H28後:社会福祉⑱

平成28年度後期試験 社会福祉 問 18
 次の社会福祉に関係する法律を制定された順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法) →
  2. 「発達障害者支援法」 →
  3. 「児童虐待の防止等に関する法律」(児童虐待防止法) →
  4. 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(障害者虐待防止法) →
  5. 「障害者基本法」 →

正答:5 E→C→B→D→A


H28後:社会福祉⑲

平成28年度後期試験 社会福祉 問 19
 次の文は、児童福祉施設が行う情報提供に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育所において、年間事業計画の変更を行い、例年保護者が楽しみにしていた行事を別のプログラムに変更した。その変更内容と変更理由を保護者に伝えなかった。 →×
  2. 児童養護施設において、児童の居室替えを行うことにしたが、児童に対して事前に居室替えの理由等を説明しなかった。 →×
  3. 児童養護施設において、遊びを行うボランティアに対して、対象児童の生育歴等の説明を行わなかった。 →
  4. 福祉型障害児入所施設において、入所支援計画の作成に当たる際に、入所給付決定保護者及び障害児に対して説明を行い、文書によりその同意を得た。 →

正答:5 × × ○ ○


H28後:社会福祉⑳

平成28年度後期試験 社会福祉 問 20
 次の文は、福祉サービスに対する苦情解決制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 児童相談所の児童福祉司は、苦情解決制度の中で、相談に携わることが定められている。 →×
  2. 苦情解決能力のある第三者委員が、苦情解決の仕組みの中で、苦情申出人とサービス提供者の間に立って助言を行うなどの役割を担うことが定められている。 →
  3. 福祉サービスの提供施設においては、苦情受付担当者と苦情解決責任者を置くことが定められている。 →
  4. 社会福祉事業の経営者は、常に、その提供する福祉サービスについて、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならないと定められている。 →

正答:4 × ○ ○ ○


H28後:保育の心理学①

平成28年度後期試験 保育の心理学 問1
 次の説を提唱した人物として正しいものを一つ選びなさい。

生涯発達心理学とは、受胎から死に至る過程における行動の一貫性と変化を研究するものである。研究の目的は、生涯発達の一般的原理、発達における個人間の差異性と類似性、発達の可塑性とその限界等を明らかにすることである。

  1. マーラー(Mahler, M.S.)
  2. レヴィン(Lewin, K.)
  3. メルツォフ(Meltzoff, A.)
  4. バルテス(Baltes, P.B.)
  5. ハヴィガースト(Havighurst, R.J.)

正答:4


H28後:保育の心理学②

平成28年度後期試験 保育の心理学 問2 次の文のうち、「保育所保育指針」第2章の2「発達過程」の一部として、(A)~(D)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの発達過程は、おおむね次に示す(A )8つの区分としてとらえられる。ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではなく、一人一人の子どもの(B )発達過程としてとらえるべきものである。また、様々な条件により、(C ×)子どもの家庭の問題や保育所の生活になじみにくいなどの状態が見られても、保育士等は、子ども自身の力を十分に認め、一人一人の発達過程や心身の状態に応じた(D )適切な援助及び環境構成を行うことが重要である。
正答:1 ○ ○ × ○


H28後:保育の心理学③

平成28年度後期試験 保育の心理学 問3
 次の文は、エリクソン(Erikson, E.H.)の発達理論の記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
エリクソン(Erikson, E.H.)の(A ライフサイクル論)では、生物としてのヒトがある規則性をもって(B )に発達する一方、社会的に生きる人間がさまざまな心理・社会的な(C )に遭遇し、それを解決しながら発達するとみなされる。つまり、各発達期に固有な課題が、(D )な概念として提起され、肯定的概念が否定的概念を上回ることで、その課題を乗り越え心理・社会的に発達すると考えられている。
【語群】
 ア ライフコース論   イ 漸成的  ウ ストレス  エ 対極的  オ ライフサイクル論  カ 加速的  キ 危機    ク 両義的
4正答: オ イ キ エ


H28後:保育の心理学④

平成28年度後期試験 保育の心理学 問4
 保育所に通っている子どもの場合、次のブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner,U.)の生態学的システムに関する【Ⅰ群】の語句と【Ⅱ群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. マクロシステム →日本文化
  2. メゾシステム →家庭と保育所の関係
  3. マイクロシステム →保育所
  4. クロノシステム →きょうだいの誕生
  5. エクソシステム →保護者の職場

