R4後期 保育の心理学 問2
次のうち、「ある行動や能力の発現には、その特質がもつ遺伝的なものと環境の最適さが関係する」という記述に関する用語として、適切なものを一つ選びなさい。
1 環境閾値説
2 輻輳説 →〇
3 遺伝説(生得説)
4 生態学的システム論
5 環境説(経験説)
正答:1
R4後期:保育の心理学③
R4後期 保育の心理学 問3
次の文は、社会的認知の発達に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
人は行動の背後に心の状態があると想像する。例えば、物に手を伸ばしている人を見ると、その人は物を取ろうとしていると解釈する。そのような人の心に関する日常的で常識的な知識をハイダー(Heider, F.)は( A →ク 素朴心理学)と呼んだ。他人の心の働きを理解し、それに基づいて他人の行動を予測することができるかどうかについて、心理学の領域では( B →キ 心の理論)の問題として研究されてきた。
( B )は( C →カ 誤信念課題)と呼ばれる次に示すような方法で評価される。
【状況説明】
Sちゃんは、母親に頼まれ、チョコレートを緑の棚にしまいました。Sちゃんが遊びに行っている間、母親はお菓子作りのためにチョコレートを取り出し、それを緑の棚ではなく青の棚にしまいました。母親が部屋を出た後にSちゃんが帰ってきて、しまっておいたチョコレートを食べようとしました。
【質問】
Sちゃんはチョコレートを見つけるためにどこを探すでしょうか。
このような場所置き換え型の問題は単一の人物の( D →エ 信念)を問うものであり、4歳以降徐々に理解が進む。
【語群】
ア 人間心理学 イ 思考 ウ コミック会話 エ 信念
オ コミュニケーション カ 誤信念課題 キ 心の理論 ク 素朴心理学
(組み合わせ)
A B C D
1 ア オ ウ イ
2 ア キ カ エ
3 ク オ ウ イ
4 ク オ カ イ
5 ク キ カ エ →〇
正答:5
R4後期:保育の心理学④
R4後期 保育の心理学 問4
次のうち、A~Dの子どもの行動の基盤となる発達に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
- おもちゃを取られて泣いている他児に近づき、自分が手に持っているおもちゃを差し出す。→ア 向社会的行動
- 初めて見る物が目の前にあるときに、それを触ってよいかわからないので保育士の表情を見る。→エ 社会的参照
- 「今、ここにある物」を「今、ここにない物」に見立てて遊ぶ。→ウ 象徴機能
- 乳児期初期に、他者の顔の動きを無意識に模倣する。→キ 共鳴動作
【語群】
ア 向社会的行動 イ 自己調整 ウ 象徴機能 エ 社会的参照
オ 安全基地 カ 共同注意 キ 共鳴動作 ク 延滞模倣
(組み合わせ)
A B C D
1 ア エ ウ キ →〇
2 ア オ エ ク
3 イ エ カ ク
4 イ オ ウ キ
5 イ カ エ キ
正答:1
R4後期:保育の心理学⑤
R4後期 保育の心理学 問5
次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の考え方に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 子どもの道徳性は、大人に依存する人間関係の中で、既存の道徳を受容する他律的道徳から、仲間との対等な関係の中で、ルールを作り出す自律的道徳へと発達する。 →〇
- 子どもの道徳判断は、8~9歳頃を境に、行為の結果による判断から行為の動機による判断へと移行する。 →〇
- 子どもが世界を認識していく過程には、量的に異なる4つの段階がある。 →×
- 子どもの認知発達において、具体的操作期では記号や数字といった抽象的な事柄についての論理的な思考が可能になっていく。 →×
正答:2 ○ ○ × ×
R4後期:保育の心理学⑥
R4後期 保育の心理学 問6
次のうち、ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)が指摘した事柄に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 子どもは環境の中に埋め込まれている情報を見出しながら行動を起こしており、環境は子どもが関わるものにとどまらず、環境が子どもに働きかけている。 →×
- 子どもの発達には、他者の援助がなくても独力で達成できる水準と、他者の援助があれば達成できる水準の2つがあり、他者との関わり合いの中で発達は促されていく。 →〇
- 子どものひとりごとは、他者に向かうコミュニケーションのための言葉が、自分に向かう思考のための言葉となっていく過程で現れる。 →〇
- 子どもの概念は、日常の生活経験を通して自然に獲得する生活概念と、主に学校で教育される科学的概念が相互に関連をもちながら発達していく。 →〇
正答:4 × ○ ○ ○
