R3前期:保育の心理学③

R3前期 保育の心理学 問3
 次の文は、子どもの言語発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもは、時には「ワンワン」を犬だけでなく、ねこ、うま、うし、などのあらゆる四つ足動物に使ったり、大人の男性を「パパ」といったりするように、語を大人の語の適用範囲よりも広く使う。これを語の過大般用/語彙拡張(over-extention)という。 →〇
  2. 子どもは、時には自分のコップだけを「コップ」というなど、特定の文脈だけに限定された語の使用をする。これを語の過小般用/語彙縮小(over-restriction)という。 →〇
  3. 子どもが早期に獲得する語彙 50 語の中では、人や物のような目に見える具体物を表す名詞よりも、動きを表す動詞の方が獲得しやすい。  →×
  4. 語彙爆発/語彙噴出(vocabulary spurt)とは、これまで少しずつ増えていた子どもの語彙が、ある時期に急増する現象をいう。 →〇

正答:2 ○ ○ × ○


R3前期:保育の心理学④

R3前期 保育の心理学 問4
 次の(A)~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ヒトにおいては、発達の過程の中で遺伝と環境の問題は、(A イ 遺伝と環境の相互作用)が発達を規定していると捉えられている。また、近代の高度産業社会の成立とともに、世代が新たになるにつれて、様々な発達が低年齢化したり、集団や地域差が生じるという(B エ 発達加速現象)が指摘された。(B エ 発達加速現象)には2つの側面がみられる。一つは、発達速度や発達水準の差を異なる世代間の相違とする(C オ 年間加速現象)であり、①身長・体重の伸び、②第二次性徴発現の低年齢化などがあげられる。もう一つは、発達速度や発達水準の差を同世代間の集団差、地域差とする( D カ 発達勾配現象)であり、①都市部の青少年は、それ以外の郡部の青少年に比較して身長が高い、②都市部の児童は、それ以外の郡部の児童よりも性成熟が低年齢化している、などがあげられる。
【語群】
ア 環境      イ 遺伝と環境の相互作用  ウ 発達普遍現象  エ 発達加速現象
オ 年間加速現象  カ 発達勾配現象
正答:4 イ エ オ カ


R3前期:保育の心理学⑤

R3前期 保育の心理学 問5
 次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の発生的認識論に関する記述である。(A)~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ピアジェの発生的認識論では、2~7歳の子どもは(A イ 前操作期)にあたる。この時期は(B エ 前概念的思考)と(C オ 直観的思考)とに分けて考えられている。この説によれば(B エ 前概念的思考)では、子どもは2頭のゾウを見て、そこから共通性を取り出しゾウというひとまとまりである類として捉えることは難しく、「ゾウの花子」「ゾウの太郎」というようにそれぞれ個として考える。(C オ 直観的思考)では、カテゴリーを伴う思考ができるようになり、徐々に複数の知覚情報によって理解できるようになる。例えば、大きさだけで理解していたことが、大きさと重さの2つから考えられるようになり、「大きいけれど軽い」などの判断が可能になる。しかし、その一方で、この時期の子どもの判断は見かけにより左右され、また他人の視点にたって物事を捉えて行動することが難しいことなどをピアジェは( D  キ 自己中心性)と名づけた。
【語群】
ア 具体的操作期  イ 前操作期   ウ 感覚的思考  エ 前概念的思考
オ 直観的思考   カ 論理的思考  キ 自己中心性  ク 利己主義
(組み合わせ)
  A B C D

  1. ア ウ オ ク
  2. ア ウ カ キ
  3. ア エ オ キ
  4. イ ウ カ ク
  5. イ エ オ キ  →〇

正答:5


R3前期:保育の心理学⑱

R3前期 保育の心理学 問 18
 次の【図】は、「平成 27 年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」(内閣府)における、「別居している子供を持つ高齢者が、別居している子供と会ったり、電話等で連絡をとったりしている頻度」について示したものである。以下の【設問】に答えなさい。
(備考)60 歳以上の男女を対象に、別居している自分の子供との接触頻度について尋ねた調査である。
【図】
図表3-2-イ-1 別居している子供との接触頻度(男女別)
(別居している子供がいる方に)

