R4前期:保育の心理学④

R4前期 保育の心理学 問4
 次の文は、子どもの読み書きに関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
( A  ウ リテラシー)とは読み書き能力、識字力のことであり、萌芽的( A )とは実際に読み書きができるようになる前の子どもが遊びの中で示す、あたかも読み書きができるように振る舞う様々な活動をさす。読み書きができるようになるには( B エ 音韻意識 )が必要となる。例えば、「くるま」の真ん中の音を取ると何になるかと聞かれて、「くま」と答えることができるのは( B )の表れである。( B )の発達は( C  イ しりとり)などの遊びを経験することによって促進される。日本語を母語とする子どもの場合、平仮名のそれぞれの文字が( D  ア 音節)に対応していることに気づくと急激に他の文字も読めるようになる。
【語群】
ア 音節    イ しりとり   ウ リテラシー  エ 音韻意識  オ 意味
カ 音声理解  キ ナラティブ  ク 統語     ケ ままごと
(組み合わせ)
  A B C D
1 ウ エ イ ア →〇
2 ウ カ ケ ク
3 カ エ ケ オ
4 キ カ イ ア
5 キ ク イ オ
正答:1


R4前期:保育の心理学⑤

R4前期 保育の心理学 問5
 次の文は、原因帰属に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
同じように成功や失敗を経験したとしても、成功または失敗の原因をどのように捉えるかによってその後の動機づけが異なる。( A  ワイナー(Weiner, B.))はある出来事の原因を何に求めるかという原因帰属について、統制の位置と( B  安定性)という2つの次元から説明しようとした。一般に、失敗の原因を( C 努力 )に帰属させると動機づけが高まるといわれているが、行動しても期待した結果が得られない状態が続くと「何をやっても無駄だ」とやる気をなくしてしまうこともある。これを( D  セリグマン(Seligman, M.E.P.))は学習性無力感と呼んだ。
(組み合わせ)
A BC D
1 ワイナー(Weiner, B.) 安定性 運 セリグマン(Seligman, M.E.P.)
2 ワイナー(Weiner, B.) 安定性 努力 セリグマン(Seligman, M.E.P.) →〇
3 セリグマン(Seligman, M.E.P.) 安定性 能力 ワイナー(Weiner, B.)
4 セリグマン(Seligman, M.E.P.) 可塑性 努力 ワイナー(Weiner, B.)
5 セリグマン(Seligman, M.E.P.) 可塑性 能力 ワイナー(Weiner, B.)
正答:2


R4前期:保育の心理学⑥

R4前期 保育の心理学 問6
 次のうち、子どもの発達を促す関わりについての記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「イヌ」という言葉をまだ知らない子どもが「ワンワン」と言った時に、「そうね、イヌがいるね」と言う。 →〇
  2. 数の認識が育っていないので、計算問題に取り組ませる。 →×
  3. 子どもが自分で衣類の着脱をしようとしている時に、保育士が衣類を着替えさせる。 →×
  4. 子どもがおもちゃを貸してほしいことを他児に伝えられない時に、保育士が子どもと一緒に「かして」と他児に言いに行く。 →〇

(組み合わせ)
1 A C
2 A D →〇
3 B C
4 B D
5 C D
正答:2


R4前期:保育の心理学⑦

R4前期 保育の心理学 問7
 次の文は、子どもの認知に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
目標を達成するために、自分の遂行している認知過程の状態や方略を評価し、行動の調節や統制を行う過程は( A  ア モニタリング)と呼ばれる。この( A )および( A )に伴う感覚・感情、評価や調節に使用するために認識された知識を総称して( B エ メタ認知 )と呼ぶ。( B )の発達は、( C  ク 幼児期後半)頃から始まり、次第に自分の思考を振り返ることが可能となる。こうした力は学校教育における学習で求められ、例えば、自分で検算して間違いを見いだすことができるようになると、計算することが面白くなるといった( D ウ 内発的動機づけ )に結びついていく。
【語群】
ア モニタリング  イ メタ・コミュニケーション  ウ 内発的動機づけ
エ メタ認知    オ 外発的動機づけ       カ モデリング
キ 学童期後半   ク 幼児期後半
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア イ ク オ
2 ア エ ク ウ →〇
3 カ イ キ ウ
4 カ イ ク オ
5 カ エ キ イ
正答:2


