平成29年度後期試験 社会的養護 問2
次の文は、「児童福祉法」の社会的養護に関する条文の一部である。(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。児童及びその保護者の(A 心身の)状況、これらの者の置かれている環境その他の状況を勘案し、児童を家庭において養育することが困難であり又は適当でない場合にあつては児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において(B 継続的)に養育されるよう、児童を家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合にあつては児童ができる限り良好な(C 家庭的)環境において養育されるよう、必要な措置を講じなければならない。
(組み合わせ)
A B C
1 心身の 継続的 家庭的
2 経済的な 継続的 家庭的
3 心身の 継続的 施設
4 経済的な 一時的 施設
5 心身の 一時的 施設
正答:1
「社会的養護」一覧
H29後:社会的養護③
平成29年度後期試験 社会的養護 問3
次の文は、「児童の権利に関する条約」第 20 条の一部である。(A)~(D)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。一時的若しくは恒久的にその(A 家庭)環境を奪われた児童又は児童自身の(B 最善の利益)にかんがみその(A 家庭)環境にとどまることが認められない児童は、(C 国)が与える(D 特別)の保護及び援助を受ける権利を有する。
(組み合わせ)
A B C D
1 養育 社会的養護 社会 最低限度
2 家庭 最善の利益 国 特別
3 家庭 社会的養護 社会 特別
4 家庭 最善の利益 社会 最低限度
5 養育 最善の利益 国 最低限度
正答:2
H29後:社会的養護④
平成29年度後期試験 社会的養護 問4
次の文は、社会的養護における子どもの権利擁護の取り組みに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 児童養護施設等の入所児童に対し、権利について正しく理解できるよう、「子どもの権利ノート」等を用い、わかりやすく説明することが求められている。 →○
- 利用者からの苦情を適切に解決するため、社会福祉事業経営者は施設内に苦情の相談窓口を設け、第三者の協力を得るなどして解決に努めることとされている。 →○
- 施設職員による被措置児童等虐待については、市町村において、子ども本人からの届出や周囲の者からの通告を受け付け、調査等の対応をすることが「児童虐待の防止等に関する法律」で法定化されている。 →×
正答:2 ○ ○ ×
H29後:社会的養護⑤
平成29年度後期試験 社会的養護 問5
次の文は、社会的養護の施設等における第三者評価に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 第三者評価を受審するに当たっては、あらかじめ、第三者評価の評価基準に基づく自己評価を行うことが求められている。 →○
- 第三者評価を受審する義務がある施設においては、第三者評価を3か年度に1回以上受審しなければならない。 →○
- 児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)における第三者評価の受審は、努力義務である。 →○
正答:1 ○ ○ ○
H29後:社会的養護⑥
平成29年度後期試験 社会的養護 問6
次の文は、「里親及びファミリーホーム養育指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)に示された家庭養護のあり方の基本に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 一定一律の役割、当番、日課、規則を養育者が作り、それらを子ども達に厳守させることは、子どもたちに安心・安定した家庭生活を提供できることになる。 →×
- 地域の普通の家庭で暮らすことで、子どもたちは養育者自身の地域との関係や社会生活に触れ、生活のあり方を地域との関係の中で学ぶことができる。 →○
- 養育者はこれまで築き上げてきた独自の子育て観を優先することが大切であるため、他者からの助言に耳を傾けることは、これまでの養育に対して自信を失うことになるため避けた方がよい。 →×
- 里親とファミリーホームが社会的養護としての責任を果たすためには、外からの支援を受けることが大前提である。 →○
正答:4 × ○ × ○
H29後:社会的養護⑦
平成29年度後期試験 社会的養護 問7
