保育の心理学一覧

R5後期:保育の心理学⑪

R5後期 保育の心理学 問 11 次のうち、高齢期に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. コンボイモデルによると、高齢者の社会生活における人間関係は、補充や修正を行うことができず減少していくとされている。 →×
  2. バルテス(Baltes, P.B.)によると、高齢期は決して何かを失うばかりではなく、喪失することでったものの重要さを実感し、状況へ適応することを模索しながら、新たなものを得ようとまた挑戦していく過程であるとされている。 →〇
  3. エリクソン(Erikson, E.H.)は、高齢期は人格を完成させることが発達課題であり、これまでの自分の人生に意義と価値を見出すことができることを「自我の統合」とした。 →〇
  4. キャッテル(Cattell, R.B.)らによると、知能には、結晶性知能と流動性知能があり、経験と強く関係する結晶性知能は生涯にわたって伸び続ける。

正当:4 × ○ ○ ○


R5後期:保育の心理学⑫

R5後期 保育の心理学 問 12 次の文は、子どもの生活環境を捉える考え方の特徴を示したものである。この考え方を提唱した人物として正しいものを一つ選びなさい。

  • 子どもが所属し、多様な経験をする場として家庭、保育所、地域などがあるとした。
  • きょうだいの誕生や就学など、人生の出来事が影響を及ぼすとした。
  • しつけとして重視する内容は各家庭で異なっても、文化として共通する面もあるとした。
  • 人間を取り巻く環境を入れ子構造として捉えた。

1 コールバーグ(Kohlberg, L.)
2 フェスティンガー(Festinger, L.)
3 ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.) →〇
4 バルテス(Baltes, P.B.)
5 ブルーナー(Bruner, J.S.)
正当:3


R5後期:保育の心理学⑬

R5後期 保育の心理学 問 13 次のうち、親になることに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 親になることによる変化は、母親だけに生じるわけではなく、父親でも子育てをすることで親としての自覚、人間としての成熟、ストレスを感じることがみられる。 →〇
  2. エリクソン(Erikson, E.H.)によれば、成人後期の「親密性 対 孤立」は、私的な親子関係を超えて、次の世代やより広い社会へと広がり、成熟していく。 →×
  3. 養護性(ナーチュランス)とは、対人関係能力の一つとして、人との関わりの中で獲得され、大人になっても、子どもとの関わりの中で親自身の発達としてさらに発展する。 →〇
  4. 養護性(ナーチュランス)とは、「相手の健全な発達を促進するために用いられる共感性と技能」として捉えられる。 →〇

正当:2 ○ × ○ ○


R5後期:保育の心理学⑭

R5後期 保育の心理学 問 14 次のうち、子どもの貧困に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 生存に必要な食料や衣服、衛生、住居など、人間としての最低限の生存条件を欠くような貧困を相対的貧困という。 →×
  2. 子どもの相対的貧困は、学習環境や、塾などの学校外での学習の機会を奪い、それらが複雑に絡みあって、学業達成に影響を及ぼす。 →〇
  3. 「2019 年国民生活基礎調査」によれば、子どものいるひとり親世帯の約半数が相対的貧困の状態にある。そのため子どもが進学を諦めて就職したり、親が多くの仕事をかけもちしたりしなければならない状況が考えられる。 →〇

正当:4 × ○ ○


R5後期:保育の心理学⑮

R5後期 保育の心理学 問 15 次のうち、中年期の危機に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 先端技術や情報化社会の急激な進展、終身雇用制や年功序列制の揺らぎ・崩壊など、職場環境の急激な変化は、職業人に、様々なストレスと職場不適応をもたらしている。 →〇
  2. 子育てが一段落する中年期に至って、これまで親密な関係性を育ててこなかった夫婦は、夫婦共通の目標を失う。長い結婚生活を経た中高年の離婚は「熟年離婚」といわれる。 →〇
  3. 親子関係においては、親は、子どもの自立にともなう親役割の喪失感、すなわち「心理的離乳」とよばれる不安定感が存在する。 →×
  4. 中年期の危機を契機として、これまでの生き方の見直しや、将来の生き方への模索をすることによって、自分の生活や働き方の修正が行われるプロセスは、「アイデンティティの拡散」と捉えられる。 →×