R4前期:保育の心理学⑧

R4前期 保育の心理学 問8
 次の文は、思春期に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
思春期は心身ともに大きな変貌を遂げる時期であり、特に近年では発達加速現象と呼ばれるように身体的発達が促進されており、第二次性徴の発現が低年齢化する( A  ア 成熟前傾現象)がみられる。思春期における養育者からの( B イ 心理的 )分離の過程では、周囲の大人や社会に対して反抗的な行動が現れることがあり、この時期を( C ク 第二次 )反抗期という。反抗が起こる理由の一つとして、養育者などの周囲の大人からの自立と( D  カ 依存)という気持ちが共存することがあげられる。子どもと養育者は、「個」対「個」としての新たな関係を模索し、構築する時期である。
【語群】
ア 成熟前傾現象  イ 心理的  ウ 成長加速現象  エ 社会的
オ 第一次     カ 依存   キ 拡散      ク 第二次
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア イ ク カ →〇
2 ア エ オ キ
3 ウ イ ク カ
4 ウ エ オ キ
5 ウ エ ク キ
正答:1


R4前期:保育の心理学⑨

R4前期 保育の心理学 問9
 次の文は、高齢期に関する記述である。下線部(a)~(d)に該当する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
高齢期には、(a キ 英知(wisdom))人が生きていくことそのものに関わる問題についての賢さ、聡明さといった人生上の問題に対して実践的に役立つ知識が増すことがある。そこでは、人間や社会についての豊富な知識に裏打ちされた柔軟で明確な見識を持ちあわせていることが条件になる。
また高齢期では、(bエ サクセスフル・エイジング )加齢による衰えがありつつも、歳をとってもこうでありたいという自分を保持しながら「上手に歳をとる」といった加齢への向き合い方が重要になる。
バルテス(Baltes, P.B.)らは、こうした加齢変化に伴い自分の行動を制御する方略についての理論を提唱した。具体的には、(c カ 選択)自分の生活をより安全にするために、加齢による機能低下を見越して運転免許証の返納を決断する、そして、(d オ 補償)車を運転しないことにより買い物が不自由になるため、宅配サービスを利用するというように、新たな生活スタイルを作り上げて最適化を図る。それによりこれまでとは変わらない行動が維持されていくのである。
【語群】
ア センス・オブ・ワンダー   イ ライフサイクル  ウ 喪失
エ サクセスフル・エイジング  オ 補償       カ 選択
キ 英知(wisdom) ク 転移
(組み合わせ)
  a b c d
1 ア イ カ ウ
2 エ ア ウ ク
3 エ イ ク オ
4 キ エ ウ ク
5 キ エ カ オ →〇
正答:5


R4前期:保育の心理学⑩

R4前期 保育の心理学 問 10
 次の文は、ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)が提唱した人の発達を取り巻く環境に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ブロンフェンブレンナーは、( A  イ 生態学的システム論)を提唱した。保育所に通っている子どもが直接経験する環境である( B  オ マイクロシステム)は、主に保育所と家庭である。この保育所と家庭は相互に関係しあい、( C  カ メゾシステム)として機能する。例えば、子どもの父親の職場において、残業が当たり前で、定時には帰りづらいという雰囲気があると、父親の帰宅はいつも遅く、子どもが父親と過ごす時間が短くなるなど、父親の職場は間接的に子どもに影響するので、( D キ エクソシステム
)といえる。
【語群】
ア 正統的周辺参加論  イ 生態学的システム論  ウ クロノシステム
エ マクロシステム   オ マイクロシステム   カ メゾシステム
キ エクソシステム
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア エ オ キ
2 ア オ キ エ
3 イ オ カ キ →〇
4 イ カ エ ウ
5 イ キ カ オ
正答:3