R4後期:保育の心理学⑦
R4後期 保育の心理学 問7
次の文は、保育所での子どもの遊びについての観察記録である。パーテン(Parten, M.B.)の遊びの社会的参加の分類に基づいて、A~Dに関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
- 3歳児3人がそれぞれ粘土を使って遊んでいたが、そのうちの一人がウサギの耳を作り始めると、それを見ていた他の2人も、真似をしてそれぞれ粘土で動物の耳を作り始めた。→エ 平行遊び
- 5歳児数人が大型積み木で四角い枠を作り、温泉の看板を立てて、他の子どもたちに入場券を配って回った。すると、入場券をもらった子どもたちが、お客さんとして次々に温泉に入りに来た。→オ 協同遊び
- 4歳児5人がテーブルの上に製作したカップケーキを並べて、お店屋さんごっこをしようとしていた。そのうちの一人は人形を椅子に座らせてお誕生日会を開こうとしているようであったが、他の4人にはイメージが共有されていなかった。 →カ 連合遊び
- 5歳児のS君がお誕生日会でクラスの友達にプレゼントするために、段ボールで黙々とケーキを製作していた。→イ 一人遊び
【語群】
ア 見立て遊び イ 一人遊び ウ 構成遊び
エ 平行遊び オ 協同遊び カ 連合遊び
(組み合わせ)
A B C D
1 ア オ エ イ
2 イ エ カ ウ
3 エ ウ オ カ
4 エ オ カ イ →〇
5 カ ア ウ エ
正答:4
R4後期:保育の心理学⑧
R4後期 保育の心理学 問8
次の【事例】を読んで、下線部(a)~(e)に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
【事例】
・1歳半を過ぎたYちゃんは、(a)目にした物を自分の知っている言葉で表そうとして、例えば、「ワンワン」をイヌだけでなく、あらゆる四つ足の動物に使っている→ケ 語の過大般用/語彙拡張(over-extension)。また、物には名前があることを理解して、(b)「これは?」とさかんに指さしをして尋ねる→ク 命名期ようになり、保育士との言葉を使ったやりとりを通して、(c)Yちゃんの語彙は急激に増加していった→ウ 語彙爆発(vocabulary spurt)。
・4歳のG君は、友達のH君のお父さんの職業が“カメラマン”であると聞いて、(d)「“○○マン”はヒーロー」という自分のもつ枠組みで捉えて「それって強い?」と尋ねた→イ 同化。そこで、保育士がカメラマンはヒーローではなく、職業であることを説明すると、G君は(e)保育士から聞いた情報に合うように、既存の枠組みを修正して、「ヒーローではなくても“○○マン”ということがある」という枠組みを再構成した→オ 調節。
【語群】
ア 置き換え イ 同化 ウ 語彙爆発(vocabulary spurt)
エ 一語文期 オ 調節 カ 語の過小般用/語彙縮小(over-restriction)
キ 同一視 ク 命名期 ケ 語の過大般用/語彙拡張(over-extension)
(組み合わせ)
a b c d e
1 ウ エ ケ イ ア
2 ウ ク ケ イ オ
3 カ エ ウ キ ア
4 ケ エ ウ キ ア
5 ケ ク ウ イ オ →〇
正答:5
R4後期:保育の心理学⑨
R4後期 保育の心理学 問9
次のうち、自己の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 自己の中でも、自分の姿や名前、性格など周りの人が捉えることができる様々な特徴が含まれる側面を主体的自己という。 →×
- 鏡映像の自己認知ができる子どもは1歳半頃から急激に増え、2歳頃ではかなりの子どもが可能になる。 →〇
- ルイス(Lewis, M.)によれば、1歳半頃になると誇りや恥などの感情がみられるようになり、それらの感情が生じるには、客体的自己意識が獲得されている必要がある。 →×
- 学童期の初め頃になると、社会的比較が可能になるため、自己について肯定的な側面だけでなく否定的な側面の評価も可能になる。 →×
正答:4 × ○ × ×
R4後期:保育の心理学⑳
R4後期 保育の心理学 問 20
次のうち、心理的環境要因が主な原因と考えられるものとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 反応性アタッチメント(愛着)障害 →〇
B 心的外傷後ストレス障害 →〇
C 自閉スペクトラム症 →×
D 知的能力障害 →×
正答:1 ○ ○ × ×
R4後期:保育の心理学⑩
R4後期 保育の心理学 問 10
次の文は、動機づけに関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、結果として一定の方向に導く心理的過程を動機づけと呼ぶ。動機づけの中でも、「ご褒美に欲しい物を買ってもらえるから」「先生に褒めてもらえるから」など他の欲求を満たすための手段としてある行動を生じさせることを( A →外発的動機づけ)、「興味があるから」「面白いから」など行動自体を目的としてある行動を生じさせることを( B →内発的動機づけ)という。
