ○ ○ ○


H28前:保育の心理学⑬学童期における自己の捉えの特徴

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 13
 次の文は、学童期における自己の捉えの主な特徴についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 幼児期と同様に、低学年(小学校1・2年生)では、自分の身体的特徴や持ち物について友だちと話すことが中心である。→×
  2. 中学年(小学校3・4年生)になるにつれ、自分の身体能力や運動能力、性格面から捉えることが増えていく。→
  3. 中・高学年(小学校3年生以上)では、「他の子よりも絵が上手である」のように、他者との比較によって自己を評価することが多くなる。→
  4. 青年期に比べると、他の人からの評価に敏感であり、自尊感情が低い。→×

正答:3 × ○ ○ ×


H28前:保育の心理学⑭アイデンティティ

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 14
 次の文は、アイデンティティについての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
アイデンティティの実証研究は、マーシア(Marcia, J.E.)によって大きく進展した。彼はエリクソン(Erikson, E.H.)の概念である( A →危機)と積極的関与を用いて、4つのアイデンティティの状態を定義し、( B →アイデンティティ・ステイタス)と呼んだ。この発達を検討した縦断的研究によれば、青年期前期から後期にかけて( C →達成)状態になることが多くなる一方で、成人期になってから再び( D →拡散)状態へと戻ることもある。
【語群】
ア 葛藤              イ 危機    ウ ジェンダー・アイデンティティ
エ アイデンティティ・ステイタス  オ 早期完了  カ 達成
キ モラトリアム          ク 拡散
正答:5 イ エ カ ク


H28前:保育の心理学⑮【保育所保育指針】子育て支援(保護者に対する支援)

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 15
 次の文のうち、「保育所保育指針」第6章「保護者に対する支援」の1「保育所における保護者に対する支援の基本」の一部として適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育に関する知識や技術などの保育士の専門性や、子どもの個人差が常に存在する環境など、保育所の特性を生かすこと。→×
  2. 一人一人の保護者の状況を踏まえ、子どもと保護者の安定した関係に配慮して、保護者の子ども理解力の向上に資するよう、適切に支援すること。→×
  3. 子育て等に関する相談や助言に当たっては、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者一人一人の自尊心を尊重すること。→×
  4. 子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーの保護、知り得た事柄の秘密保持に留意すること。→

正答:4 × × × ○


H28前:保育の心理学⑯乳幼児の行動と心理学用語

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 16
 次の文は、乳幼児が日常示す行動である。A~Dの行動の基盤となる発達心理学の用語として、あてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 見慣れた人と見知らぬ人とを区別することができるようになり、見知らぬ人が関わろうとすると、顔をそむけたり、泣き叫んだりする。→8か月不安
  2. 保育者がほほえみかけたり、口を大きく開けたりしてみせると、乳児も同じような表情をする。→共鳴動作
  3. 保育者が向かい合ってボールをゆっくり転がして近づけると、ボールを押し返すような動作を繰り返し楽しむ。→ターンテイキング
  4. 保育者が子どもに絵本を読んであげている時に、絵本に描かれたりんごの絵を見て子どもが食べるふりをする。→表象機能

【語群】
ア 社会的不安     イ 8か月不安        ウ 共鳴動作   エ 共同注意
オ ターンテイキング  カ メンタルローテーション  キ 社会的模倣  ク 表象機能

正答:4 イ ウ オ ク


H28前:保育の心理学⑰出産前後の精神疾患

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 17
 次の文は、出産前後の精神保健に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 妊娠後期であれば、母親がアルコールを大量に摂取しても、胎児の発達に影響はない。→×
  2. 妊娠時の強く、持続的な心理的ストレスは、胎児の発達に影響を与える可能性がある。→
  3. 出産直後から約1週間以内に見られる気分の変調(マタニティ・ブルーズ)は、日本では約 100 人に1人の頻度であると報告されている。→×
  4. 産後うつ病は、乳児にとって心理・社会的発達の危険因子の一つである。→

正答:5 × ○ × ○


H28前:保育の心理学⑱アタッチメント(愛着)の形成

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 18
 次の文は、アタッチメント(愛着)の形成についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 乳幼児は、親との分離、見知らぬ人、見知らぬ場所、けがなどを体験したときなどに、特定の養育的他者(愛着対象)に近づいて安心感を得ようとする。この行動傾向を愛着と呼ぶ。→
  2. 愛着は、乳幼児期に形成されるが、成人期に愛着は働かないため、成人は愛着行動を示さない。→×
  3. 生後2、3か月において、特定の愛着対象が明確である。→×
  4. 乳幼児との安定した愛着関係を形成するためには、でき得る限り身体的に接触していることが望ましい。→×