【Ⅱ群】
ア 家庭と保育所の関係
イ 保護者の職場
ウ 保育所
エ きょうだいの誕生
オ 日本文化

正答:4 オ ア ウ エ イ


H28後:保育の心理学⑤

平成28年度後期試験 保育の心理学 問5
 次の文は、心の理解に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
他者が外界について本当だと思っていることを正しく推測できるようになる「心の理論」を測定するために、(A 誤信念課題)がよく用いられ、(B 4歳以降)に獲得することが示されている。しかし、この「心の理論」の前駆体の一つとして、(C 生後9か月)頃に成立するコミュニケーションが注目されており、保育者との(D 共同注意)を通した触れ合いが基盤とされる。

【語群】
ア 3つ山課題  イ 5歳以降   ウ 誤信念課題  エ 4歳以降  オ 共同注意   カ 生後1歳半  キ 生後9か月  ク ふり遊び
正答:4 ウ エ キ オ


H28後:保育の心理学⑥

平成28年度後期試験 保育の心理学 問6 次の【事例】を読んで【設問】に答えなさい。
【事例】
Pちゃん(3歳、女児)と保育士がやりとりをしている。
Pちゃん:Pちゃん きのう ダイオン ガオーって いってきた
保 育 士:ん? どこに行ったの?
Pちゃん:パパと ママと Pちゃん チャパリクーパ!
保 育 士:あっ Pちゃん 昨日の日曜日にパパとママとサファリパークに行ったのね
Pちゃん:ダイオン ガオーって!
保 育 士:そうなんだ ライオンさんとお話したのかな?
Pちゃん:おにく どうじょって
     きりんしゃん はっぱ どうじょしたの 
保 育 士:Pちゃんがライオンにお肉あげたの? すごーい
     きりんさんには 葉っぱあげたのね
Pちゃん:もぐもぐ ごっくん
     ダイオン ガオーって!

【設問】
このやりとりに関連した次の記述について、適切なものを○、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの過去の出来事や体験の断片的情報から、保育士は意味のある語りを組み立てている。 →
  2. 子どもの発話に対し、保育士は拡充模倣をしている。 →
  3. 発声するための器官が未発達の子どもは、発音しにくい音を他音で代用したり、音順を入れ替えたりしている。 →
  4. 子どもは会話に参加することを通して、どのように語るのかを学んでいくことができる。 →

正答:1 ○ ○ ○ ○


H28後:保育の心理学⑦

平成28年度後期試験 保育の心理学 問7
 次の文は、乳幼児の心理学的実験装置の記述である。この装置を考案した人物として正しいものを一つ選びなさい。
    
断崖があるように見える実験装置で、乳幼児が奥行を知覚できるか明らかにするために開発された。その後、他の研究者によって、乳幼児がなじみのない場面に出会い、どのように振舞ってよいか分からないときに、他者の表情や態度を参考にする社会的参照を確かめる装置としても用いられた。

  1. ヴント(Wundt, W.)
  2. キャッテル(Cattell, J.M.)
  3. ハーロウ(Harlow, H.F.)
  4. ギブソン(Gibson, E.J.)
  5. ソーンダイク(Thorndike, E.L.)

正答:4


H28後:保育の心理学⑧

平成28年度後期試験 保育の心理学 問8
 次の文は、高齢期の知的機能についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 高齢期の知的機能については、縦断研究やコホート研究によって新たな知見が示されてきている。 →
  2. 人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合がある。 →
  3. 過去の経験や獲得した知識に基づく知能は流動性知能と呼ばれ、高齢期でも低下しにくい。 →×
  4. 高齢期における知的機能の低下は、その機能を使わなくなるということが一つの要因となる。 →