( B )に基づく行動に対して外的な報酬を与えることによって、( B )が低下することを( C →アンダーマイニング現象 )という。これは、「他者にコントロールされて行動している」「報酬のために行動している」と認識するようになり、( D →自律性)が損なわれるためである。
(組み合わせ)
AB CD
- 内発的動機づけ 外発的動機づけ エンハンシング効果 安定性
- 内発的動機づけ 外発的動機づけ アンダーマイニング現象 安定性
- 外発的動機づけ 内発的動機づけ エンハンシング効果 安定性
- 外発的動機づけ 内発的動機づけ エンハンシング効果 自律性
- 外発的動機づけ 内発的動機づけ アンダーマイニング現象 自律性 →〇
正答:5
R4後期:保育の心理学⑪
R4後期 保育の心理学 問 11
次のうち、中年期に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 女性は閉経を迎えてエストロゲンの分泌が低下することにより、更年期障害と呼ばれる諸症状が現れやすい。 →〇
- エリクソン(Erikson, E.H.)は、中年期の心理・社会的危機を「親密性 対 孤独」としている。 →×
- 子どもの自立に伴い親役割の喪失が生じることで「空の巣症候群」が生じ、何をしてよいかわからなくなって無気力になったり、抑うつ状態になったりする場合がある。 →〇
- 自分とは何者であるのかに悩み、様々なものに取り組んで、初めてアイデンティティを模索する。 →×
正答:3 ○ × ○ ×
R4後期:保育の心理学⑫
R4後期 保育の心理学 問 12
次の文は、家族を理解する視点についての記述である。( A )~( C )にあてはまる用語の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
家族を理解する視点の一つに( A →家族ライフサイクル論)がある。( A )とは、家族の誕生から家族がなくなるまでの過程をたどる理論であり、そこには発達段階と発達課題がある。家族を理解するためのもう一つの理論として( B →家族システム論)がある。家族はそれを構成する個人がいなければ成り立たないと同時に、社会との関わりをもたない家族も存在しない。このように、( B )では、多層的に積み重なって家族は存在し、互いに影響し合うという視点に立つ。一方、家族を多世代にわたって把握する方法として、三世代程度の家族の関係を図で表したものが( C →ジェノグラム)である。( C )からは、視覚的に家族の歴史を知ることで、家族に関する情報を得ることができる。
(組み合わせ)
A BC
- 家族ライフプロセス論 家族バランス論 エコマップ
- 家族ライフプロセス論 家族システム論 ジェノグラム
- 家族ライフサイクル論 家族バランス論 エコマップ
- 家族ライフサイクル論 家族システム論 ジェノグラム →〇
- 家族ライフサイクル論 家族バランス論 ジェノグラム
正答:4
R4後期:保育の心理学⑬
R4後期 保育の心理学 問 13
次のうち、親になることに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 親準備教育には、親になる直前の妊婦を対象としたものや、小中高生など若い世代を対象としたものがある。 →〇
- 胎動が感じられるようになると、母親は子どもの身体を具体的にイメージしたり、子どもの心の状態やパーソナリティについて様々な想像をめぐらしたりするなど、妊娠期から子どもとの相互作用に向けて心の準備を整えていく。 →〇
- 「令和2年版少子化社会対策白書」(内閣府)によれば、夫婦が実際にもつ予定の子どもの数が、理想的な子どもの数を下回る理由としては、「自分の仕事に差し支えるから」が最も多い。 →×
- 親子間の葛藤は、子どもの依存欲求と、親が子に向ける要求や期待が合致しなくなったときに生じるため、親は子どもへの期待や関わりを子どもの実情に合うように変える必要がある。 →×
正答:2 ○ ○ × ×
R4後期:保育の心理学⑭
R4後期 保育の心理学 問 14
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Rちゃん(4歳、女児)は、昨年から保育所に通っている。日常の動きや運動機能は、特に気になることはないが、「マンマ/ママ/ワンワン/バイバイ」という単語の表出、および「(リン)ゴ」など語の一部の表出はあるものの、年齢に比べて言葉の表出に顕著な遅れがみられた。発音には不明瞭さがあり、「バイバイ」が「アイアイ」と聞こえることがある。簡単な指示は理解しており、「ご飯だよ」「お出かけするよ」などの声かけには応じるが、保育士の言うことがわからないことがあるようだと指摘された。Rちゃんは、園庭では年齢の低いクラスの児と砂場で遊んでいることが多い。担当保育士から促され、母親は地域の保健センターに相談に行くことになった。