【設問】
次のA~Dのうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 各国の「全体」では、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」を合わせた割合は、アメリカ、ドイツ、スウェーデンでは6割を超えるが、日本はおおよそ5割である。 →〇
  2. 各国の「全体」では、日本、ドイツ、スウェーデンでは「週に1回以上」の割合が最も高く、次いで日本とスウェーデンでは「月に1~2回」の割合が高くなっている。  →×
  3. 「男性」に着目すると、日本とドイツの男性は、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」を合わせた割合が5割を下回っている。  →×
  4. 性別で比較すると、4か国とも「ほとんど毎日」の割合は男性より女性で高く、特にアメリカとドイツでは女性の割合が男性よりも 10%以上高い。 →〇

正答:3 ○ × × ○


R3前期:保育の心理学⑥

R3前期 保育の心理学 問6
 次の文は、幼児の学びの過程に関する記述である。(a)~(d)の下線部分を説明するものとして、【説明欄】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
幼児期においても、子どもは様々な工夫をしながら、すでに計算のやり方を発見しているのである。例えば、(a )おはじき2個と3個を合わせるのであれば、指を2本立て、次に指を3本立て、改めて(b )指を数え直すと5になることを見い出す。そのうちに、はじめの2本は立てずに後の3本を立て、(c )「1、2」と口で言って、3本の指を立てる時点で「3、4、5」と口で言うこともするようになる。さらに(d )「3に5を足す」といった場合に、「5に3を足す」というように、順序を逆に行うと楽だということも発見する。
【説明欄】
ア 「対象を数える順序は数に無関係である」ことは順序不変の原則という。
イ 「数詞をいつも同じ順序で唱える」ことは安定した順序の原則という。
ウ 「付与された最後の数詞が対象の集合の数を示す」ことは基数の原則という。
エ 「数える対象のそれぞれに、ただ一つの数詞を割り当てる」ことは一対一対応の原則という。
(組み合わせ)
  a b c d

  1. ア イ ウ エ
  2. ア ウ イ エ
  3. ウ イ エ ア
  4. エ ア ウ イ
  5. エ ウ イ ア →〇

正答:5


R3前期:保育の心理学⑦

R3前期 保育の心理学 問7
 次の文のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもからの働きかけを踏まえた、応答的な触れ合いや言葉がけによって、欲求が満たされ、安定感をもって過ごす。 →〇
  2. 保育士は、子どもの反応を引き出し、関心を方向づけ、保育士からの働きかけを受け止める力を育てるようにすると、子どもは身近な環境に親しみをしめすようになる。  →×
  3. 生活の中でも、遊びの中でも、保育士等が主導し、たくさんの経験を重ねることで、後の子どもの主体性の芽生えを育む。  →×
  4. 保育士等による語りかけや歌いかけ、発声や喃語等への応答を通じて、言葉の理解や発語の意欲が育つ。 →〇

正答:3 ○ × × ○


R3前期:保育の心理学⑧

R3前期 保育の心理学 問8
 次のうち、観察法についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1.  観察法は、構造化の程度によって構造化観察、半構造化観察、非構造化観察の3種類に分類される。  →×
  2. 観察者が存在することによる影響をできるだけ避けようとする場合、傍観的観察を行う。 →〇
  3. 参与観察は、人の生活の場で対象となる人たちと関わりながら、観察することをいう。 →〇
  4. 現場に解決すべき課題があると気づいたとき、当事者たちの生活や社会をよくするために観察し、実践研究を進めていくことをアクションリサーチという。 →〇