次の文は、「母子生活支援施設運営指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)における支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 母親と子どもがそれぞれ抱える個別の課題に対して、目的や目標を明確にした合理的で計画的な一貫した専門的支援を行う。 →○
- 母親と子どもの関係を構築するための保育、保育所に入所できない子どもの保育や早朝・夜間・休日等の保育、子どもの病気・けが等の際の保育、母親が体調の悪いときの保育等、ニーズに応じた様々な施設内での保育支援を行う。 →○
- 資料等を使いながら必要な手続きなどについて説明を行うが、職員が機関等への同行及び代弁をすることは自立支援の妨げになるため行わない。 →×
- 入所初期に生活用具や家財道具等の貸し出しをすることは、母親の施設に対する依存を助長するため、自立に向けて各家庭で購入するように指導する。 →×
正答:2 ○ ○ × ×
H29後:社会的養護⑧
平成29年度後期試験 社会的養護 問8
次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第63 号)に基づく職員に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 「児童の遊びを指導する者」は、放課後等デイサービス事業を行っている施設に配置され、遊びを通して子どもの心身の健康や情緒の安定を図る役割を担っている。 →×
- 「児童生活支援員」は、児童心理治療施設に配置され、児童の生活支援の役割を担っている。 →×
- 「児童指導員」は、児童自立支援施設に配置され、児童の自立支援の役割を担っている。 →×
正答:5 × × ×
H29後:社会的養護⑨
平成29年度後期試験 社会的養護 問9
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】
児童養護施設で実習をしているGさんは、保育士と他職種の連携について知ることを目的に、ある職員からその職員の業務内容の説明を受けました。下記はその内容です。私の業務内容は、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等を図れるようにすることです。そのために児童相談所と密接に連絡を取り合って連携をします。
保護者に対しては、電話、面接等により児童の早期家庭復帰、里親委託等を可能とするための相談援助等の支援を行います。【設問】
この職員の職名として、最も適切なものを一つ選びなさい。
- 家庭支援専門相談員
- 里親支援専門相談員
- 心理療法担当職員
- 個別対応職員
- 母子支援員
正答:1
H29後:社会的養護⑩
平成29年度後期試験 社会的養護 問 10
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。【事例】
Mさんは、L児童養護施設で3年前から保育士をしている。最近、Nさん(19 歳、女性)から、「職場の人間関係がうまくいかず、辛かったので仕事を辞めた。どうしたらよいか」との相談を受けた。Nさんは、L児童養護施設を措置解除となった半年前から就職先の寮で暮らしていたが、現在は友人宅で生活している。【設問】
次のうち、Nさんが利用できる福祉サービスとして、最も適切なものを一つ選びなさい。
- ファミリー・サポート・センター事業の利用
- 児童自立支援施設への入所
- 婦人保護施設への入所
- 児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)の利用
- 救護施設への入所
正答:4
H29前:社会的養護①
平成29年度前期試験 社会的養護 問1
次の文は、社会的養護の歴史に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- イギリスでは、1870 年にバーナードホームが設立され、小舎制による養護を実施した。 →○
- 日本では、1899 年に留岡幸助が家庭学校を設立し、非行少年の教護を実施した。 →○
- イギリスでは、1948 年に制定された「児童法」で、保護が必要な児童への行政の責任を明確化し、できるだけ児童を家庭から分離せず、必要がある場合は里親委託が望ましいとする考え方を示した。 →○
- 日本では、1950 年代以降ホスピタリズム論争が起こり、家庭的処遇の必要性が提唱され、それに対して集団養護をめざす考え方も論じられた。 →○
正答:1 ○ ○ ○ ○
H29前:社会的養護②
平成29年度前期試験 社会的養護 問2
次の文は、「児童養護施設運営指針」の「養育のあり方の基本」の一部である。(A)~(E)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
