保育の心理学一覧

R1後:保育の心理学①

令和元年度 後期試験 保育の心理学問1
次のA~Eのうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」エ「言葉」の一部として、正しい記述を○、誤った記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 親しみをもって日常の挨拶に応じる。 →〇
  2. 生活の中で必要な言葉が分かり、使う。 →×
  3. いろいろな体験を通じてイメージや言葉を豊かにする。 →×
  4. 絵本や紙芝居を楽しみ、簡単な言葉を繰り返したり、模倣をしたりして遊ぶ。 →〇
  5. 保育士等や友達の言葉や話に興味や関心をもって、聞いたり、話したりする。 →〇

正答:3○××○○


R1後:保育の心理学②

令和元年度 後期試験 保育の心理学問2
次の文において、ピアジェ(Piaget,J.)理論とその後の展開として(A)~(D)の用語が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェの理論に基づく(A社会的構成主義 →×)では、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視する。主に物理的環境との相互作用を中心とする子ども個人の知的構成の理論である。発達の主体はあくまでも子ども自身である。子どもの内的な枠組みである(Bシェマ →〇)と環境が与える情報とのズレを解消することで認知発達が促される。これを(C同化 →×)と呼ぶ。ある発達段階に到達した子どもは、物理的事象でも社会的事象でも、共通した思考が適応できるとされ、領域一般性と名付けられた。しかしその後、領域によって発達の様相が異なることが多くの研究から明らかになってきた。これは(D領域特殊性 →×)と呼ばれる。
正答:4×○××


R1後:保育の心理学③

令和元年度 後期試験 保育の心理学問3
次の文は、ヒトの出生時の特徴についての記述である。(A)~(E)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

哺乳類は、生まれた時は未熟で自分の力で動きまわることのできない(A オ 就巣性)のものと、生まれた時からすでに成熟していて自力で移動することのできる(B ウ 離巣性)の二つに分類することもできる。ヒトの場合は、胎児期から音声に反応して母親の声を聞き分けるなど、感覚や知覚の能力を有するが、運動能力が未発達な状態で生まれてくることから、(C カ ポルトマン(Portmann,A.))はこれを二次的(A)と呼び、(D エ 生理的早産)という考え方で説明した。つまり、人間は大脳の発達が著しいため、十分な成熟を待って出産することは体の大きさの問題から難しく、約(E サ 1年)早く未熟な状態で生まれるといわれている。

【語群】
ア ローレンツ(Lorenz,K.)  イ 2年  ウ 離巣性  エ 生理的早産  オ 就巣性  カ ポルトマン(Portmann,A.)  キ 放巣性  ク ハーロウ(Harlow,H.F.)  ケ 帰巣性  コ 身体的早産  サ 1年
正答:2オウカエサ


R1後:保育の心理学④

令和元年度 後期試験 保育の心理学問4
次の記述に該当する理論として正しいものを一つ選びなさい。

ギブソン(Gibson,J.J.)が提唱した知覚理論であるが、より発展的に生態学的な立場から知覚の機能を論じている。それによれば、人は環境内にある情報を知覚し、それによって行動を調整していると考えている。例えば、いつも入り口が開いている部屋で保育をしていると、室外に出て行く子どもがみられるが、入り口を閉めておくと、室外へ出ていくことが少なくなる。このような子どもの行動は、環境によって適応的なものとなっている。

  1. アニミズム論
  2. 生態学的システム論
  3. 自己実現論
  4. アフォーダンス論  →〇
  5. 発生的認識論

正答:4


R1後:保育の心理学⑤

令和元年度 後期試験 保育の心理学問5
次の文は、生活や遊びを通した学びに関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 相手の行動を観察し、その人の意図、期待、信念、願望などを理解するようになると、相手の行動を説明したり、予測したりするようになる。 →イ 心の理論
  2. 文化的に規定され、ステレオタイプ化された知識で、日常的なできごとを理解したり解釈したりできるようになる。 →エ スクリプト
  3. 内発的動機づけを構成する要素で、自分の知らないことに興味をもったり、興味をもったものを深く探究したりしようとする。 →カ 知的好奇心
  4. ある行動をすると、特定の環境変化が引き続いて生じることに気付いて、その行動を繰り返し行うようになる。 →ク オペラント学習