正当:1 ○ ○ × ×


R5後期:保育の心理学⑯

R5後期 保育の心理学 問 16 次のうち、低出生体重児に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 出生体重が 1,500 グラム未満の児を低出生体重児と呼び、その中でも、1,000 グラム未満の児を極低出生体重児、700 グラム未満の児を超低出生体重児と呼ぶ。 →×
  2. 出産後に母親の胸元で乳児と肌を触れ合わせるレスパイトケアは、子どもの発達、母子相互作用、愛着形成の促進などの効果が指摘されている。 →×
  3. 超低出生体重児は予定日よりも3~4か月も早く生まれ、医療ケアのため長期の入院を余儀なくされる。その間、母子分離の状態におかれるため、母子の愛着形成不全が生じる危険性がある。 →〇
  4. 低出生体重児の母親は、小さく産んだ自責の念や、罪悪感、子どもの状態や治療に不安や緊張などのネガティブな気持ちをもって子育てに向かうことがある。 →〇

正当:5 × × ○ ○


R5後期:保育の心理学⑰

R5後期 保育の心理学 問 17 次のうち、子どもの心の健康に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 選択性緘黙とは、DSM-5 によれば、他の状況で話しているにもかかわらず、話すことが期待されている特定の社会的状況(例:学校)において、話すことが一貫してできない症状をいう。 →〇
  2. 起立性調節障害は、起立に伴う循環動態の変化に対応できず、低血圧や頻脈を起こし、症状が強いと失神することがある。小学校入学前頃に発症し、1年以上持続する。 →×
  3. 自閉スペクトラム症については、心の理論説、実行機能説、中枢性統合説などによって説明されてきたが、どれか一つの理論のみで説明することは難しいとされている。 →〇
  4. 限局性学習症は、勉強ができない子ども一般をさすものであり、子どもの読み書きや計算における二つ以上の能力の低さを必ず併発するものである。 →×

正当:2 ○ × ○ ×


R5後期:保育の心理学⑱

R5後期 保育の心理学 問 18 次のうち、児童虐待に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 虐待が疑わしい段階では通告義務はないが、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに都道府県、市町村の福祉事務所や児童相談所に通告しなければならない。 →×
  2. 2019(令和元)年公布、2020(令和2)年施行の「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」の改正では、親権者による体罰の禁止、児童虐待の再発防止を目的とした医学的または心理学的知見に基づく保護者の指導などを定めた。 →〇
  3. 「令和2年度福祉行政報告例」によると、児童虐待相談における主な虐待者は「実母」が最も多く、次いで「実父」が多い。 →〇
  4. 不適切な養育を表すマルトリートメントは、過保護や過干渉、年齢不相応な厳しい教育など、子どもの健全な成長を阻害するような養育態度や環境を広く含むものである。 →〇

正当:4 × ○ ○ ○


R5後期:保育の心理学⑲

R5後期 保育の心理学 問 19 次の文は、保育場面でみられる幼児の行動についての記述である。A~Dの行動の基盤となる社会的発達に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 泣いている他児に近づき、その子の頭をなでながら自分のハンカチを差し出す。 →〇ア 向社会的行動
  2. 10 か月児が、はじめての場所でどのように行動してよいかわからないので保育士の表情を見る。 →〇オ 社会的参照
  3. お店屋さんごっこで、それぞれがレジ係と客になり、やりとりをしている。 →〇ウ 役割取得
  4. グループ対抗の大縄跳び競争に勝とうと、グループでの練習に欠かさず参加している。 →〇ク 帰属意識

【語群】
ア 向社会的行動  イ 道徳判断  ウ 役割取得  エ 安全基地
オ 社会的参照   カ 模倣    キ 対人葛藤  ク 帰属意識
(組み合わせ)
A B C D
1 ア エ ウ キ
2 ア オ ウ ク →〇
3 イ エ ウ ク
4 イ エ カ キ
5 イ オ カ ク
正当:2


R5後期:保育の心理学⑳

R5後期 保育の心理学 問 20 次のうち、「保育所保育指針解説」(厚生労働省)における就学に向けた移行期に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 就学時期の子どもの心理的不安を軽減させる目的で、長時間の着席や文字や数を習得するなど小学校教育の先取りをすることは有効である。 →×
  2. 卒園を迎える年度の子どもが、小学校の活動に参加するなどの交流活動を行うことは、就学に向けて自信や期待を高め、極端な不安を感じないようにする効果がある。 →〇
  3. 保育所児童保育要録は、小学校における基礎学力の資料として、一人一人の子どもが育ってきた過程を振り返り、指導の経過をまとめたものである。 →×