正答:4 × ○ ○ ○


R3前期:保育の心理学⑨

R3前期 保育の心理学 問9
 次のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」に照らして、子どもの障害や発達上の課題への対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 他の子どもや保護者に対しては、保育所としての方針や取り組み等について丁寧に説明するとともに、必要に応じて障害に対する正しい知識や認識ができるように配慮する。 →〇
  2. かかりつけ医や保健センター等との連携をはじめ、児童発達支援センター等の専門機関からの助言を受けたりするなど、状況に応じて関係機関と協力しながら支援していくことが重要である。 →〇
  3. 保育所では、子どもへの援助に関する計画や記録を個別に作成して進め、一方、保護者支援は外部専門機関に託するなど、分けて考えるのが基本である。  →×
  4. 就学に際しては、保護者の意向よりもこれまでの保育所生活を踏まえ、小学校や特別支援学校等への交渉を図ることが求められる。  →×

正答:2 ○ ○ × ×


R3前期:保育の心理学⑩

R3前期 保育の心理学 問 10
 次の文は、学童期以降の仲間関係に関する記述である。(A)~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
小学生の中・高学年に形成される(A ア 凝集性)の高い仲間集団は(B イ ギャング・グループ)と呼ばれる。(B イ ギャング・グループ)は、一緒に同じ活動に熱中することで得られる一体感や充実感を活力源とする集団である。一方、中学生頃の女児にしばしばみられる(C エ チャム・グループ)は、お互いの感覚が同じであり「分かり合っている」ことを確認し、誇示する仲間集団である。(C エ チャム・グループ)が(B イ ギャング・グループ)と異なるのは、単に同じ活動を共に行うだけでなく、共通の趣味や話題を核とした密接な関わりをもつ点にある。だが、どちらも( D ク 排他的)な性質をもつことは共通した特徴である。
しかし、現代では、遊び場の減少や( E キ 少子化)の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、こうした仲間集団のあり方が変化しているといわれる。
【語群】
ア 凝集性  イ ギャング・グループ  ウ 拡散性  エ チャム・グループ
オ 親和的  カ ピア・グループ  キ 少子化  ク 排他的  ケ 高齢化
(組み合わせ)
  A B C D E
1 ア イ エ ク キ →〇
2 ア イ カ オ ケ
3 ア イ カ ク キ
4 ウ エ イ ク キ
5 ウ カ エ オ ケ
正答:1


R3前期:保育の心理学⑪

R3前期 保育の心理学 問 11
 次のA~Dのうち、エリクソン(Erikson, E.H.)の発達理論に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 生涯は8つの段階に区分され、各段階はその時期に達成されるべき発達課題をもち、それを乗り越えることにより次の段階に進むという過程をたどる。 →〇
  2. 学童期から青年期にあたる第4段階と第5段階では、「自主性 対 罪悪感」、「同一性 対 同一性の混乱」の危機がある。  →×
  3. 青年期はアイデンティティを模索する時期であり、モラトリアムの時期としている。 →〇
  4. アイデンティティとは、自己の連続性と斉一性についての感覚であり、「自分とは何か」についての答えである。 →〇

正答:2 ○ × ○ ○


R3前期:保育の心理学⑫

R3前期 保育の心理学 問 12
 次のA~Dのうち、幼児と周囲の大人との関係に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして考えた場合、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育所の生活において地域の人たちと積極的に関わる体験をもつことは、人と関わる力を育てる上で大切である。 →〇
  2. 子どもが地域の人々との交流を通して、人間は一人だけで孤立して生きているのではなく、周囲の人たちと支え合って生きていることを実感することが大切である。 →〇
  3. 近年は、家庭においても地域においても人間関係が希薄化し、子どもたちの人と関わる力が弱まってきている。 →〇
  4. 保育士は、親や祖父母などの家族のことを話題にすることで、子どもが家族の愛情に気付き、家族を大切にしようとする気持ちをもつように働きかけることが必要である。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ ○