正答:2 ○ ○ × ○ 


H28後:保育の心理学⑨

平成28年度後期試験 保育の心理学 問9
 次の文は、胎児の発達に関する記述である。(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
一般に在胎期間は(A 妊娠 37 週から 42 週未満)の間であるが、妊娠初期から超音波断層法により、胎児の発育状態や動きを画像で見ることができる。胎動を感じるようになるのは(B 妊娠 20 週頃)からであり、これは我が子という感情を母親にもたせることになる。この頃になると胎児の聴
覚も発達し、母親の声の強弱、抑揚などを感知していることが(C 心拍数や胎動の増加)として明らかにされている。そうした胎児期の経験が(D 聴覚記憶)として新生児期においても継続している。
【語群】
ア 妊娠 20 週頃    イ 妊娠 37 週から 42 週未満  ウ 心拍数や胎動の増加  エ 学習記憶     オ 妊娠 30 週頃        カ 妊娠 27 週から 32 週未満  キ 胎児MRI画像  ク 聴覚記憶
正答:1 イ ア ウ ク


H28後:保育の心理学⑩

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 10
 次の下線部(A)~(D)に関連の深い用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
乳児は手をしゃぶったり、(A ハンドリガード)手を握ったままかざして見つめたり、また、声を発するといった行動をしばしば繰り返し行う。乳児期半ばでは、(B リーチング)興味や関心のあるものに手を伸ばす行動がみられる。また、手にもった物を振り動かすなど、(C 第2次循環反応)物を介して同じ行動を繰り返すようになる。さらに、1歳頃になると、(D 試行錯誤)ほしい物を手に入れるために様々なことをしてみるようになる
【語群】
ア ハンドリガード  イ ハンドサッキング  ウ 第3次循環反応  エ 第2次循環反応  オ 試行錯誤      カ 暗中模索   キ クーイング    ク リーチング
正答:3 ア ク エ オ


H28後:保育の心理学⑪

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 11
 次の文は、パーテン(Parten, M.B.)による子どもの遊びの分類に関する記述である。A~Dにあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 他の子どもと一緒に同じ活動に関わる。 →連合遊び
  2. 自分は遊びには参加せずに、仲間が遊んでいる様子を眺めたり、口をだしたりする。 →傍観遊び
  3. 他の子どものそばで同じような遊びをしているが、互いに交渉はしない。 →平行遊び
  4. 共通の目的をもって、他の子どもと協力したり役割を分担したりする。 →協同遊び

【語群】
ア 協同遊び  イ 傍観遊び  ウ 平行遊び  エ 連合遊び  オ 連携遊び  カ 模倣遊び  
正答:3 エ イ ウ ア


H28後:保育の心理学⑫

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 12
 次の文は、異年齢保育についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. きょうだい関係の交流に近い関わりを体験することができる。 →
  2. 年上の子どもは、自分の思いを我慢したり、思いやりを示したりすることができる。 →
  3. 子どもの技術・体力の差が大きいので、子ども同士のやり取りは成立しない。 →×
  4. 年上の子どもをモデルに、新しいことに挑戦しようとする子どもの姿がみられる。 →

正答:2 ○ ○ × ○


H28後:保育の心理学⑬

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 13
 次の文は、保育における発達援助についての記述である。このような特徴を示す用語として、(  )にあてはまる語句の最も適切なものを一つ選びなさい。

  • 社会の価値や規範を身に付け、それに基づき社会の一員として行動できるようになる過程を(  )という。
  • 発達初期の(  )の担い手は主に保護者といえるが、発達に伴いその担い手は保育士や教師等多様となる。
  • (  )の一方、その子らしさを育むことにも配慮する必要がある。
  • (  )は、人間の生涯を通じて行われる過程である。
  1. 社会的促進
  2. ソーシャル・アクション
  3. 社会力
  4. ソーシャル・インクルージョン
  5. 社会化

正答:5


H28後:保育の心理学⑭

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 14
 次の文の(A)~(D)にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」の「(A 小学校との連携)」では、「子どもに関する(B 情報共有)に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること」とある。その資料とは(C 保育所児童保育要録)であり、あくまでも子どもの(D 主体としての育ち)の過程を保育所の側から小学校へつなぐものとして記述するよう留意することが大切である。

【語群】
ア 小学校との連携    イ 情報共有    ウ 保育所児童保育記録  エ 主体としての育ち   オ 資料      カ 保幼小連携  キ 保育所児童保育要録  ク ねらいの達成
正答:2 ア イ キ エ