正当:3 × ○ ×


R5前期:保育の心理学①

R5前期 保育の心理学 問1 次のうち、発達についての考え方に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ゲゼル(Gesell, A.L.)は、一卵性双生児の階段登りの実験の結果から、発達は基本的に神経系の成熟によって規定されるとした。 →〇
  2. ワトソン(Watson, J.B.)は、成育初期に与えられたある種の経験が、後年の生理的・心理的な発達に消しがたい行動を形成させる期間として、臨界期の存在を明らかにした。 →×
  3. 学習の成立にとって必要な個体の発達的素地、心身の準備性のことをレジリエンスという。 →×
  4. 発達段階とは、ある時期の心身の機能や構造が前後と異なるというような量的な変化を想定して区切ったものである。 →×

正答:3 ○ × × ×


R5前期:保育の心理学②

R5前期 保育の心理学 問2 次のうち、子どもの発達と環境に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. シュテルン(Stern, W.)は、発達における社会的・文化的環境の影響を重視しており、発達は環境のもつ社会、文化、歴史的な側面が個人との相互作用によって個人の中に取り入れられる過程であるとした。 →×
  2. ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)は、子どもを取り巻く社会的環境のうち、父親と母親との関係(夫婦関係)や親と学校の先生との関係など、相互の影響関係をエクソシステムとした。 →×
  3. ジェンセン(Jensen, A.R.)は、個々の特性が表れるのに必要な環境的要因には、特性ごとに固有な最低限度(閾値)があるとした。 →〇
  4. ギブソン(Gibson, J.J.)は、環境の意味や価値は、人間の心の動きによって与えられるのではなく、環境が人間に提供するものであるとした。 →〇

正答:5 × × ○ ○


R5前期:保育の心理学③

R5前期 保育の心理学 問3 次のA~Cの記述について、子どもの姿に関連する用語の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. タオルを掴むことに慣れた子どもが、ボールを上手く掴めず、何度か働きかけるうちに手を大きく開いて掴むようになる。 →〇調節
  2. お店屋さんごっこという共通の目的に向かって、お客さんと店員に分かれてそれぞれの役割を果たしながら一緒に遊ぶ。 →〇協同遊び
  3. 保育者が「りんご」「みかん」「いちご」が描かれた絵本のページを見せながら、「りんごはどれ?」と聞いた時に、子どもがりんごの絵を指さす。 →〇応答の指さし

(組み合わせ)
AB C
1 調節 協同遊び 応答の指さし →〇
2 同化 連合遊び 叙述の指さし
3 調節 協同遊び 叙述の指さし
4 同化 協同遊び 応答の指さし
5 調節 連合遊び 応答の指さし
正答:1


R5前期:保育の心理学④

R5前期 保育の心理学 問4 次のうち、エリクソン(Erikson, E.H.)の心理・社会的発達段階説に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. それぞれの発達段階の時期の中心的な発達課題は、漸成(ぜんせい)的で決まった順序がないと考えた。 →×
  2. どの発達段階でも、肯定的な経験をすることが理想なのではなく、否定的な経験を上回って肯定的な経験をすることが発達課題の克服となると考えた。 →〇
  3. フロイト(Freud, S.)の精神・性的発達段階に、身体的な側面を加え、人生を8つの階層でとらえた。 →×
  4. 乳児期の心理社会的危機は「自律 対 恥・疑念」であると考えた。 →×

正答:4 × ○ × ×


R5前期:保育の心理学⑤

R5前期 保育の心理学 問5 次のうち、乳幼児における言語の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 2か月頃から、機嫌のよい時に、喉の奥からやわらかい発声をすることをクーイングという。 →〇
  2. 6か月以降の乳児期後半に、「バババ」「マママ」のような子音と母音の連続である規準喃語を発するようになる。 →〇
  3. 1歳頃になると、初めて意味のある言葉を発するようになるが、これをジャーゴンという。 →×
  4. 1歳半頃には、ものの名前を尋ねるようになるが、これを第二質問期という。 →×

正答:1 ○ ○ × ×


R5前期:保育の心理学⑥

R5前期 保育の心理学 問6 次のうち、心の理論に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 心の理論とは、他者の行動からその背後にある心的状態を推測し、その次の行動を予測するための理論である。 →〇
  2. 誤信念課題は、他者が現実とは異なり誤った信念を有していることが理解できるかについて調べる課題である。 →〇
  3. 誤信念課題の正答の経緯をみると、3歳頃までは正答できず、4、5歳頃に正答できるようになる。 →〇
  4. 心の理論とは、他者の心がわかる行動心理学を利用した読心術のようなことを意味している。 →×