【設問】
次のうち、担当保育士がRちゃんの発達支援に向けて留意しておくべきこととして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 簡単な指示は理解できても、保育士の指示が理解できないことがあるという背景には、決まった習慣として使われる範囲を超えて、言葉の意味や状況を理解する力に問題がある可能性に留意する。 →〇
- 園庭では、年齢の低いクラスの児と遊んでいる姿があることから、引っ込み思案である可能性に留意する。 →×
- 発音の不明瞭さがあること、「(リン)ゴ」など、語の一部しか発語できないものもあるという背景には、聴覚に問題がある可能性に留意する。 →〇
- 限られた単語の表出しか認められず、保育士の指示も理解できないことがあるという背景には、知的発達に遅れがある可能性に留意する。 →〇
正答:2 ○ × ○ ○
R4後期:保育の心理学⑮
R4後期 保育の心理学 問 15
次のうち、仲間関係の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 他者の期待に応える行動は同調と呼ばれ、学童期中期頃には同調の対象が親から仲間へと移行するが、学童期の終わり頃になると自律できるようになる。 →×
- 気に入らない他児を仲間はずれにする、悪いうわさ話を流すなど仲間関係を操作することによって相手を傷つける攻撃は関係性攻撃と呼ばれる。 →〇
- チャムグループでは、同じ持ち物を持つなど「互いが同じであること」を確認し合う行動がよくみられる。 →〇
- ピアグループは同性の同年齢集団であり、異なった考えをもつ者がいることも認め、互いの意見をぶつけ合うことができるような関係であるという特徴がある。 →×
正答:4 × ○ ○ ×
R4後期:保育の心理学⑯
R4後期 保育の心理学 問 16
次のうち、観察法に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 観察したい行動の目録を作成し、その行動が生起すればチェックするやり方を時間見本法という。 →×
- 観察する時間や回数を決めて、その間に生起する行動を観察することを行動目録法という。 →×
- 観察対象となる人に、観察者が関わりながら観察することを関与観察、あるいは参加観察という。 →〇
- 検証したい特定の環境条件を操作し、対象とする行動が生じるような環境を設定し、その中で生起する行動を観察することを実験観察法という。 →〇
正答:5 × × ○ ○
R4後期:保育の心理学⑰
R4後期 保育の心理学 問 17
次のうち、発達検査・知能検査に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 子どもの発達状態を理解するためには、発達検査や知能検査を実施すれば十分である。 →×
- 「新版K式発達検査 2020」は0歳児から成人までの測定が可能であり、「姿勢・運動領域」「認知・適応領域」「言語・社会領域」の3領域で構成されている。 →〇
- ウェクスラー式の知能検査では、知的水準が同年齢集団の中でどのあたりに位置するかを表す偏差知能指数が用いられている。 →〇
- 発達検査の中には、知能検査のように検査用具を用いて実際に子どもに実施する形式のものと、保護者などがつける質問紙形式のものがある。 →〇
正答:3 × ○ ○ ○
R4後期:保育の心理学⑱
R4後期 保育の心理学 問 18
次の【図】は、「男女共同参画白書令和2年版」(内閣府)における「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化を示している。以下の【設問】に答えなさい。
【図】
Ⅰ-特- 13 図 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化(男女別)
【設問】
次のうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ここでは、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方を性役割分担意識という。
性役割分担意識に賛成する者とは「賛成」および「どちらかといえば賛成」を合わせた者とし、反対する者とは「反対」および「どちらかといえば反対」を合わせた者とする。
- 経年推移をみると、性役割分担意識に反対する者の割合は、男女ともに長期的に増加傾向にある。 →〇
- どの調査年であっても、性役割分担意識に賛成する者の割合は、女性が男性を上回っている。 →×
- 平成 26 年調査以降、男女ともに性役割分担意識に反対する者の割合が賛成する者の割合を上回っている。 →×