R4前期:保育の心理学⑪

R4前期 保育の心理学 問 11
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
4歳児クラスの担当保育士は動物の描かれたカードを紙袋に入れて持っている。保育士が「すべてのヒントを聞いてから手を挙げて答える」というルールを確認してから、「私は誰でしょう」のクイズが始まる。「ヒント1、私は動物です」「ヒント2、私は海ではなく陸に住んでいます」「ヒント3、私のからだの色は白と黒です」「ヒント4、私は笹の葉が大好きでよく食べます」。子どもたちはヒント1、ヒント2の段階からありとあらゆる知っている動物の名前を口に出してしまう。保育士は「ライオンかな、キリンかなと思っても、声を出さないで頭の中にしまっておこうね」と言うが、ヒント3の段階でも「しまうま!」「パンダ!」と叫んでいる子どもがいる。保育士は「しーっ!今の言葉も頭にしまっておこうね」と言う。最後のヒントでほとんどの子どもが分かるが、それを言葉に出さないのは難しい。
【設問】
次のうち、下線部の子どもの姿を説明する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 社会的比較を行っている。 →×
  2. 短期記憶を使用している。 →〇
  3. 自己抑制を行っている。 →×
  4. 意味記憶に含まれる情報を検索している。 →〇

正答:4 × ○ × ○


R4前期:保育の心理学⑫

R4前期 保育の心理学 問 12
 次のうち、子育てに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 育児不安とは、親が育児に自信をなくし、育児の相談相手がいない孤立感や、何となくイライラするなど、育児へのネガティブな感情や育児困難な状態であることをいう。育児ノイローゼや育児ストレスという表現も用いられる。 →〇
  2. 産後うつ病は、いわゆるマタニティブルーズといわれるものであり、出産後急激に女性ホルモンが減少することによって情緒不安定になり、訳もなく涙が出る、不安感や抑うつ感などの精神症状や不眠などを示す一過性の症状である。 →×
  3. 養護性(ナーチュランス)とは、「小さくて弱いものを見ると慈しみ育もうという気持ち」になる心の働きをいう。養護性は性別に限らず誰もが持っている特性である。 →〇
  4. 親準備性とは、まだ乳幼児を育てた経験のない思春期・青年期の人に対する、子育てに関する知識や技能、子どもへの関心、親になる楽しみなど、親になるための心理的な準備状態や態度などをいう。 →〇

正答:2 ○ × ○ ○


R4前期:保育の心理学⑬

R4前期 保育の心理学 問 13
 次の文は、ヒトの出生時の特徴に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
( A ポルトマン(Portmann, A.) )は、被毛の有無や感覚器官の発達の度合いとともに、成体とほぼ同様の姿勢保持・移動運動様式を備えて出生する、ヒト以外の霊長類も含めた高等哺乳類の出生を( B 離巣性 )とした。これに対して、ヒトは高等哺乳類でありながら( C 就巣性 )の種を想起させる未熟な発育・発達のまま出生するため、( A )はヒトの出生を( D 二次的就巣性 )と特徴づけた。
(組み合わせ)
A BC D
1 ローレンツ(Lorenz, K.) 就巣性 離巣性 二次的離巣性
2 ローレンツ(Lorenz, K.) 離巣性 就巣性 二次的就巣性
3 ポルトマン(Portmann, A.) 就巣性 離巣性 二次的就巣性
4 ポルトマン(Portmann, A.) 就巣性 離巣性 二次的離巣性
5 ポルトマン(Portmann, A.) 離巣性 就巣性 二次的就巣性 →〇
正答:5