【Ⅱ群】
ア 帰属理論
イ 心の理論
ウ モニタリング
エ スクリプト
オ 知的リアリズム
カ 知的好奇心
キ 観察学習
ク オペラント学習
正答:5イエカク


R1後:保育の心理学⑥

令和元年度 後期試験 保育の心理学問6
次の乳児期の発達に関する記述のうち、下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 新生児が、大人の話しかけに同期して自分の体を動かすクーイングと呼ばれる現象が報告されている。 →×
  2. 新生児が数人いる部屋で、一人が泣きだすと、他の新生児も泣きだすことがよくみられる。この現象は社会的参照と呼ばれる。 →×
  3. 乳児の身体に比して大きな頭、丸みをもった体つき、顔の中央よりやや下に位置する大きな目、といった身体的特徴は幼児図式と呼ばれ、養育行動を引き出す効果があると考えられている。 →〇
  4. 乳児は特定の人との間にアタッチメント(愛着)を形成し、不安や恐れの感情が生じるとその人にしがみつく、あるいはくっついていようとする。 →〇

正答:4××○○



R1後:保育の心理学⑧

令和元年度 後期試験 保育の心理学問8
次のA~Dのうち、幼児期の他児との関わりに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 1歳児クラスでは、他児が物を使い始めると、それを見て自分も使いたくなり、物のやりとりや取り合いが生じる。 →〇
  2. 幼児期を通して、物をめぐるいざこざは日常的に生じるが、その対応や解決の方略は年齢によって変容していく。 →〇
  3. 幼児期を通して、他児たちが遊んでいる場面で、仲間に入れてもらうためには、「入れて」と言えることが必須である。 →×
  4. 5歳になると、遊びの目的を共有し、自分たちで工夫してルールのある遊びを楽しむ姿、より面白くなるようにルールを作り替える姿がみられるようになる。 →〇

正答:2○○×○


R1後:保育の心理学⑨

令和元年度 後期試験 保育の心理学問9
次の文において、集団への関わりとして(A)~(D)の語句が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
レイヴとウェンガー(Lave,J.&Wenger,E.)は、(A師弟制度 →×)のように参加を通して学ぶことを(B「伝統的参加学習」 →×)と呼び、そのプロセスに多くの学びが発生する可能性があることを指摘した。この論を踏まえて、幼児の集団への関わりについて解釈を試みると、保育所に途中入所してきた幼児は、その園では(C新参者 →〇)であるが、活動や場にその子なりに参加する。少し離れたところから同じクラスの幼児たちの遊び方を観察したり、共同的行為のなかで自分にもできる(D役割 →〇)を担ったりする中で、次第に園での過ごし方、生活や遊びの理解、そこでの人間関係など、多くのことを学んでいく。
正答:4××○○


R1後:保育の心理学⑩

令和元年度 後期試験 保育の心理学問10
次のA~Dのうち、保育における発達援助に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 小学校との連携では、遊びを主導的活動として展開する幼児期の生活と、学習を主導的活動として展開する児童期の教育とを、双方で内容的・方法的に工夫することによって接続を図る。 →〇
  2. 保育所の生活の中で協同遊びの経験を積み重ねておくことは、小学校における協同的な学びにつながっていくものである。 →〇
  3. 保育所保育を小学校教育への準備段階として捉えるのではなく、幼児期の教育と小学校の教育を相互に理解し、生かしあう視点をもつことが大切である。 →〇
  4. 一人一人の子どもに「どのような」支援や配慮が必要となるかについて、保育所で今までに蓄積された情報を保育所幼児保育要録として小学校に送付することが「保育所保育指針」に記されている。 →×