社会的養護は、従来の「(A 家庭代替)」の機能から、(B 家族)機能の支援・補完・再生を重層的に果たすさらなる(C 家庭支援(ファミリーソーシャルワーク))に向けた転換が求められている。(D 親子間)の関係調整、回復支援の過程は、施設と(E 親)とが協働することによって果たされる。
【語群】
ア 児童救済 イ 家庭代替 ウ 家族 エ 虐待防止 オ 地域支援(コミュニティソーシャルワーク) カ 家庭支援(ファミリーソーシャルワーク)キ 親子間 ク 子ども間 ケ 行政 コ 親
正答:4 イ ウ カ キ コ
H29前:社会的養護③
平成29年度前期試験 社会的養護 問3
次の文は、児童養護施設等における自立支援計画についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 自立支援計画の策定にあたっては、児童相談所の援助方針を踏まえながら、担当職員、家庭支援専門相談員、心理担当職員、基幹的職員、施設長等がいろいろな角度からその子どもの支援内容・方法を総合的に判断する必要がある。 →○
- 自立支援計画は、施設内での支援にあたっての計画と、家庭環境調整に関する支援にあたっての計画と、別々の計画を用意する必要があり、前者は基幹的職員が、後者は家庭支援専門相談員が立案する。 →×
- 施設内での支援にあたっての計画は、事前に子どもと話し合って努力目標を設定するなど、その子の実情に合ったものであり、子ども自身が納得できるものであることが大切である。 →○
- 家庭環境調整に関する支援にあたっての計画は、支援を行っていく機関や担当者を具体的に記す必要がある。 →○
正答:3 ○ × ○ ○
H29前:社会的養護④
平成29年度前期試験 社会的養護 問4
次の【Ⅰ群】の各施設種別の運営指針の内容と【Ⅱ群】の施設種別名を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
- 将来的には、本体施設のすべてを小規模グループケアにしていくとともに、本体施設の定員を少なくし、地域のグループホームに移していく方向が示された。 →児童養護施設
- 養育の基本は、子どもが養育者とともに、時と場所を共有し、共感し、応答性のある環境のなかで、生理的・心理的・社会的に要求が充足されることである。 →乳児院
- 施設は、高校進学などで子どもが不利益を被らないよう、施設内学校はもとより、出身学校(原籍校)や関係機関と連携しながら、対応する。 →児童自立支援施設
【Ⅱ群】
ア 児童養護施設
イ 母子生活支援施設
ウ 乳児院
エ 児童自立支援施設
正答:2 ア ウ エ
H29前:社会的養護⑤
平成29年度前期試験 社会的養護 問5
次の文は、自立援助ホームに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 自立援助ホームは、「児童自立生活援助事業」として第1種社会福祉事業に位置付けられる。 →×
- 自立援助ホームへの入所は児童相談所の措置により実施されるため、本児の費用負担はない。 →×
- 自立を支援する第一は「枠のある生活」とも言うべき施設の規則を遵守させ、次に心の安心感と生活の安定につながる環境の保障を位置づけている。 →×
- 自立援助ホームのスタッフは、利用者と一緒に仕事を探し、採用されるように履歴書の書き方、面接の練習などの支援も行い、採用後は就労を継続できるように支援することが重要である。 →○
正答:5 × × × ○
H29前:社会的養護⑥
平成29年度前期試験 社会的養護 問6
次の文は、児童福祉施設における職員に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 「児童生活支援員」は、障害児入所施設に配置され、障害児の日常生活を支援する職員である。
- 「児童自立支援専門員」は、児童養護施設に配置され、児童の自立を支援する職員である。
- 「少年を指導する職員(少年指導員)」は、児童自立支援施設に配置され、非行少年等の更生を担当する職員である。
- 「児童の遊びを指導する者」は、児童厚生施設に配置され、子どもの健全育成を目的として、遊びを通して子どもの心身の健康や情緒の安定を図る役割を担う職員である。 →○
正答:5 × × × ○
H29前:社会的養護⑦
平成29年度前期試験 社会的養護 問7
次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 25 年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設における児童の現在の年齢の平均年齢として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 乳児院 ― 約3歳 →×
- ファミリーホーム ― 約5歳 →×