R3前期:保育の心理学⑬

R3前期 保育の心理学 問 13
 次のA~Dのうち、子育てを取り巻く社会的状況に関する記述として、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「保育所等関連状況取りまとめ(平成 31 年4月1日)」(令和元年 厚生労働省)において、保育所等待機児童数の状況を年齢別にみると0歳児の利用率が上昇傾向にあり、待機児童数は特に0歳児に多い。  →×
  2. 「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(平成 28 年 内閣府)によると、子育てと親の介護を同時に担うダブルケアを行う者は 30 歳~ 40 歳代が多く、男女ともにダブルケアを行う者全体の約8割を占める。 →〇
  3. ひとり親家庭になる原因の一つである離婚に関して、「平成 29 年(2017)人口動態統計の年間推計」(厚生労働省)によると、日本の年間婚姻件数と離婚件数の割合は、ほぼ4:1である。  →×
  4. 「統計が語る平成のあゆみ」(平成 31 年 総務省)および「平成 30 年版男女共同参画白書概要」(平成 30 年 内閣府)によると、女性の社会進出に伴い、女性の労働力人口比率のM字型曲線は少しずつ緩やかになり、共働き世帯は増加している。 →〇

正答:4B D


R3前期:保育の心理学⑭

R3前期 保育の心理学 問 14
 次のA~Dのうち、子育て支援に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保護者に対する子育て支援を適切に行うためには、自らの役割や専門性の範囲を踏まえると同時に、関係機関の役割や機能を理解して、各機関との連携を意識することが重要である。 →〇
  2. 「受容」とは、保護者の不適切な態度や要求を応諾することである。  →×
  3. 人見知りや自己主張など、一見否定的に見える子どもの姿にも発達的意義があることを保護者に伝えることで、保護者の子ども理解が深まり、子どもへの関わりの質の向上につながる。 →〇
  4. 保護者の子育てを自ら実践する力を向上させるために、保育士は一定の水準を定め、すべての保護者をその水準に押し上げるよう支援することが求められる。  →×

正答:3 ○ × ○ ×


R3前期:保育の心理学⑮

R3前期 保育の心理学 問 15
 次のA~Dのうち、幼児期の子ども同士で生じる「いざこざ」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 幼児期の子どもは、相手の思いや意図を理解したり、同じイメージやルールの理解を共有したり、自分の情動をコントロールするといったことがまだ十分には身についていないため、いざこざが生じることが多い。 →〇
  2. 幼児期のいざこざには、たまたま相手の身体が触れて、自分の作っていた積み木が崩れてしまうなど、偶発的な理由から生じるものはない。  →×
  3. いざこざに対する方略として、自分の権利を主張したり、交渉したり、保育士に「○○ちゃんがとった」と訴え、権威のある者に解決を依存することもある。 →〇
  4. 3歳後半頃になると、いざこざの体験を重ねることを通して人間関係が深まり、友達や周囲の人の気持ちに触れて、相手の気持ちに共感したり、相手の視点から自分の行動を振り返ったりして、考えながら行動する姿がみられるようになる。  →×

正答:3 ○ × ○ ×


R3前期:保育の心理学⑯

R3前期 保育の心理学 問 16
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
ある保育所で5歳児クラスの男児4人は、砂場で高い山を作ろうとして、山の近くの砂をかき集める、バケツに砂を入れて渡す、バケツを受け取って砂をかけるなどしている。その様子を見て、同じクラスのP君が「僕も入れて」と言いながらやって来た。男児4人は「ねぇ、P君は仲間だったっけ?」「最初から(砂山作りに)いなかったよねぇ」などと言い始めた。仲間に入りたいP君は「僕は力持ちだからたくさん砂を運べるよ」と訴えると、男児のうち一人が「そうだ、P君は力持ちなんだよね」と認め、他の男児も「そっか、P君が入ればパワーアップだ」と答え、4人は納得してP君を砂山作りの仲間に入れることにした。
【設問】
この事例と、最も関連性の低い用語を一つ選びなさい。