正答:1○○○×


R1後:保育の心理学⑪

令和元年度 後期試験 保育の心理学問11
次のA~Dのうち、成人期・高齢期の特徴に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 成人期では、子どもの巣立ちや老親介護などを通して心理的変化に直面しやすく、時として人生の転機となり、アイデンティティの再構築がみられることがある。 →〇
  2. 知能には、加齢の影響を受けやすいものと受けにくいものがあり、結晶性知能は成人期以降減衰するが流動性知能は高齢期でも低下しにくい。 →×
  3. 身体機能は、加齢に伴い程度の差はあるものの少しずつ低下する。聴覚では母音、低音域の音、ゆっくりしたテンポでの聞き取りづらさを感じる人が多くなる。 →×
  4. 高齢期には、加齢による変化に対処しながら自分の特徴を最大限に活かすなど、幸福に年齢を重ねることをサクセスフル・エイジングと呼ぶ。 →〇

正答:○××○


R1後:保育の心理学⑫

令和元年度 後期試験 保育の心理学問12
次の1~5のうち、子どもの遊びと運動に関する記述として不適切なものを一つ選びなさい。

  1. 運動能力には、筋力や持久力などの運動体力と、視聴覚や筋運動感覚などの知覚を手がかりに運動をコントロールする能力がある。この運動コントロール能力が急激に発達するのは幼児期から児童期である。
  2. 幼児期は、走る、跳ぶ、登る、くぐるなど多様な動きをする遊びよりも、特定の動きを繰り返す運動の方が身体の発達に効果がある。 →×
  3. 近年、地域や家庭において、戸外での遊びの面白さに気づかないまま、室内の遊びに偏りがちな子どもも少なくない。
  4. 保護者に運動習慣がある家庭の幼児は、そうでない家庭の幼児よりも戸外遊びを多く行っているという報告がみられる。
  5. 運動が得意な幼児は、普段一緒に遊ぶ仲間の数が多く、仲間関係が良好で、協調性が高いなど社会性が発達していることが多い。

正答:2


R1後:保育の心理学⑬

令和元年度 後期試験 保育の心理学問13
次の文は、感情と自己に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • 子どもは遊びの中で、思うように自分を表現したり、自分の力でやり遂げたりできることに自信を持ち、(A →イ 自己肯定感)を感じるようになる。
  • 幼児は、ごっこ遊びを通してお母さんやヒーローのように、自分にはできないことができる人にあこがれ、(B →ク 同一視)し、自分の中に取り込む。
  • 自分も使いたかった一つしかないおもちゃを貸してあげるといった(C →ウ 向社会的行動)が起こるためには、仲間の考えや感情を理解し、相手と同じ感情を自分も共有することができることを必要とする。
  • 自分の世界を持ち始めると、自分がしていることやしたことを「見て、見て」と他者に訴えるようになる。他者の視線を自分に集めて(D →エ 自己顕示)し、自己を拡張していく。

【語群】
ア 自己高揚
イ 自己肯定感
ウ 向社会的行動
エ 自己顕示
オ 他律的行動
カ 自己制御感
キ 社会化
ク 同一視
(組み合わせ)
正答:2イクウエ


R1後:保育の心理学⑭

令和元年度 後期試験 保育の心理学問14
次の文は、自己に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群

  1. 幼児に気付かれないように鼻の頭に口紅をつけておく。その後その子どもに鏡を見せた時、子どもが鏡の像ではなく、自分の鼻を触るかどうかを基準として判断する。 →イ 自己認知
  2. 乳児が自分の手や足の指をしゃぶったり触ったりして得られる感覚は、物をしゃぶったり触ったりした時に生じる感覚とは異なることに気付く。 →ウ 身体的自己
  3. 青年は「自分は他者と違って自分である」という感覚と、「自分はいかに自分になってきたか」という感覚を、問い直す。 →カ アイデンティティ
  4. 「そうなりたい自分」と「そうである自分」とのズレや不一致の程度によって、その人の適応をあらわしているとされる。 →キ 現実自己・理想自己