正答:3 ○ × × ×


H28前:保育の心理学⑲【事例】ADHDの子を持つ保護者への保育所の対応

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 19
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳の男児。保育所では、多動、不注意に加え、友達に暴力を振るう。男児の母親に家庭での様子を聴くと、母親も家庭で男児への対応に手を焼いており、とても困った様子で、自分がいかに苦労しているかということを保育士にとうとうと語った。母親はまだ専門機関には相談していないという。
【設問】
この【事例】における男児の母親に対する保育士の対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 話に耳を傾け、共感し、日々の苦労をねぎらった。→
  2. 一緒に本児の良いところを共有し、良いところは積極的に褒めるように促した。→
  3. 保健センターや児童精神科に相談することができることを伝えた。→
  4. 保育所でも困っており、家庭で十分に指導するように伝えた。→×

正答:1 ○ ○ ○ ×


H28前:保育の心理学⑳【事例】てんかん、保育所の対応

平成28年度前期試験 保育の心理学 問 20
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
N君(4歳、男児)は、3歳の時にけいれん発作を起こし、小児科を受診して、てんかんと診断された。現在は、抗てんかん薬を朝夕2回服用している。服用開始直後から、日中に眠気が強く、お昼寝の時間以外にも眠ってしまう状態が続いている。このことについて母親は、「主治医には相談していないが、昼間に長時間寝てしまうため、夜寝ないので困っています。保育所では、なるべく起こしておいてください」と要望している。てんかん発作は薬の服用後は起きていない。
【設問】
N君への保育所の対応として適切なものを○、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. N君の睡眠の状態について、母親と確認し合う。→
  2. 薬が強いと判断し、朝の薬を中止するよう母親に提案する。→×
  3. 保育所の判断で、担当保育士が直接主治医に連絡して相談する。→×
  4. 母親の要望に沿い、日中起こしておくようにする。→×

正答:3 ○ × × ×


H27地:保育の心理学①保育所保育指針第2章子どもの発達

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問1 次の文は、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもは、様々な(A 環境との相互作用)により発達していく。すなわち、子どもの発達は、子どもがそれまでの体験を基にして、環境に働きかけ、(A 環境との相互作用)を通して、豊かな心情、意欲及び態度を身に付け、新たな(B 能力)を獲得していく過程である。特に大切なのは、(C 人との関わり)であり、(D 愛情)豊かで思慮深い大人による保護や世話などを通して、大人と子どもの相互の関わりが十分に行われることが重要である。

【語群】
ア 人との関わり   イ 表現  ウ 習慣        エ 能力
オ 自然との関わり  カ 愛情  キ 環境との相互作用  ク 人との相互作用 

正答:2 キ エ ア カ


H27地:保育の心理学②子ども同士のいざこざ場面での保育士の対応

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問2 次の文は、子ども同士のいざこざ場面での保育士の対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 他児への関心が根底にあると捉え、それぞれの子どもの思いを相手につなぐようにする。
B 人と一緒に生活していくためのルールを、その場で説明し、謝らせる。
C 保育士に支えられて解決の体験を積み重ね、自分でいざこざを回避・対応できるようにする。
D 子どもの状態を受け止め支えることで、子ども自身が問題に向き合えるように、子どもの心理的基盤を整える。
3 ○ × ○ ○


H27地:保育の心理学③【事例】アタッチメントと安全基地

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問3 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
3歳児のKちゃんは4月の入園直後ははりきっていたが、1週間も経つと登園を渋るようになった。保育室で、担任のW先生の姿が見えなくなると(a)お気に入りのタオルを握りしめていた。常にW先生が見えるところにいないと安心して過ごすことができず、KちゃんにとってW先生の存在は、(b)不安や恐れに対する心のよりどころとなっていた。
5月の中頃になると、Kちゃんは(c)「せんせい、みててね」とW先生に声をかけて、先生から離れて遊べるようになった。W先生は、(d)Kちゃんとの信頼関係ができてきたと感じている。
【設問】
下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み
合わせを一つ選びなさい。
【語群】
ア アタッチメント(愛着)  イ 固執対象  ウ 移行対象   エ 安全基地
オ 避難場所       カ 共依存    キ 人の永続性  ク 内的作業モデル
(組み合わせ)
  a b c d
1 イ オ キ カ
2 イ ク エ ア
3 ウ オ エ ア
4 ウ オ キ カ
5 ウ ク キ カ
3


H27地:保育の心理学④エントレインメント

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問4 次の文は、子どもと保育者との関わりの特徴に関する記述である。このような特徴を表す用語として正しいものを一つ選びなさい。
保育者と子どもの間には、生まれて間もない時期から同調的な相互作用がみられる。保育者が語りかけると、子どもはそれに反応するように手足を動かしたり、声を出したりする。一方、保育者も子どもの動きや発声にタイミングよく応答する。お互い同調的に関わり合うことは、その後の保育者との関係の基盤となる。
1 同型性
2 ジョイント・アテンション
3 エントレインメント
4 協応動作
5 共鳴動作
3


H27地:保育の心理学⑤基本的生活習慣の形成

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問5 次の文は、基本的生活習慣の形成に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 着脱衣や食事は特に手指の運動機能の発達が影響し、排泄は特に身体・神経系の成熟が影響する。
B 歯を磨いたり顔を洗ったりすることを極端に嫌がる子どもの場合、感覚過敏があることも想定される。
C 基本的生活習慣の自立に向けて、保育者は子どもの自発性や意欲を大切にする。 
D 子どもが身近な人の行動を模倣して、生活習慣を身につけていくこともある。
1 ○ ○ ○ ○