正答:3 ○ × ×
R4後期:保育の心理学⑲
R4後期 保育の心理学 問 19
次の文は、児童虐待に関する記述である。(a)~(d)の下線部分が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
児童相談所での児童虐待相談対応件数は毎年、一貫して増え続け、近年、何人ものかけがえのない子どもの命が虐待によって失われる事件が発生している。「児童虐待の防止等に関する法律」では、(a)早期発見の努力義務と通告義務がある →〇。また児童虐待は、(b)身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待、経済的虐待の5つに分類される →×。(c)「令和2年度福祉行政報告例」(厚生労働省)によれば、児童相談所での虐待相談の種別で、最も多いのがネグレクトである →×。これらが単独で発生する場合もあれば、幾つかが複雑に絡まり合って起こる場合もある。虐待を受けた子どもの年齢構成をみると、(d)小学校入学前の子どもが、小学生、中学生、高校生に比べて、最も多い →〇。
正答:2 ○ × × ○
R4後期:子どもの保健①
R4後期 子どもの保健 問1
次のうち、母子保健に関して人口動態統計に用いられている指標の記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 人口千人に対する出生数の割合を出生率という。 →〇
- 周産期死亡とは、妊娠満 22 週以後の死産と生後4週未満の新生児死亡を合わせたものをいう。 →×
- 乳児死亡は生後1年未満の死亡をいい、乳児死亡率は出生千対で表す。 →〇
- 合計特殊出生率とは、15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したものである。 →〇
正答:4 ○ × ○ ○
R4後期:子どもの保健②
R4後期 子どもの保健 問2
次のうち、乳幼児の体調不良時において、保護者に連絡するだけでなく医療機関への緊急搬送が必要な場合として、適切な組み合わせを一つ選びなさい。
- 7月の炎天下の中、散歩中に真っ赤な顔をして気持ち悪そうにしていたので声をかけたが、意識がもうろうとして返事をしなかった。 →〇
- 3歳児に 39 度の発熱がみられぐったりして横になっている。 →×
- 午前中の保育が終わりお昼ご飯にしようとしたとき、急に目を上転させけいれんが起きた。数分後にけいれんは収まっているようにも見えたが、呼びかけても意識が戻らない。 →〇
- 登園時は元気だったが、次第に顔色が悪くなり嘔吐が2回あった。その後は顔色が戻り落ち着いている。 →×
- 昨日の保育時から咳が出ていたが、本日は咳がひどくなり、発熱はないが咳込んで嘔吐した。 →×
(組み合わせ)
1 A B
2 A C →〇
3 B C
4 C D
5 D E
正答:2
R4後期:子どもの保健③
R4後期 子どもの保健 問3
次のうち、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版 2021 年一部改訂)」(厚生労働省)に記載されている保育室の衛生管理に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- ドアノブや手すり等は、清潔な布でから拭きする。 →×
- 嘔吐物や排泄物の処理等は、塩素系消毒薬を用いる。 →〇
- 季節を問わず、同じ室温や湿度に保ち、換気を行う。 →×
- 加湿器使用時には、水を毎日交換する。 →〇
正答:4 × ○ × ○
R4後期:子どもの保健④
R4後期 子どもの保健 問4
次のうち、子どものけいれんに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 発熱時に起こることがある。 →〇
- 意識を確かめるために体をゆする。 →×
- 唾液等を誤嚥しないように仰向きにする。 →×
- 発作の様子と継続時間を記録する。 →〇
正答:3 ○ × × ○
R4後期:子どもの保健⑤
R4後期 子どもの保健 問5
次のうち、救急蘇生法に関する記述として、適切な記述を一つ選びなさい。
- 市民が行う救急蘇生法では、救命は期待できない。
- 一時救命処置とは、心肺蘇生(CPR)、AED を用いた電気ショック、気道異物除去の3つをいう。
- 救命の効果を高めるために迅速につなげたい救命の連鎖の4つの輪とは、「心停止の予防―早期認識と通報―ファーストエイド―救急隊による心肺蘇生」である。
- 倒れている人のそばに誰もいない場合は、まず誰かを探しにいき、119 番通報を行ってもらう。
- 倒れている人を見つけたら、触らずに観察し、呼びかけに応答するかどうかを見て、意識状態の反応を確認する。
正答:全 選択肢2に誤植があったため
R4後期:子どもの保健⑥
R4後期 子どもの保健 問6