R4前期:保育の心理学⑭

R4前期 保育の心理学 問 14
 次の文は、子ども同士の関わりについての記述である。下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
2~3歳頃では、(a オ 並行遊び)近くで同じような遊びをしていても、互いのやりとりはみられないことが多い。活発にやりとりして遊ぶようになると、(b カ 対人葛藤)自分がやりたいことと仲間のやりたいこととのぶつかり合いを経験することになる。その後、4~5歳になると、(c ウ 役割取得)相手の立場に立って、自分とは異なる相手の気持ちや考えを徐々に理解できるようになっていく。
したがって、保育士は子ども相互の気持ちや想いをつなぎ、子どもが(d ク 自己調整力)自分自身の気持ちをコントロールする力を身につけるように配慮する必要がある。
【語群】
ア 連合遊び  イ 対人拮抗  ウ 役割取得   エ 対人調整力  オ 並行遊び
カ 対人葛藤  キ 共感    ク 自己調整力
(組み合わせ)
  a b c d
1 ア イ キ エ
2 ア カ ウ エ
3 オ イ ウ ク
4 オ イ キ エ
5 オ カ ウ ク →〇
正答:5


R4前期:保育の心理学⑮

R4前期 保育の心理学 問 15
 次のうち、年度途中で新入所児を迎えた時の保育に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 入所時において、子どもは心の拠りどころとなる保護者からも、慣れ親しんだ家庭からも離れ、保育士等や他児と慣れない場所で生活することになる。保育士等は、こうした子どもの不安な思いを理解して、様々な保育士等が関わることで、人間関係を広げるよう努めることが大切である。 →×
  2. 入所時の子どもが自分の居場所を見いだし、好きな遊具で遊ぶなど、環境にじっくりと関わることができるよう援助することが大切である。 →〇
  3. 既に入所している子どもは保育所の生活になじんでいるので、新しい友達との出会いに不安を持つことはなく、環境の変化による動揺はみられない。 →×
  4. 保育士等は、既に入所している子どもと入所してきた子どもの双方と関わりながら、子ども同士が安定した関係を築けるように援助していくことが必要である。 →〇

正答:4 × ○ × ○


R4前期:保育の心理学⑯

R4前期 保育の心理学 問 16
 次のうち、「少子化社会対策大綱」(令和2年5月 29 日 閣議決定)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 結婚は個人の自由な意思決定に基づくものであるので、地方公共団体が、出会いの機会・場の提供、結婚に関する相談・支援や支援者の養成、ライフプランニング支援などの総合的な結婚支援をすることはない。 →×
  2. 妊娠・出産への支援では、不妊治療への経済的負担軽減を図るための助成金、また、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して、切れ目のない支援体制の充実に取り組む。 →〇
  3. 男女ともに仕事と子育てを両立できる環境の整備として、就労希望者の潜在的な保育ニーズに対応し、就労しながら子育てをしたい家庭を支えるための待機児童解消、男性の家事・育児参画の促進を推進する。 →〇
  4. 地域社会による子育て支援としては、国が全国一律に子育て家庭に共通の困難やニーズを把握し、子ども・子育て支援の充実を図る。また、保護者の就労形態や就労の有無に応じた多様な保育・子育て支援を提供する。 →×

正答:4 × ○ ○ ×


R4前期:保育の心理学⑰

R4前期 保育の心理学 問 17
 次のうち、子どもの生活や遊びに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 日常の出来事について時間的・空間的に系列化された知識はワーキングメモリと呼ばれ、それにより筋や流れのある遊びができるようになる。 →×
  2. ひとり遊びは幼児期前期に多くみられるが、5歳児でもひとり遊びをしているからといって発達が遅れているとは限らない。 →〇
  3. 子どもたちが集団に適応していく過程では、例えば、クラス対抗のリレーで力を合わせ、集団のルールに従うなど、自分は集団の一員であるという帰属意識を持つようになる。 →〇
  4. 他の子どもたちとの様々なやりとりを通して、状況を理解して相手の気持ちを考えることは、心の理論の獲得につながる。 →〇

正答:4 × ○ ○ ○


R4前期:保育の心理学⑱

R4前期 保育の心理学 問 18
 次の【図】は、厚生労働省委託調査「平成 30 年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書 労働者アンケート調査結果」における「末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由」「仕事と育児の両立の難しさで辞めた理由」について示したものである。以下の【設問】に答えなさい。
【図】
第1-1-24図 末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由
末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由(複数回答)

仕事と育児の両立の難しさで辞めた理由(複数回答)