- 児童養護施設 ― 約 11 歳 →○
- 自立援助ホーム ― 約 22 歳 →×
正答:4 × × ○ ×
H29前:社会的養護⑧
平成29年度前期試験 社会的養護 問8 次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 25 年2月1日現在)」(厚生労働省)に基づく、ある施設の児童の状況である。この内容に該当する施設種別として正しいものを一つ選びなさい。
- 「入所時の年齢」で最も多いのは「0歳」である。
- 「心身の状況」で「障害あり」が約 18%である。
- 「児童の就学状況」は、「就学前」が約 44%である。
- 「被虐待経験あり」のうち、「心理的虐待」が約 80%である。
- 「在所期間」は、「5年未満」が約 85%である。
1 乳児院
2 情緒障害児短期治療施設
3 ファミリーホーム
4 母子生活支援施設
5 児童自立支援施設
正答:4
H29前:社会的養護⑨
平成29年度前期試験 社会的養護 問9
次の文は、児童養護施設に求められる関係機関等との連携及び地域交流に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 児童相談所や関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取り組みや事例検討を行う。 →○
- 子どもたちが通う学校等のPTA活動や行事等に積極的に参加するとともに、必要に応じて施設の支援方針と教育機関の指導方針を互いに確認しあう機会を設ける。 →○
- 子どもの安全確保及び衛生管理のため、地域住民が施設設備を利用したり施設行事へ参加することは一切禁止されている。 →×
- 地域へ向けて、施設の理念や基本方針等を説明した印刷物や広報誌等を配布し、地域の人々の理解を得る取り組みを行う。 →○
正答:1 ○ ○ × ○
H29前:社会的養護⑩
平成29年度前期試験 社会的養護 問 10
次の文は、社会的養護にかかわる施設等の運営管理に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 国が定めた「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に基づき、都道府県は児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。 →○
- 児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設には、養育・支援の内容に関する指針があるが、里親とファミリーホームについてはそれぞれの独自性を尊重する観点から指針は設けられていない。 →×
- 施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取り組みに十分な指導力を発揮することが求められている。 →○
正答:3 ○ × ○
H28後:社会的養護①
平成28年度後期試験 社会的養護 問1
次の文は、日本の児童福祉施設の制度的な歩みに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 1900(明治 33)年に「感化法」が制定され、同法で少年教護院が規定された。 →×
- 1929(昭和4)年に「救護法」が制定され、救護施設の一つとして孤児院が法律で規定された。 →○
- 1948(昭和 23)年に「児童福祉施設最低基準」が制定され、児童福祉施設の設備、職員の資格と配置基準等が規定された。 →○
- 1997(平成9)年の児童福祉法改正で、教護院の名称が児童自立支援施設に改められた。 →○
正答:5 × ○ ○ ○
H28後:社会的養護②
平成28年度後期試験 社会的養護 問2
次の文は、「社会的養護の課題と将来像」(児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会・社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会)(平成 23 年7月)における「社会的養護の理念と機能」の一部である。(A)~(D)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 社会的養護は、保護者のない児童や、保護者に(A 監護)させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことである。
- 社会的養護は、「子どもの(B 最善の利益)のために」という考え方と、「(C 社会全体)で子どもを育む」という考え方を理念とし、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、社会の公的責任で保護養育し、子どもが(D 心身ともに健康に育つ)基本的な権利を保障する。