正答:2 ○ ○ ○ ×


R5前期:保育の心理学⑦

R5前期 保育の心理学 問7 次のうち、学習のメカニズムに関する【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 学習の目標となる反応を増大させるための条件づけの手続きである。 →〇オ 強化
  2. 生得的な反射を基礎にする刺激と反応の新たな連合の習得である。 →〇ア 古典的条件づけ
  3. ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、一定の方向に導くプロセスである。 →〇イ 動機づけ
  4. 課題をスモール・ステップに分割し、学習者が自分のペースで自発的に学習する方法である。 →〇ウ プログラム学習

【Ⅱ群】
エ 道具的条件づけ
カ 発見学習
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア エ イ ウ
2 ア エ ウ カ
3 オ ア イ ウ →〇
4 オ ア イ カ
5 オ ア ウ カ
正答:3


R5前期:保育の心理学⑧

R5前期 保育の心理学 問8 次のA~Dの学習に関する記述について、関連する用語の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 他者の行動とその結果を観察するだけで学習は成立する。 →〇
  2. 問題を取り巻く状況全体を把握して構造を理解し、見通しをもつことにより問題を解決する。 →〇
  3. ある学習をしたことがその後の別の学習に影響する。 →〇
  4. 大人の子どもに対する期待が子どもの学習に影響を与える。 →〇

(組み合わせ)
A BC D
1 モデリング 試行錯誤 学習曲線 ハロー効果
2 モニタリング 試行錯誤 学習曲線 ハロー効果
3 モニタリング 洞察 学習曲線 ピグマリオン効果
4 モデリング 洞察 学習の転移 ハロー効果
5 モデリング 洞察 学習の転移 ピグマリオン効果 →〇
正答:5


R5前期:保育の心理学⑨

R5前期 保育の心理学 問9 次の文は、幼児期から学童期に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
子どもたちが最初に出会う移行は、家庭生活から幼児期の集団参加が始まる時期である。子どもが経験する2つ目の移行は、幼児期から学童期への移行であり、日本では小学校の入学が大きな節目となる。認知発達において、6~7歳前後にピアジェ(Piaget, J.)のいう( A  イ 前操作期)から次の発達段階に移行する。この時期には、自己中心性をぬけだし( B  キ 脱中心化)が可能となり、子どもは具体物の助けを借りながら論理的に一貫性を持った思考ができるようになり、( C  エ 保存の概念)が成立する。
言語でも語彙や発音、文法の基本的言語システムを獲得し、話し言葉は一通りの完成をみる。小学校の入学頃までに、長音や拗音などの特殊音節の( D  カ 音韻の分解)が可能となり、書き言葉の基盤ができあがる。この時期には、仲間関係にも発展がみられ、大人が介在しないで、子ども同士で遊んだり活動したりできるようになる。
【語群】
ア 具体的操作期  イ 前操作期      ウ 帰納的推理  エ 保存の概念
オ 構音や調音   カ 音韻の分解や抽出  キ 脱中心化   ク 互恵的視点
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア キ ウ オ
2 ア ク エ オ
3 イ キ ウ カ
4 イ キ エ カ →〇
5 イ ク ウ オ
正答:4


R5前期:保育の心理学⑩

R5前期 保育の心理学 問 10 次のうち、学童期以降における学校の適応に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. いじめは、学年が上がるにしたがって、相手を無視する、相手を孤立させるよう周囲に働きかけるなど、直接相手に身体的危害を加えるわけではない関係性攻撃がみられるようになる。 →〇
  2. いじめを関係性の病理と位置づけると、いじめは、被害者と加害者という単純な構図ではなく、いじめをはやしたてる観衆、いじめの状況を知っていても黙って何も行動を起こさない傍観者を加えて、四層構造のダイナミクスとみなされる。 →〇
  3. 文部科学省は、不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあたるために年間 90 日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義している。 →×
  4. 不登校の背景には、学校での対人関係、家庭での虐待、貧困の問題、発達障害傾向などが根底にある可能性も指摘されている。 →〇