資料:厚生労働省委託調査「平成 30 年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書 労働者アンケート調査結果」(複数回答)(2019 年)
 注:「非正社員」は有期契約社員・職員
【設問】
次のうち、【図】を説明する文として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 末子の妊娠判明当時に仕事を辞めた女性にその理由を尋ねたところ、正社員、非正社員でも、上位3位まで、その理由は同じ項目である。 →×
  2. 「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」と回答した女性にその理由を尋ねたところ、正社員では、「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」が最も多い。 →×
  3. 「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」と回答した女性にその理由を尋ねたところ、非正社員では、「会社に産前・産後休業や育児休業の制度がなかった」が最も多い。 →〇

正答:5 × × ○


R4前期:保育の心理学⑲

R4前期 保育の心理学 問 19
 次のうち、乳幼児期から児童期の心的外傷(トラウマ)体験についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 1歳児は、トラウマの反応を示しはするが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症することはない。 →×
  2. 夫婦間暴力の目撃は、乳幼児にとって心的外傷になりうる。 →〇
  3. 乳幼児期には、トラウマの内容として、性的虐待は含まれない。 →×
  4. 乳幼児期において、注意欠如は、トラウマ後の反応としてはみられないため、これがみられれば心的外傷後の反応である可能性は低い。 →×
  5. 乳幼児期に虐待をうけ、トラウマ反応がある場合、それは心理的、行動上の反応であるが、脳の機能的、器質的問題がその時点で進行している可能性はない。 →×

正答:4 × ○ × × ×


R4前期:保育の心理学⑳

R4前期 保育の心理学 問 20
 次のうち、障害を持つ子どもの家族への支援に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 医師が障害の診断を告知した後の支援方針の策定に際しては、教育、福祉等の医療以外の領域の専門家の関与が必要である。  →〇
  2. 家族の障害受容については、エリザベス・キュブラー・ロス等のステージ理論にあてはまらず、障害の肯定と否定を繰り返すこともある。 →〇
  3. 主たる養育者である母親の障害受容の程度については、子どもの障害の程度の強さが最も関与する。 →×
  4. 障害の状態や方針にかかわる正確な情報提供は、障害受容には関与しない。 →×
  5. 障害受容をしない家族に対して、支援者が怒りなどの陰性感情を抱くことがある。 →〇

正答:2 ○ ○ × × ○


R4前期:子どもの保健①

R4前期 子どもの保健 問1
 次の文は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」1「保育所における子育て支援に関する基本的事項」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の( A  エ 信頼関係)を基本に、保護者の( B  イ 自己決定)を尊重すること。
  • 子どもの( C  オ 利益)に反しない限りにおいて、保護者や子どもの( D  キ プライバシー)を保護し、知り得た事柄の( E  ケ 秘密)を保持すること。

【語群】
ア 理解    イ 自己決定    ウ 守秘義務  エ 信頼関係  オ 利益
カ 個人情報  キ プライバシー  ク 主体性   ケ 秘密
(組み合わせ)
A B C D E
1 ア イ オ カ ウ
2 ア オ ク カ ケ
3 ア オ ク キ ウ
4 エ イ オ キ ケ →〇
5 エ イ ク キ ケ
正答:4


R4前期:子どもの保健②

R4前期 子どもの保健 問2
 次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」2「養護に関する基本的事項」ア「生命の保持」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの生命を守り、子どもが快適に、そして健康で安全に過ごすことができるようにする。 →〇
  2. 子どもの生理的欲求が十分に満たされ、健康増進が積極的に図られるようにする。 →〇
  3. 一人一人の子どもの健康状態や発育及び発達状態を把握する。 →〇
  4. 子どもの生活や発達過程等にふさわしい生活リズムをつくるために、保育所での生活に合わせ、家庭での生活リズムを変えるよう指示することが大切である。 →×