【Ⅱ群】
ア 自己実現
イ 自己認知
ウ 身体的自己
エ 自己開示
オ モラトリアム
カ アイデンティティ
キ 現実自己・理想自己
ク 私的自己・公的自己
正答:4イウカキ


R1後:保育の心理学⑮

令和元年度 後期試験 保育の心理学問15
次の【事例】を読んで、以下の【設問】に答えなさい。
【事例】
砂場で、一度に4個ずつケーキが作れる容器を使って遊んでいたG君(3歳、男児)。砂を容器に入れて、ベンチの上に引っくり返しては、ケーキの形ができることを繰り返し楽しんでいた。保育士が「そろそろ給食だから、お片付けだよ。」と声をかけると、G君は「やだ、もっと作る。」と言った。そこで保育士は、「ケーキ、あと何個作ったらおしまいにできるかな。」と尋ねると、「あと、50個。」と応えるG君。「じゃあ、急いで50個作ろう。」と保育士が言うと、急いで何度も繰り返した。そして、ケーキを保育士が食べる真似をして、「ごちそうさまでしたぁ。」と言って、ベンチの上の砂を落とした。再び、ケーキを作るG君。同様のやりとりを数回繰り返した後、G君は自ら使っていたケーキの容器をカゴにポンと戻した。
【設問】
次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. G君は、片付けに取り組む前に、自分の遊びの世界を受け止めてもらっていた。 →〇
  2. 保育士は、子どもの気持ちに寄り添いながら、子どもが納得して片付けに取り組むよう援助した。 →〇
  3. G君は、やりたいことを十分に実現して、主体的に片付けるという経験をした。 →〇
  4. 保育士は、子どもが遊び続けることよりも、片付けを優先させていた。 →×

正答:1○○○×


R1後:保育の心理学⑯

令和元年度 後期試験 保育の心理学問16
次の【図】は、「家族と地域における子育てに関する意識調査」(平成25年内閣府)の質問項目「地域で子育てを支えるために重要なこと」に対する一般成人(20~79歳)の回答を示したものである。以下の【設問】に答えなさい。
【図】
地域で子育てを支えるために重要なこと(複数回答)

【設問】
次の(A)~(E)のうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
地域で子育てを支えるために重要なこととしては、(A「子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする人がいること」 →〇)が全体として6割以上で最も多くあげられ、次いで(B「子育てに関する悩みについて気軽に相談できる人や場があること」 →〇)となっている。男女別にみると、女性が男性より多くあげているのは、差の大きい順に「子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする人がいること」や(C「不意の外出や親の帰りが遅くなった時などに子どもを預かる人や場があること」 →〇)等である。また、男性が女性より多くあげているのは、差の大きい順に(D「子どもと一緒に遊ぶ人や場があること」 →×)(E「子どもにスポーツや勉強を教える人や場があること」」 →×)等である。
正答:2○○○××


R1後:保育の心理学⑰

令和元年度 後期試験 保育の心理学問17
次の文は、親のうつ病についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 出産の可能性がある年齢の女性において、うつ病の発症率は2%以下である。 →×
  2. 親がうつ病の子どもは、そうでない子どもに比べて、気分障害やその他の精神的な問題や機能障害が少なくとも3倍以上生じやすくなる。 →〇
  3. 低出生体重児の出生や、NICU入室などによる長期の母子分離は、産後うつ病の危険因子ではない。 →×
  4. 父親のうつ病が、子どもの社会・情緒的発達に影響を与えるとの証拠や研究はない。 →×