正答:3 ○ ○ × ○


R5前期:保育の心理学⑪

R5前期 保育の心理学 問 11 次の文は、高齢期に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
高齢になると生理的予備能力が低下し、ストレスに対する脆弱性が亢進して( A  不健康)を引き起こしやすくなり、この状態をフレイルという。フレイルは病気を意味するのではなく、老化の過程で生じる「( B  自立機能)や健康を失いやすい状態」で、①体重減少、②筋力低下、③疲労感、④歩行速度の低下、⑤身体活動の低下のうち、3つ以上が該当する場合をいう。その予防が( C  健康寿命)の延伸にかかわるという。健康、生存、生活満足感の3つが結合した状態を( D  サクセスフル・エイジング)という。
(組み合わせ)
ABC D
1 欲求不満 社会機能 健康寿命 アイデンティティ・ステイタス
2 欲求不満 自立機能 平均寿命 サクセスフル・エイジング
3 欲求不満 社会機能 健康寿命 サクセスフル・エイジング
4 不健康 社会機能 平均寿命 アイデンティティ・ステイタス
5 不健康 自立機能 健康寿命 サクセスフル・エイジング →〇
正答:5


R5前期:保育の心理学⑫

R5前期 保育の心理学 問 12 次のうち、「令和3年版男女共同参画白書」(内閣府)における男性の育児に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間は、「共働き世帯の夫」、「夫有業・妻無業世帯の夫」のいずれも、2006(平成 18)年以降は増加傾向にある。 →〇
  2. 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間は、2016(平成 28)年には「共働き世帯の夫」、「夫有業・妻無業世帯の夫」のいずれも過去最高となり、妻と同水準となっている。 →×
  3. 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方(性別役割分担意識)は、2019(令和元)年の調査では、男女ともに反対する者の割合が賛成する者の割合を下回っている。 →×
  4. 2019(令和元)年における男性の育児休業取得率は、民間企業、国家公務員、地方公務員で、近年上昇しているものの、依然として低水準にある。 →〇

正答:3 ○ × × ○


R5前期:保育の心理学⑬

R5前期 保育の心理学 問 13 次のうち、ひとり親世帯に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。ただし、ここでいう「子ども」とは、20 歳未満で未婚の者とする。

  1. 「結婚と家族をめぐる基礎データ」(令和4年3月 内閣府男女共同参画局)によると、「子どものいる離婚件数」は、「子どものいない離婚件数」よりも少ない。 →×
  2. 「ひとり親家庭の現状と支援施策について」(令和2年 11 月 厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)によると、近年ひとり親世帯は増加傾向にあり、ひとり親世帯になった理由は、母子世帯、父子世帯ともに「離婚」が最も多い。 →〇
  3. 「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、父子世帯は、母子世帯に比べると、年収が高いものの、子どものいる全世帯の年間収入よりは低い。
  4. 「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、ひとり親世帯の子どもについての悩みは、母子世帯、父子世帯ともに、「しつけ」が最も多く、次いで「教育・進学」となっている。 →×

正答:4 × ○ ○ ×


R5前期:保育の心理学⑭

R5前期 保育の心理学 問 14 次のうち、育児不安を感じる保護者に対する理解と支援に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

  1. マタニティ・ブルーズの時期を過ぎても、不安、自信の低下、いらだちを訴える母親は少なくないが、産後の生理的現象が長引いているだけで、母親を取り巻く周囲の環境との関係は考慮しなくてもよい。 →×
  2. 育児不安の内容にかかわらず、保育所の機能や専門性を生かし、保育所の保護者支援はその保育所のみで対応する。 →×
  3. 育児不安を持つことが不適切な子育てというわけではなく、抱える育児不安の深刻度や緊急度、あるいはどのような経過や背景があるかに焦点をあてて考えるようにする。 →〇
  4. 保護者の育児態度が子どもへ影響するだけではなく、子どもの気質によって保護者も影響を受けるという相互作用で親子関係は成り立っていく。 →〇

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D →〇
正答:5


R5前期:保育の心理学⑮

R5前期 保育の心理学 問 15 次のうち、保育所における、外国籍家庭や外国にルーツをもつ家庭の状況への理解と支援に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 外国人の親は、言語が異なることでコミュニケーションが上手く取れない場合、孤立し、孤独感をもつことがあるため、送迎時などに丁寧に関わり、問題を把握する必要がある。 →〇
  2. 外国人であることや外見の違いから子どもがいじめられるのではないか、複数の文化的背景を持つ中で子どもはどのような性格になっていくか、子どもの文化的アイデンティティはどうなるか不安を抱く親もいる。 →〇
  3. 日本の文化や習慣に子どもや保護者が早く慣れるよう、特別な個別の支援を行う必要はない。 →×
  4. 必要に応じて、園だよりや連絡帳の文章の漢字に読み仮名をつけたり、日常でも平易な単語や短い文章で表現するように工夫を行う。 →〇