正答:2 ○ ○ ○ ×


R4前期:子どもの保健③

R4前期 子どもの保健 問3
 虐待は子どもの心身に深刻な影響を及ぼす。その影響についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 身体的影響には、成長ホルモンの抑制による成長不全を呈することもある。 →〇
  2. 知的発達面への影響には、養育者が子どもの知的発達に必要なやりとりを行わない、年齢や発達レベルにそぐわない過大な要求をするなどにより、知的発達を阻害してしまうことがある。 →〇
  3. 心理的影響として、対人関係の障害、低い自己評価、行動コントロールの問題などがある。 →〇

正答:1 ○ ○ ○


R4前期:子どもの保健④

R4前期 子どもの保健 問4
 次のうち、子どもの生理機能の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの年齢が低いほど、新陳代謝はおだやかであるので、脈拍数は多く体温は高めである。 →×
  2. 乳幼児は成人と比べ、体重あたりの必要水分量や不感蒸泄量が多いため、脱水になりやすい。 →〇
  3. 胎児循環には卵円孔や動脈管が存在するが、肺呼吸の開始とともに心臓・血管系の解剖学的変化が生じる。 →〇
  4. 乳児の呼吸は幼児に比べて深くゆっくりである。 →×
  5. 体温には日内変動があるが、乳幼児期では不鮮明で、年長児になって鮮明となってくる。 →〇

正答:4 × ○ ○ × ○


R4前期:子どもの保健⑤

R4前期 子どもの保健 問5
 次のうち、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」(厚生労働省)における子どもが登園を控えるべき状況として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 今朝の体温が 37.2℃でいつもより高めであるが、食欲があり機嫌も良い。 →×
  2. 昨夜の体温は 38.5℃で解熱剤を1回服用し、今朝の体温は 36.8℃で平熱である。 →〇
  3. 伝染性膿痂疹と診断され、掻き壊して浸出液が多くガーゼで覆いきれずにいる。 →〇
  4. 夜間は咳のために起き、ゼーゼーという音が聞こえていたが、今朝は動いても咳はない。 →×
  5. 昨日から嘔吐と下痢が数回あり、今朝は食欲がなく水分もあまり欲しがらない。 →〇

正答:3 × ○ ○ × ○


R4前期:子どもの保健⑥

R4前期 子どもの保健 問6
 次の【Ⅰ群】の感染症と、【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A 水痘
B 溶連菌感染症
C 伝染性紅斑
D 風しん
E 咽頭結膜熱
【Ⅱ群】
ア 秋から春にかけて流行し、両頬に赤い発しんがみられ、手足にレース様の紅斑ができる。妊娠前半期に感染すると胎児に影響を及ぼす。 →〇C 伝染性紅斑
イ 軽い発熱とともに発しんが表れ、最初は小紅斑で、やがて丘疹となり水疱ができる。いろいろな状態の発しんが同時にみられる。痂皮になると感染性はないものと考えられる。 →〇A 水痘
ウ 急に 39℃の発熱があり、目の結膜が赤くなり目やにが出て、喉の痛みを訴える。年間を通じて発生するが、夏季に多い。 →〇E 咽頭結膜熱
エ 発熱があり、のどの痛みを訴える。手足、顔に発しんがみられ、舌がイチゴのように赤く腫れる。 →〇B 溶連菌感染症
オ 発熱があり、顔や首のまわりに発しんが表れ、頸部のリンパ節が腫れる。妊娠初期に感染すると胎児に影響を及ぼす。 →〇D 風しん
(組み合わせ)
A B C D E
1 ア ウ オ エ イ
2 イ ウ オ ア エ
3 イ エ ア オ ウ →〇
4 ウ エ ア オ イ
5 オ エ ア イ ウ
正答:3


R4前期:子どもの保健⑦

R4前期 子どもの保健 問7
 次の文は、ノロウイルスに関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ノロウイルスは、熱や薬品への抵抗性が非常に強いことが予防を困難にしています。活性を失わせるためには、( A 85 )℃以上で 90 秒以上の加熱又は( B  次亜塩素酸ナトリウム)による消毒が有効です。( B )は、揮発性で、( C  塩素ガス)が発生するため、窓を開けて換気します。
(組み合わせ)
AB C
1 85 逆性石鹸 硝酸ガス
2 85 逆性石鹸 塩素ガス
3 85 次亜塩素酸ナトリウム 塩素ガス →〇
4 60 次亜塩素酸ナトリウム 硝酸ガス
5 60 次亜塩素酸ナトリウム 塩素ガス
正答:3