(組み合わせ)
A B C D
1 監護 基本的人権の保障 地域 安全で安心して暮らせる
2 養護 最善の利益 地域 心身ともに健康に育つ
3 監護 最善の利益 社会全体 心身ともに健康に育つ
4 養護 基本的人権の保障 社会全体 安全で安心して暮らせる
5 監護 最善の利益 社会全体 安全で安心して暮らせる
正答:3
H28後:社会的養護③
平成28年度後期試験 社会的養護 問3
次の文は、「社会的養護関係施設における親子関係再構築支援ガイドライン」(厚生労働省 親子関係再構築支援ワーキンググループ)(平成 26 年3月)に示された親子関係の再構築における親に対しての具体的な支援に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
- 親と協働関係を形成し、親子再構築支援の見通しを示す。親も支援プラン作成に関わる。 →○
- 協働養育者として親を尊重し、親との信頼関係を築き、施設が親の安心できる居場所になるように支援する。 →○
- 養育の振り返りを共にし、子どもに与えた影響を理解し、子どもとの関係改善への動機づけを行う。 →○
- 親自身が精神的な問題(未解決なトラウマ体験や衝動コントロールや精神医学的な問題など)を有している場合は、医療機関への受診が家庭復帰の条件として義務づけられている。 →×
- 具体的な養育方法について学べるように、モデルとなって示したり、ペアレントトレーニングを実施したりして教育的な支援をする。 →○
正答:4
H28後:社会的養護④
平成28年度後期試験 社会的養護 問4
次の文は、社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会による「児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進のために(概要)」(平成 24 年 11 月)において示された児童養護施設における小規模化及び家庭的養護の推進に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 「本体施設のケア単位の小規模化」を進め、本体施設は、全施設を小規模グループケア化(オールユニット化)していく。 →○
- 「施設によるファミリーホームの開設や支援、里親の支援」を推進し、施設機能を地域に分散させ、施設を地域の社会的養護の拠点にしていく。 →○
- 社会的養護の整備量の将来像として、概ね3分の1が里親及びファミリーホーム、概ね3分の1がグループホーム、概ね3分の1が本体施設という姿に変えていく。 →○
- 将来の児童養護施設の姿は、すべて地域小規模児童養護施設とすることを推進する。 →×
正答:1 ○ ○ ○ ×
H28後:社会的養護⑤
平成28年度後期試験 社会的養護 問5
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Sちゃん(1歳 11 ヶ月、男児)は、乳児院に入所してもうすぐ2年になる。母親は、Sちゃんが生まれてすぐに家出をし、養育に困った父親(37 歳)が児童相談所に相談したことから施設入所となった。父親はタクシーの運転手として正規雇用となったばかりで、養育の手伝いを頼める親族はいない。Sちゃんに発達・発育上の問題はなく、週に一度面会に来る父親になついている。父親は、「今は引き取れないが、Sが小学校高学年頃になって身の回りのことを自分でできるようになれば引き取りたい」と言っている。
【設問】
この【事例】における乳児院の支援方針として、最も適切なものを一つ選びなさい。
- 当面引き取りは見込めないことから、児童養護施設への措置変更を児童相談所と検討する。 →○
- 父親がすぐにSちゃんを引き取ることができるように、転職を勧める。 →×
- 母親を探し出し、母親にSちゃんの引き取りを促す。 →×
- Sちゃんを引き取ることができる環境にするため、母親と離婚手続きを取り、再婚をするよう父親に促す。 →×
- 父親はSちゃんを養育することができないと判断し、養子縁組里親を検討する。 →×
正答:1
H28後:社会的養護⑥
平成28年度後期試験 社会的養護 問6
次の文は、入所型の児童福祉施設における子どもの養育・支援に関する記録についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 施設は集団生活が基本であり、集団における関わりの状況が重要なため、子ども一人一人の記録の必要はなく、生活集団ごとの様子について記録する。 →×
- 施設は多職種の職員によってチームで児童の支援を行っているため、必要に応じて記録を共有する。 →○
- 日々の記録は、支援計画が適切に取り組まれ、その結果効果がみられたかを確認する資料となる。 →○