正答:2 ○ ○ × ○


R5前期:保育の心理学⑯

R5前期 保育の心理学 問 16 次のうち、日本の家族・家庭に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「2019 年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、1世帯あたりの平均構成人数は減少傾向にあり、三世代世帯は減少し、単独世帯は増加している。 →〇
  2. 「2019 年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、近年は核家族世帯のうち、「夫婦と未婚の子のみの世帯」は減少している。 →〇
  3. 家族の定義は、情緒面での満足といった安らぎや癒しを求めるものから、血縁や婚姻などによるつながりを重視するものへと変化してきた。 →×
  4. 日本の高齢者の社会的ネットワークの特徴は、家族、親族、子どもが中心的な位置を占めているが、今後は家族・親族関係だけに頼らない、関係性を相対化できる社会的な広がりを持つことが必要である。 →〇

正答:1 ○ ○ × ○


R5前期:保育の心理学⑰

R5前期 保育の心理学 問 17 次のうち、児童虐待に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 発達障害は、虐待を受ける危険因子の一つである。 →〇
  2. 被虐待体験は、社会・情緒的問題を生むが、脳に器質的・機能的な影響を与えない。 →×
  3. 被虐待体験は、心的外傷とはなり得ない。 →×
  4. 児童虐待の通告義務は、守秘義務より優先される。 →〇

正答:2 ○ × × ○


R5前期:保育の心理学⑱

R5前期 保育の心理学 問 18 次のうち、災害後における子どもの反応に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの心の問題は、災害直後よりも、ある程度時間が経過し、日常生活が軌道にのり始めた頃に顕在化し始めることが多い。 →〇
  2. 幼児期・学童期の子どもでは、退行、分離不安、不安定な感情表出、身体症状など様々な形で表現される。例えば「災害ごっこ」を繰り返すなど、遊びで被災体験を表出することがある。 →〇
  3. 学童期以降の子どもでは、基本的な信頼感の喪失や周囲からの疎外感、日常生活の変化などが要因となって孤立を深めたり、逆に安心感を過度に求めて特定の友人関係に固執したりすることがある。 →〇
  4. 思春期の子どもでは、抽象的概念の理解が進み、生き残った罪悪感や、何もできなかった無力感、後悔など複雑な感情を抱くことがある。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ ○


R5前期:保育の心理学⑲

R5前期 保育の心理学 問 19 次の文は、保育の中でみられる子どもの姿についての記述である。A~Dを説明する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. まだ文字を読めない子どもが、お気に入りの絵本を見ながらまるで文字が読めるかのようにふるまう。 →〇ウ プレリテラシー
  2. 子どもに「お散歩に行こう」と声をかけると、帽子を取りに行き、靴を履こうとする。 →〇ク スクリプト
  3. 自分が遊んでいる遊具に他児が近づいてくると、「今、私が遊んでいるからだめ」と言う。 →〇オ 自己主張
  4. 3歳児が砂を入れた容器を差し出して「アイスクリーム食べて」と言った時に、保育士が「冷凍庫に入れてあとで食べるよ」と応じると、急に真顔になり、「本当は食べちゃダメなんだよ」とわざわざ言う。 →〇エ メタコミュニケーション

【語群】
ア ナラティブ  イ いやいや期  ウ プレリテラシー  エ メタコミュニケーション
オ 自己主張   カ リテラシー  キ 二次的ことば   ク スクリプト
(組み合わせ)
  A B C D
1 ウ ア イ キ
2 ウ ク オ エ →〇
3 ウ ク オ キ
4 カ ア イ エ
5 カ ク オ キ
正答:2


R5前期:保育の心理学⑳

R5前期 保育の心理学 問 20 次のうち、アタッチメント(愛着)についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ボウルビィ(Bowlby, J.)によれば、アタッチメント(愛着)の発達には4つの段階があり、分離不安や人見知りがみられるのは最終段階である。 →×
  2. 子どもが周囲のものや人に自ら関わろうとして上手くいかない時、愛着関係のある保育士の存在は、子どもにとっての安全基地となる。 →〇
  3. エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)はアタッチメント(愛着)の個人差を調べるために、ストレンジ・シチュエーション法を考案した。 →〇
  4. 表象能力の発達によって、愛着対象に物理的に近接しなくても、そのイメージを心の拠り所として利用できるようになり、安心感を得られるようになる。 →〇

正答:4 × ○ ○ ○