R4前期:子どもの保健⑧

R4前期 子どもの保健 問8
 次のうち、子どもの紫外線対策に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 毎晩その日の汚れを落とすように、日焼け止めも落とす。 →〇
  2. 日焼け止めは、二度塗りすることで終日効果が保たれる。 →×
  3. 子どもは新陳代謝が盛んなので、紫外線の影響は翌年には消える。 →×
  4. 日焼け止めの効果や特徴は、商品によって異なる。 →〇

正答:3 ○ × × ○


R4前期:子どもの保健

R4前期 子どもの保健 問9
 次のうち、子どもたちによく見られる水いぼ(伝染性軟属腫)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 病原体は伝染性軟属腫菌である。 →×
  2. 水を介して感染するので、プールは禁止とする。 →×
  3. 水いぼを左右から押すと、中央から白色の粥状の物質が排出され、この中に病原体が存在する。 →〇
  4. 自然経過で治癒することもある。 →〇

正答:4 × × ○ ○


R4前期:子どもの保健⑩

R4前期 子どもの保健 問 10
 次のうち、保育所での事故防止対策として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 十分な監視体制の確保ができない場合は、プール活動の中止も選択肢とする。 →〇
  2. 普段食べている食材は、窒息の心配はないので、安心して与えて良い。 →×
  3. 食物アレルギーの子ども用の代替食は、子どもの心情を配慮して、他児のものと見た目が変わらないように工夫する。 →×
  4. 食事介助をする際には、汁物などの水分を適切に与える。 →〇

正答:3 ○ × × ○


R4前期:子どもの保健⑪

R4前期 子どもの保健 問 11
 次のうち、幼児期の言語の問題に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 3歳時点での発話が、単語5~6語で、二語文の表出がみられない場合には、言語発達の遅れを疑う。 →〇
  2. 選択性緘黙は、言語能力が正常であるにもかかわらず、家庭、保育所等どのような場面でも話をしない。 →×
  3. 吃音は、大半は6歳までにみられる。 →〇
  4. 幼児期に吃音がある場合、成人になって言語能力が低い状態が続く。 →×
  5. 音声チック症では、わいせつな言葉や社会的に受け入れられない言葉を発することがある。 →〇

正答:3 ○ × ○ × ○


R4前期:子どもの保健⑫

R4前期 子どもの保健 問 12
 次のうち、子どもの身体症状として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 感染症とは考えられない咳が続いている場合、音声チック症の可能性を考慮すべきである。 →〇
  2. 行動障害としての抜毛症は、子どもが容姿を気にして恥ずかしいと思うようになることにより解消することが多い。 →×
  3. 夜尿への対処としては、夜間の排尿誘導が推奨される。 →×
  4. DSM-5では、吃音も神経発達症の一部と考えられている。 →〇
  5. 身体の痛みは、精神的な要因によっては起こりえない。 →×

正答:2 ○ × × ○ ×


R4前期:子どもの保健⑬

R4前期 子どもの保健 問 13
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳の男児。思い通りにならないとかんしゃくがひどく、他児とのトラブルを起こしがちで、言葉の遅れもありそうなことを心配した両親に連れられ、児童精神科を受診したところ、自閉スペクトラム症(ASD)と診断された。病院で施行された発達検査でIQは 95 で、結果には検査項目により大きな凸凹があったと説明された。
【設問】
次のうち、この男児に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. かんしゃくを起こさないように本人の思い通りにさせる。 →×
  2. IQが 95 と正常域にあるので、特別な配慮は必要ない。 →×
  3. かんしゃくに対しては本人に負けないような大きな声でその場で事情を説明する。 →×
  4. 一日のスケジュールがわかるような絵を描いて説明する。 →〇
  5. 友達とトラブルが多いので、仲良くするように指導する。 →×

正答:4 × × × ○ ×