  1. 帰属意識
  2. 協同性
  3. 自己主張
  4. 自他比較
  5. 社会的参照 →〇

正答:5


R3前期:保育の心理学⑰

R3前期 保育の心理学 問 17
 次の文は、ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)の生態学的システム論に関する記述である。A~Dの記述に該当する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもが直接所属している家庭、保育所、幼稚園などをいう。 エ マイクロシステム
  2. 子どもが属している家庭と保育所の関係、あるいは家庭と地域の関係などをいう。 イ メゾシステム
  3. 親の職業や社会福祉サービスなどをいう。 オ エクソシステム
  4. 日本文化や制度、法律、宗教などをいう。 ウ マクロシステム

【語群】
ア クロノシステム   イ メゾシステム   ウ マクロシステム
エ マイクロシステム  オ エクソシステム
(組み合わせ)
  A B C D

  1. ア イ オ ウ
  2. イ ア エ オ
  3. イ オ ウ ア
  4. エ イ オ ウ  →〇
  5. エ ウ ア イ

正答:4


R3前期:保育の心理学⑲

R3前期 保育の心理学 問 19
 次のA~Dのうち、選択性緘黙症に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 特定の場所(例えば保育所)で話すことが困難な選択性緘黙症の子どもでも、時にその保育所でよく話す時期がある。  →×
  2. 選択性緘黙症の子どもの多くは、学業上の問題や対人コミュニケーション上の問題を持っていない。  →×
  3. 選択性緘黙症の子どもは、ほとんどいつも他の不安症(例えば社交恐怖)をも有する。 →〇
  4. 選択性緘黙症の発症は、通常5歳未満である。 →〇

正答:4 × × ○ ○


R3前期:保育の心理学⑳

R3前期 保育の心理学 問 20
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
ある 26 歳の保護者から保育士に次のような相談があった。「数か月前のある日、会社に遅刻した際に上司から注意を受けたが、それ以来たびたび息苦しさを感じるようになった。会社だけでなく、家でも、通勤途中の電車の中でも急に呼吸ができないような感じに襲われ、これがあまりにも度重なるため、『いつかまた突然同じ症状が出現するのではないか』と考えるだけで不安でたまらない。」
【設問】
この事例で最も疑われる精神医学的問題を一つ選びなさい。

  1. 統合失調症
  2. 自閉スペクトラム症
  3. うつ病
  4. パニック障害 →〇
  5. 仏痛性障害

正答:4


R3前期:子どもの保健①

R3前期 子どもの保健 問1
 次のうち、児童虐待に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 児童虐待は、「児童福祉法」によって定義がなされている。  →×
  2. 児童虐待とは、法律上は保護者が監護する児童について行う身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待という行為である。 →〇
  3. 家庭内におけるしつけとは明確に異なり、懲戒権などの親権によって正当化されない。 →〇
  4. 児童虐待の通告の対象は、「児童虐待を受けたと思われる児童」である。 →〇

正答:4 × ○ ○ ○


R3前期:子どもの保健②

R3前期 子どもの保健 問2
 次のうち、生命の保持に必要なヒトの体の構成要素として適切な記述を○、不適切な記述を×
とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ヒトの体の構成要素の基本は細胞であり、細胞は細胞膜に包まれた細胞質と核からなる。 →〇
  2. 細胞には多種の成分があり、タンパク質、脂質も含まれている。 →〇
  3. タンパク質は、アミノ酸からなる。鉄などの金属を含むタンパク質もある。 →〇
  4. 細胞の機能的な集合を組織といい、皮膚も組織の一つである。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ ○


R3前期:子どもの保健

R3前期 子どもの保健 問3
 次の文のうち、子どもの生理機能として、不適切な記述を一つ選びなさい。

  1. 子どもは年齢が低いほど、新陳代謝が盛んで運動も活発であるので、心拍数や呼吸数は多く、体温は高めである。 →〇
  2. 脳の重量は出生時に大人の約 25%であり、出生後急速に増加して3歳で約 80%、6歳で約 90%に達する。 →〇
  3. 乳歯は前歯から生えはじめ、その時期はおよそ生後 12 か月ころである。
  4. 乳児の便の色は、黄、緑、茶色等が正常である。異常な便は、白、黒、赤色、膿粘血便等である。 →〇
  5. 免疫グロブリン(IgG)は胎盤を介して胎児に移行して、生後約6か月間は種々の感染症を防止する。 →〇