次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019 年改訂版)」(厚生労働省)における記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 医師の診断指示に基づき、保護者と連携し、適切に対応する。 →〇
- アトピー性皮膚炎の子どもの爪が長く伸びたままである場合、短く切ることを保護者に勧める。 →〇
- 食物アレルギー児それぞれのニーズに細かく応えるため、食物除去は様々な除去法に対応する。 →×
- アレルギー疾患を有する子どもの対応法に関しては、個人情報の保護を優先し職員間での共有は控える。 →×
正答:1 ○ ○ × ×
R4後期:子どもの保健⑦
R4後期 子どもの保健 問7
次のうち、乳幼児の感染症についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 川崎病は、ヒトパルボウイルスによっておこる感染症である。 →×
- 乳児では、結核に感染すると粟粒結核などの重篤な病気になりやすい。 →〇
- MRSA 感染症とは、ペニシリン製剤が無効であるブドウ球菌によっておこる感染症である。 →〇
- 百日咳に罹患すると、特有の連続性、発作性の咳(スタッカート)がみられ、夜間に特にひどい。 →〇
- 突発性発疹は、インフルエンザ菌によっておこる感染症である。 →×
正答:3 × ○ ○ ○ ×
R4後期:子どもの保健⑧
R4後期 子どもの保健 問8
次のうち、虐待事例への援助に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。
- 虐待事例への援助をする際、保護者の意に反する介入をしてはならない。 →×
- プライバシーを守るためには、虐待を発見した保育所のみで対応しなければならない。 →×
- 施設入所となったケースでは、保護者のかかえる課題を解決するための家族支援が重要となる。 →〇
- 施設入所後は、子どもの家庭復帰を積極的に進めていけるよう援助する。 →×
- 在宅での援助を継続する場合、子どものプライバシーを守ることを優先し、関係機関等による連携をしない。 →×
正答:3
R4後期:子どもの保健⑨
R4後期 子どもの保健 問9
次の文は、睡眠に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 新生児は授乳リズムに応じて睡眠覚醒を繰り返しているが、月齢とともに次第に昼夜の区別が可能になる。 →〇
- 乳児は浅い眠りの時に夜泣きしやすい。 →〇
- 成長ホルモンは、入眠時、ノンレム睡眠の最も深い時に比較的多く分泌される。 →〇
- 睡眠リズムの調節と免疫機能の向上作用をもつメラトニンは、日中に比較的多く分泌される。 →×
- 自閉症や情緒障害などで生体リズムが乱れることがあるが、特に睡眠リズムを改善させる必要はない。 →×
正答:1 ○ ○ ○ × ×
R4後期:子どもの保健⑩
R4後期 子どもの保健 問 10
次の文は、保育所での食中毒予防に関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが( A →食べ物)に付着し、体内へ侵入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を( A )に「付けない」、( A )に付着した細菌を( B →「増やさない」)、( A )や調理器具に付着した細菌を( C →「やっつける」)という3つのことが原則となります。
(組み合わせ)
AB C
1 手指 「閉じ込める」 「やっつける」
2 食べ物 「増やさない」 「やっつける」 →〇
3 食べ物 「閉じ込める」 「水で洗い流す」
4 手指 「増やさない」 「水で洗い流す」
5 手指 「閉じ込める」 「水で洗い流す」
正答:2
R4後期:子どもの保健⑪
R4後期 子どもの保健 問 11
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Z保育所に通うM君(2歳、男児)の保護者から、「昨夜から熱が出て耳が痛いというので、今朝受診したところ、おたふくかぜと診断された」と電話があった。M君は昨日元気に登園していた。
【設問】
次のうち、Z保育所の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 学校等欠席者・感染症情報システムを活用し感染症流行状況を確認する。 →〇
- 他児の流行性耳下腺炎の罹患状況、予防接種状況を確認する。 →〇
- 潜伏期間は 10 日前後であるため、その期間は他児たちの健康観察を入念に行う。 →×
- 他児の保護者に注意喚起し、1歳以上からの任意予防接種を受けるよう促す。 →〇
- M君の保護者には、耳下腺の腫脹がわかった今日から少なくとも5日間は登園できないことを伝える。 →〇
正答:3 ○ ○ × ○ ○