正答:4×○××


R1後:保育の心理学⑱

令和元年度 後期試験 保育の心理学問18
次の文は、夫婦間葛藤と離婚についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 夫婦間葛藤は、さまざまな領域に及ぶ子どもたちの情緒行動の問題と関連している。 →〇
  2. 親が離婚した子どもは、していない子どもに比べて、行動の問題、学業不振、仲間関係の問題などを含むさまざまな否定的影響を経験するが、それらが成人まで持続することはまれである。 →×
  3. 夫婦間葛藤が激しい場合、離婚しても子どもの情緒的安定はあまり変化しないか、穏やかな改善がみられることが多い。 →〇
  4. 母親との別居後に父親(反社会的でない父親)が、子どもにより多く関わると、子どもの社会・情緒的発達にネガティブな影響が生じる。 →×

正答:3○×○×


R1後:保育の心理学⑲

令和元年度 後期試験 保育の心理学問19
次のA~Dのうち、児童への心理的虐待に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 児童が大切にしているものを、親が傷つけたり捨てたりするとおどす。 →〇
  2. 児童の前で父親が母親に暴力をふるう。 →〇
  3. 児童に自分自身を傷つけるよう強要する。 →〇
  4. 児童に他者の性的満足をもたらす行為に関わるよう強要する。 →×

正答:1○○○×


R1後:保育の心理学⑳

令和元年度 後期試験 保育の心理学問20
次のA~Dのうち、心理・社会的逆境(貧困、両親間の葛藤、親との死別、戦争など)についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 収入のレベル及び社会の富裕層と貧困層の相違の程度は、いずれも精神的身体的健康と関係していると考えられている。 →〇
  2. 持続的に食料確保が不安定な子どもは、そうでない子どもと比べて、問題行動、衝動性など反社会的行動をとる可能性が約2倍になると言われている。 →〇
  3. 貧困は、親の養育の質を低めることを介して、子どもの心理・社会的発達に影響を与える可能性が高い。 →〇
  4. 児童期に多数の心理・社会的逆境を経験した大人ほど、何も逆境体験がなかった場合と比較して、肺気腫、慢性気管支炎や心筋伷塞などの虚血性心疾患の罹患率が高くなると言われている。 →〇

正答:1○○○○


H31前:保育の心理学①

平成31年度前期試験 保育の心理学 問1 
次の文は、人の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 生涯の発達的変化に影響を及ぼす要因として、人生のなかで出会う重要な意味をもつ個人的出来事があげられる。 →〇
  2. 発達に関して、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視した構成主義として、ピアジェ(Piaget, J.)の発達理論があげられる。 →〇
  3. 成長は身体面の形態・構造の量的変化をさすのに対して、発達は心理・人格面の質的変化をさすとされるが、その区別は厳密ではない。 →〇
  4. 発達には個人差があり、それには2種類の個人差を理解する必要がある。一つは個人間差であり、もう一つは個人内差であり、一般に個人差というと後者をさすことが多い。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ×


H31前:保育の心理学②

平成31年度前期試験 保育の心理学 問2 
次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 生得的に内在する能力が、時期に応じて自然に展開し、発達すると考える。 →イ ゲゼル(Gesell, A.L.)
  2. 発達は漸次的に展開すると捉え、乳児期から老年期に至る8つの発達期それぞれに危機があると考える。 →エ エリクソン(Erikson, E.H.)
  3. 発達を環境との相互作用として捉え、人を取り巻く環境を4つのシステムと考えた後に、時間の影響・時間経過をつけ加え、5つのシステムとした。 →ウ ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)
  4. 受胎から死に至る過程の行動の一貫性と変化を捉え、生涯発達の一般的原理や発達の可塑性と限界を明らかにした。 →オ バルテス(Baltes, P.B.)

【Ⅱ群】
ア マッコール(McCall, R.B.)
イ ゲゼル(Gesell, A.L.)
ウ ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)
エ エリクソン(Erikson, E.H.)
オ バルテス(Baltes, P.B.)