正答:3


R3前期:子どもの保健④

R3前期 子どもの保健 問4
 次の文のうち、予防接種に関する記述として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 予防接種は、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンのみを接種することである。 →〇
  2. 予防接種を受けるとき、保護者は母子健康手帳を持参し、予防接種記録の記載を受けなければならない。  →×
  3. 児童福祉施設に入所している児童で、長期間保護者と連絡が取れない場合は、当該児童の児童福祉施設長の同意を必要とする。 →〇
  4. 予防接種前の体温は、接種場所の医療機関で測定し、37.5℃以上では明らかな発熱者として接種を中止する。 →〇
  5. 予防接種は、ワクチンの種類によって一定の間隔をあけて接種するが、生ワクチン製剤同士では20 日以上が目安である。  →×

正答:2 A C D


R3前期:子どもの保健⑤

R3前期 子どもの保健 問
5 次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの体調の変化を見るには、まず機嫌、睡眠、食欲を確認するが、乳児と年少幼児は言葉で伝えることが難しいため全身状態を観察し客観的評価をする必要がある。 →〇
  2. 保育中に体調の変化が認められた場合は、嘱託医に連絡し指示を受けなければならない。  →×
  3. 嘔吐、下痢がある場合、水分補給をすると嘔吐や下痢の症状が悪化するため、水分補給は控えるほうがよい。  →×
  4. 頭を打った後に嘔吐をしたり、意識がぼんやりしているときは、横向きに寝かせてしばらく様子をみる。  →×
  5. 卵を食べるとアレルギー症状がみられたため保育所で除去をしていたが、完全解除してよいと医師の指示があったので翌日から卵が食べられますと保護者が保育士に口頭で伝えたため、翌日から食べさせることとした。  →×

正答:3 ○ × × × ×


R3前期:子どもの保健⑥

R3前期 子どもの保健 問6
 次の文は、乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 多くの場合1歳未満の児に突然の死をもたらす症候群である。 →〇
  2. 睡眠中の原因不明の窒息が死亡原因である。  →×
  3. 主として睡眠中に発症し、日本での発症頻度はおおよそ出生 6,000 ~ 7,000 人に1人と推定される。 →〇
  4. 診断するためには、解剖所見と死亡状況調査が必要である。 →〇
  5. 昼寝の時に限って生じる疾患である。  →×

正答:2 A C D


R3前期:子どもの保健⑦

R3前期 子どもの保健 問7
 次の文のうち、不適切な記述を一つ選びなさい。

  1. 溶連菌感染症は感染してから2~4週間後に免疫学的機序により急性腎炎やリウマチ熱を合併することがある。 →〇
  2. 全身に発疹が生じる水痘と、神経の走行に沿って皮膚に発疹が生ずる帯状疱疹とは、全く異なるウイルスの感染によって起こる。  →×
  3. 乳児コリックは、通常生後3か月未満の乳児にみられ、急に腹痛が起こったかのように激しく泣きだす。 →〇
  4. 幼児は自分の具合の悪さ、不快感を表現するために「おなかが痛い(ポンポン痛い)」と言うことがある。 →〇
  5. 妊婦が妊娠前期に風疹ウイルスに感染すると、胎児が先天性風疹症候群になる可能性がある。 →〇

正答:2


R3前期:子どもの保健⑧

R3前期 子どもの保健 問8
 次の【Ⅰ群】の疾病と、【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】