H27地:保育の心理学⑥子どもの発達と環境(模倣と退行)

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問6 次の文は、子どもの発達と環境についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
転居や家族の病気など、人生の出来事によって環境が変化することを( A )という。弟や妹の誕生もその一つであり、子どもによっては抱っこを求めたり、哺乳瓶でミルクを飲みたがったり、おもらししたりすることがある。このように行動することを( B )という。これは発達の( C )と考えられてきたが、弟や妹への興味や関心から( D )により生じているという考えもある。
【語群】
ア 環境剝奪  イ 歪み    ウ 赤ちゃんがえり  エ 退行
オ 自己発揮  カ 環境移行  キ 模倣       ク 役割取得
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア ウ イ キ
2 ア ウ エ ク
3 ア オ エ キ
4 カ ウ エ キ
5 カ オ イ ク

4


H27地:保育の心理学⑦ギブソンのアフォーダンス理論

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問7 次の文は、環境の捉え方についての記述である。このような捉え方を提唱した人物として正しいものを一つ選びなさい。
環境が子どもに意味を提供していると考え、子どもが環境に関わることは、「子どもが環境に埋め込まれた意味を見出しながら行為すること」と捉えられる。例えば、保育において子どもが移動する場所を物理的に狭くしたり、低くしたりすることで、ゆっくりとした移動が引き出されることになる。こうした環境との相互作用のなかで、子どもは発達していくのである。
1 キャンポス(Campos, J.J.)
2 ギブソン(Gibson, J.J.)
3 トレヴァーセン(Trevarthen, C.)
4 パーテン(Parten, M.B.)
5 セルマン(Selman, R.L.)
2


H27地:保育の心理学⑧【事例】2歳児の遊び

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問8 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
2歳児クラスのSちゃんは、積み木のおもちゃで家を作っている。そこへ、いつも一緒に遊んでいるTちゃんがやってきて、積み木を手にし、Sちゃんが作っている家に積み木を加えようとする。Sちゃんが「Sは一人がいいの!」と言った。するとTちゃんは「Tはこっちでやるから!もう、いい!」と怒った。それを見てSちゃんは少し考え、「やっぱりいっしょにやろうか~?」と言い、一緒に遊び始めた。
【設問】
この【事例】におけるSちゃんの心情等として、適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 自分の考えを認識し、表現している。
B どのような状況でも自分の感情、行為をコントロールできている。
C 相手も自分と同じように主体性をもった存在であることに気づいていない。
D すでに仲間と遊ぶ楽しさを知っている。
3 ○ × × ○


H27地:保育の心理学⑨ワトソン、ゲゼル、レディネス

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問9 次の文は、子どもの発達についての考え方に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
( A )とは、ある学習を受け入れるための心身の準備性のことである。( B )では、( A )のできていない子どもに無用な学習をおしつけない保育が必要であるとされている。そのためには、現在の子どもの発達過程を正しく把握することが必要である。一方、( C )では、子どもはいわば白紙の状態で生まれてくるとみなすため、子どもにさまざまな学習をさせるような保育が必要であるとされている。
代表的な学者として、( B )では( D )、( C )では( E )があげられる。
【語群】
ア トレランス  イ ワトソン(Watson, J.B.)  ウ 環境説 
エ 相互作用説  オ 成熟説          カ 輻輳説  
キ レディネス  ク ゲゼル(Gesell, A.L.)
(組み合わせ)
  A B C D E
1 ア エ ウ イ ク
2 ア エ カ ク イ
3 キ エ カ イ ク
4 キ オ ウ イ ク
5 キ オ ウ ク イ
5


H27地:保育の心理学⑩エリクソン、成人期の特徴

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問 10 次のうち、成人期全般の特徴を示す用語として、適切なものを○、不適切なもの
を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
  
A 心理的離乳
B アイデンティティの再構成
C 心理・社会的モラトリアム
D ワーク・ライフ・バランス
3 × ○ × ○


H27地:保育の心理学⑪保育士の望ましい保育姿勢

平成27年度地域限定試験 保育の心理学
問 11 次の文は、保育士の望ましい保育姿勢に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  • 保育士は、子どもの( A )を重視し、自らの意志を持って能動的に関わるように配慮する。
  • 保育士は、各時期の発達過程の特徴、発達の( B )、発達の相互連関を理解することが大切である。
  • 保育士は、仲間関係をつなぎ、( C )を大切にして、集団での活動を豊かにする。
  • 保育士は、課題達成を確実にするために、発達支援の一つとして( D )こともある。

【語群】
ア 可塑性           イ 子ども相互の関係   ウ 順序性や方向性
エ 幼児性           オ 主体性        カ 親子関係
キ スモールステップに分ける  ク 包括的に相対化する
(組み合わせ)
  A B C D
1 エ ア カ キ
2 エ ウ イ キ
3 オ ア イ ク
4 オ ウ イ キ
5 オ ウ カ ク
4