正答:4 イ エ ウ オ


H31前:保育の心理学③

平成31年度前期試験 保育の心理学 問3 
次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」のイ「人間関係」の一部である。A~Eの文のうち、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. いろいろな遊びを楽しみながら物事をやり遂げようとする気持ちをもつ。 →〇
  2. 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。 →×
  3. 自分の思ったことを相手に伝え、相手の思っていることに気付く。 →〇
  4. 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。 →×第2章21~3歳(2)イ人間関係(イ)
  5. 友達と楽しく活動する中で、共通の目的を見いだし、工夫したり、協力したりなどする。 →〇

正答:3 ○ × ○ × ○


H31前:保育の心理学④

平成31年度前期試験 保育の心理学 問4 
次の文は、児童期から青年期の移行に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。

児童期から青年期に移行する第二次性徴が出現する時期は(A カ 思春期)とも呼ばれる。心理的には、
一般に児童期の(B エ 仲間に基準をおく)傾向から、(C ウ 自己に基準をおく)傾向への準備が始まる。その基底に親からの(D イ 心理的離乳)があり、精神的独立に向かって歩みだすが、その不安定さと葛藤は、しばしば反抗として現れる。
【語群】
ア 潜伏期       イ 心理的離乳  ウ 自己に基準をおく
エ 仲間に基準をおく  オ 経済的自立  カ 思春期
正答:5 カ エ ウ イ


H31前:保育の心理学⑤

平成31年度前期試験 保育の心理学 問5 
次の文は、固定遊具での遊びに関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 固定遊具に複数の幼児が集まると、動きの速さや回数を競ったりして互いに刺激し合いながら遊ぶ姿が見られる。数の限られた遊具では、順番に並んだり、交代したりすることを経験することにもなり、体を動かして遊びながら、人との関わりを学ぶことができる。 →〇
  2. 固定遊具のある園庭は、全園児が使用する共有スペースである。そのため、使い方や遊び方については、幼児と保育士が相互に話し合うことも必要である。 →〇
  3. 固定遊具は他の遊具や用具と組み合わせて使ったり、ごっこ遊びなどのイメージを取り込むことで遊びを広げていくことができる。その一方で、黙々と逆上がりに取り組んでいる幼児もおり、固定遊具での遊びの楽しさは一人一人異なる。 →〇
  4. 固定遊具の高い所で押し合うなど、保育士からは危ないように見えても、幼児は友達の様子や状況を考えながら行動している。そのため、声をかけずに見守ることが大切である。 →×

正答:1 ○ ○ ○ ×


H31前:保育の心理学⑥

平成31年度前期試験 保育の心理学 問6 
次の文は、仲間関係の機能に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

  1. 他者の外的行為を認めるだけでなく、その背後にある気持ちや感情、意図や動機、思考などの内的特性について気付き、正しく推論し、理解する。 →ウ 他者理解・共感
  2. 他者のある行為を理解するために、その人の年齢、性別、職業などについての知識に基づいて推論する。 →ア 社会的カテゴリーの理解
  3. 集団生活を円滑に行うためにある様々な決まりの本来の意味を、仲間との相互交渉の中で、不当な圧力や利害の片寄りなどの経験を通して考えるようになる。 →エ 社会的規則の理解
  4. 自分の思考、感情、動機といった内的経験をそのまま行動に移すのではなく、客観的に捉え直し、自他を正当に比較し、他者の立場を推論しようとする。 →イ 自己統制能力

【Ⅱ群】
ア 社会的カテゴリーの理解
イ 自己統制能力
ウ 他者理解・共感
エ 社会的規則の理解
正答:5 ウ ア エ イ


H31前:保育の心理学⑦

平成31年度前期試験 保育の心理学 問7 
次の文は、幼児のものの見方や考え方に関する記述である。(A )~(D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