  1. 腸重積症
  2. 胆道閉鎖症
  3. 川崎病
  4. (2型)糖尿病
  5. (先天性)心室中隔欠損症

【Ⅱ群】
ア 発症が緩慢であるために発見されにくい。家族にも同じような傾向があるが、過食や運動不足などに起因することが考えられており、日常生活習慣の見直しが予防・治療につながる。 →〇
イ 1歳前後の子どもに多く、発熱や発疹、口唇発赤、眼球結膜の充血などの症状がみられる。最も注意するのは、冠動脈に病的な変化を起こすことであり、後遺症が残る場合には長期の管理が必要となる。 →〇
ウ 間欠的腹痛(突然泣き出し、しばらく泣き続けた後いったん泣き止んでうとうとするなどの状況を繰り返す)、嘔吐、イチゴゼリー状の血便が見られ、時間経過とともに腸管の血流障害が進行する。 →〇
エ 新生児期から乳児早期に出現する黄疸と白色便が見られる。早期発見のため母子健康手帳にカラー印刷の便色カードが挿入されている。 →〇
オ 医師の診断により症状の程度が低いとされた場合は、経過観察しながら、健常児と同じような生活をさせてよい。う歯により歯根が炎症を起こすと感染の危険が増すのでう歯予防と治療が大切となる。 →〇
(組み合わせ)
  A B C D E

  1. ア ウ イ エ オ
  2. イ ウ エ ア オ
  3. イ エ ウ オ ア
  4. ウ エ イ ア オ →〇
  5. ウ エ イ オ ア

正答:4


R3前期:子どもの保健⑨

R3前期 子どもの保健 問9
 次のうち、保育所に通う子どもに食事の介助をする時の事故防止のための注意として、不適切な記述を一つ選びなさい。

  1. 食事時間がなるべく短く済むように心がける。  →×
  2. 食べ物を飲み込んだことを確認する(口の中に残っていないか注意する)。 →〇
  3. 汁物などの水分を適切に与える。 →〇
  4. 食事中に眠くなっていないか注意する。 →〇
  5. 座っている姿勢にも注意する。 →〇

正答:1


R3前期:子どもの保健⑩

R3前期 子どもの保健 問 10
 次の文は、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故発生時の対応】~施設・事業者、地方自治体共通~」(平成 28 年3月 厚生労働省)の一部である。(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
教育・保育中の事故の場合、事故に遭った子ども以外の子どもを事故が発生した場所と別の(A 保育室 )等に移す。事故発生場所については、二次的な(B 事故)が発生する可能性がある場合を除き、片付け、物の移動等を(C 行わない)。
(組み合わせ)
   A    B    C

  1. 保育室  事故  行わない →〇
  2. 保育室  怪我   行う
  3. 職員室  事故   行う
  4. 職員室  怪我  行わない
  5. 職員室  事故  行わない

正答:1


R3前期:子どもの保健⑪

R3前期 子どもの保健 問 11
 次の文のうち、自閉スペクトラム症(ASD)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケ―ションと相互的な対人関係の持ち方に弱さがあることを特徴とする発達の障害である。 →〇
  2. 成人になってはじめて症状が明らかになる場合がある。 →〇
  3. 学校等において、周囲の理解や適切な支援が得られない場合にはいじめの対象になりやすい。 →〇
  4. 早期の特徴として、他者の指さしや注視の先を追うことが少ないことで示される共同注意の障害がある。 →〇
  5. 聴覚などの感覚過敏を伴うことが少なくない。 →〇

正答:1 ○ ○ ○ ○ ○


R3前期:子どもの保健⑫

R3前期 子どもの保健 問 12
 次の文のうち、トラウマ反応に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもがトラウマの再演遊びをする場合、楽しさなどの陽性の情緒は示さない。  →×
  2. 心的外傷後ストレス障害の症状には、解離(例えば、短い時間呼びかけに全く反応せず、一点を見つめている)が含まれる。 →〇
  3. 心的外傷後ストレス障害の症状には、社会的な引きこもりが含まれる。 →〇
  4. 2歳の子どもは心的外傷的出来事を体験しても、まだ心的外傷後ストレス障害を発症することはない。  →×

正答:4 × ○ ○ ×