- 記録内容について職員間でばらつきが生じないように、施設内で共通の記録様式を用いるなど工夫する必要がある。 →○
正答:3 × ○ ○ ○
H28後:社会的養護⑦
平成28年度後期試験 社会的養護 問7
次の文は、障害児入所施設の役割についての記述である。(A)~(C)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
障害児入所施設には、家庭ではできない(A 早期療育)や訓練を行うという役割があるが、家庭で養育することが難しい等、家庭の養育機能上の問題で入所する場合もある。そのため障害児入所施設でも(B 家庭環境)を考慮した援助が必要となっている。こうした役割を担うため、保育士は、入所児童の生活支援に加えさらに(C 家庭支援)も含めたさまざまな役割を期待されるようになっている。
【語群】
ア 早期療育 イ 就労移行支援 ウ 医学的処置 エ 家庭環境
オ 家庭支援 カ 医療行為
正答:2 ア エ オ
H28後:社会的養護⑧
平成28年度後期試験 社会的養護 問8
次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 25 年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設(里親)における児童の入所(委託)時の年齢の構成割合が最も高いものとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 母子生活支援施設 ―― 約 10 歳 →×
- 児童自立支援施設 ―― 約 13 歳 →○
- 里親 ―― 約2歳 →○
- 児童養護施設 ―― 約6歳 →×
正答:4 × ○ ○ ×
H28後:社会的養護⑨
平成28年度後期試験 社会的養護 問9
次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 25 年2月1日現在)」(厚生労働省)に基づく、ある施設種別の状況である。この内容に該当する施設種別として正しいものを一つ選びなさい。
- 「就学状況」は、「中学校」が約 80%である。
- 「心身の状況」の「障害等あり」のうち、「ADHD」が約 15%である。
- 「学業の状況」で「遅れがある」が約 60%である。
- 「養護問題発生理由」で一般的に「虐待」とされるものが約 40%である。
- 「児童の今後の見通し」では「保護者のもとへ復帰」が約 60%である。
- 情緒障害児短期治療施設
- 児童発達支援センター
- 児童養護施設
- 児童厚生施設
- 児童自立支援施設
正答:5
H28後:社会的養護⑩
平成28年度後期試験 社会的養護 問 10
次の文は、入所型の児童福祉施設の運営管理に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 入所児童等に関する情報管理の一環として、児童福祉施設の職員は、退職した職員を除き、利用者である子どもや家族の業務上知り得た秘密を漏らしてはならないという秘密保持義務がある。 →×
- 入所児童の健康管理の一環として、入所児童に対し、入所時の健康診断、少なくとも1年に2回の定期健康診断及び臨時の健康診断を、「学校保健安全法」に規定する健康診断に準じて行わなければならない。 →○
- 児童福祉施設の職員の健康管理の一環として、定期的に健康診断を行うとともに、特に入所児童の食事を調理する者に対して綿密な注意を払わなければならない。 →○
- 職員の人事管理の一環として、必要に応じて精神科医などに相談できる窓口を施設内外に確保するなど、職員のメンタルヘルスに留意する。 →○
正答:3 × ○ ○ ○
H28前:社会的養護①欧米の社会的養護の歴史
平成28年度前期試験 社会的養護 問1
次の文は、欧米の社会的養護の歴史に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)は、内戦によって家を失った子どもたちの世話も引き受け、1798 年に孤児院を営み、養育と教育を行った。→○
- オーエン(Owen, R.)は、木綿紡績工場主であったが、1816 年に自分の工場内に「性格形成学院」という幼児施設をつくり、成長段階に応じた教育を行った。→○
- エレン・ケイ(Key, E.)は、1900 年に著した『児童の世紀』で、20 世紀こそ児童の世紀として子どもが幸せに育つことのできる平和な社会を築くべきであると主張した。→○
- セオドア・ルーズベルト(Roosevelt, T.)のもと、1909 年に第1回白亜館会議(ホワイトハウス会議)が開催され、「児童は緊急なやむをえない理由がない限り、家庭生活から引き離されてはならない」という趣旨の児童福祉の基本原理が示された。→○
正答:1 ○ ○ ○ ○