メタ認知とは、目標達成のために現在の自己の状態を監視・調整する(A イ モニタリング)や、それに伴う(B エ 感情体験)なども含まれる。幼児期(C キ 後半)から徐々に発達し、出来事を順序立てて話したり、園では当番活動ができたり、忘れ物をせずに帰り支度ができるなど、(D ア プラン)に添った行動を可能にする。

【語群】
ア プラン     イ モニタリング  ウ シェマ  エ 感情体験
オ プライミング  カ 意識体験    キ 後半   ク 前半
正答:1 イ エ キ ア


H31前:保育の心理学⑧

平成31年度前期試験 保育の心理学 問8 
次の文は、アタッチメント(愛着)についての記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. アタッチメント(愛着)とは、自らが「安全であるという感覚」を確保しようとする個体の本性に基づいて、危機的状況あるいは潜在的な危機に備え、特定の対象への接近・接触を求め維持しようとする傾向と定義される。 →〇
  2. 愛着の個人差を測定するために、エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)が考案したのがサークル・オブ・セキュリティ(安全感の環)であった。 →×
  3. エインズワースによれば、養育者への子どものアタッチメント(愛着)は3つの型に分類される。A型は抵抗(アンビバレント)型、B型は安定型、C型は回避型であった。 →×

正答:3 ○ × ×


H31前:保育の心理学⑨

平成31年度前期試験 保育の心理学 問9 
次の文は、保育所での観察記録である。(A)~(D)の下線部分に関連する語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

園庭では、5歳児クラスの4~5名の子どもたちが、砂場で遊んでいる。子どもたちは、(A カ 協同遊び)砂山を作り、「どうやってトンネルを作る?」「ここ、押さえて。」など言い合いながら川を掘っている。一方、2歳児クラスの子どもたちは、園庭での遊びが終わり、順次、手足を洗って保育室に入るところである。他児よりもだいぶ早く外遊びをきりあげた2歳児クラスのR君は、保育室内のままごとコーナーを占領して、(B オ 一人遊び)かごに入っているお手玉をお玉ですくいあげては、鍋に移すことを繰り返していた。
テラスからR君の姿に気づいた同じ2歳児クラスのS君は、手足を洗わずに、そのまま入室し、ままごとコーナーのR君の前に座って、(C エ 並行遊び)R君がしているように、かごに入ったお手玉をお玉ですくい鍋に移し始めた。保育士が「S君、遊ぶ前に手と足を洗ってきてね。」と促しS君の腕をとると、S君は立ち上がり、手と足を洗いにテラスに出ていった。
しばらくままごとコーナーでR君は過ごしていたが、今度はお手玉をいくつか抱えて保育室を歩きながら、友達が遊んでいるところに近づいては、(D ウ 象徴遊び)「ピザです。ピザです。」と言いながら、お手玉を配り歩いていた

【語群】
ア 連合遊び  イ 身振り遊び  ウ 象徴遊び  エ 並行遊び
オ 一人遊び  カ 協同遊び   キ 構成遊び  ク 共鳴遊び
正答:4 カ オ エ ウ


H31前:保育の心理学⑩

平成31年度前期試験 保育の心理学 問 10 
次の文は、乳児期の視覚の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 新生児の視力では、周囲はぼんやりとしている。また焦点距離は 20cm 程度で、抱っこされたときには相手の顔がよく見える。 →〇
  2. 最初のうちは、あおむけの姿勢の目の前で、がらがらを左右や上下方向に動かすと線として追視し、支え座りができる5か月頃には、円を描いて動くがらがらをなめらかに追視する。 →〇
  3. 生後1か月頃には、単色の単純な刺激と、同心円模様、新聞の一部、顔の絵といった複雑な刺激を対にして見せられると、より複雑な刺激、特に顔図形を好んで注視する。 →×
  4. 生後4か月頃には、青、緑、黄、赤をそれぞれ異なる色として識別するようになる。 →〇

正答:1 ○ ○ × ○