H28後:保育の心理学⑮

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 15
 次の下線部(A)~(E)に関連の深い用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
ソーシャルサポートとは、一般的には対人関係において他者から得られる種々の援助をさす。例えば(A ストレッサー)ストレスを引き起こす出来事や刺激に直面している者に対して、(B 情緒的サポート)励ましや愛情など感情への働きかけ(C 道具的サポート)問題解決のための助言・助力、などがあり、当事者の(D 直接効果)精神的・身体的健康によい影響を与える効果と、(E 緩衝効果)健康の悪化のプロセスに対して作用する効果があるとされている。
【語群】
ア 評価的サポート  イ テンション    ウ 道具的サポート  エ 促進効果
オ 緩衝効果     カ 情緒的サポート  キ ストレッサー   ク 直接効果
ケ 補完的サポート
正答:5 キ カ ウ ク オ


H28後:保育の心理学⑯

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 16
 次の文は、保育士の職務に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 保育士は、福祉の専門職として基盤となる知識や技術の習得はもとより、他者への共感性が求められる。 →
  2. 「空の巣症候群」とは、情緒的に疲れ果て自己有能感が低下した状態で、保育士等の対人援助職に就いている人に多くみられる症状である。 →×
  3. 保育士としての職業生活は、個々人のアイデンティティの揺らぎや再構築に影響する。 →
  4. 軽い気分の落ち込みがうつ状態につながることがあるため、保育所としては、保育士の心の健康維持に留意する必要がある。 →

正答:3 ○ × ○ ○


H28後:保育の心理学⑰

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 17
 次の文は、ストレンジシチュエーション法を用いた、アタッチメント(愛着)のアセスメントに関する記述である。【実験場面】を読んで、【設問】に答えなさい。

【実験場面】
月齢 15 か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。

【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 再会場面では母親に駆け寄ったが、接触する前に踵を返して、もと居た位置に駆け戻った。この子どもの母親に対するアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。 →
  2. 分離場面で泣いていたが、再会場面で母親に駆け寄りぴったりと抱き付いた。まもなく泣き止み、母親から離れて遊びだした。この子どもは、安定したアタッチメント(愛着)を持っていると考える。 →
  3. 分離場面でまったく泣かずにおもちゃで遊んでいたが、母親と再会すると3分間大声で泣き続けた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。 →
  4. 分離場面では立ったまま泣き続けていた。再会場面では、泣き止みその場に座り、おもちゃで少しの間遊んだが、再び泣き出し、泣きながら仰向けに倒れた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。 →

正答:1 ○ ○ ○ ○


H28後:保育の心理学⑱

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 18
 次の文は、親が子どもの障害を受容していく過程に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 段階説とは、親が子どもの障害を受容していく過程は長期にわたり紆余曲折するが、いずれは障害のある子を受容するに至り、心理的に安定するという説である。 →
  2. 慢性的悲嘆説とは、親の悲しみは一過性ではなく、子どもの成長に伴うさまざまな出来事によって繰り返されるという説である。 →
  3. 螺旋形モデルとは、適応と落胆という障害に対する肯定と否定の両価的感情を併せ持ちながら進行していくという説である。 →

正答:1 ○ ○ ○


H28後:保育の心理学⑲

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 19
 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として適切なものを○、不適切なものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. F君の母親と個別に話をする機会を設ける。 →
  2. F君の体にあざがないか、身なりが清潔かどうかなどを確認する。 →
  3. F君の母親も自閉スペクトラム症だと考え、母親に精神科への受診を強く勧める。 →×
  4. G君の母親に、F君は自閉スペクトラム症なので、F君とF君の母親を許すように伝える。 →×

正答:2 ○ ○ × ×


H28後:保育の心理学⑳

平成28年度後期試験 保育の心理学 問 20 次の文は、乳幼児の社会・情緒的発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 乳幼児期は、発達の速度が速く、精神障害を同定することが困難であるため、社会・情緒的発達のアセスメントには、危険因子と保護因子の評価と、養育者との関係性の評価のみが重要となる。
  2. 乳幼児が示す人との関わり方は、養育者ごとに異なる傾向が強い。 →
  3. 両親の夫婦関係が適応的なことは、子どもの社会・情緒的発達の保護因子の一つである。 →
  4. 家庭への社会的な支援は、乳幼児の社会 ・ 情緒的発達の保護因子ではない。

正答:3 × ○ ○ ×


H28後:子どもの保健①

平成28年度後期試験 子どもの保健 問1
 次の文は、子どもの発達に関する記述である。「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の2「発達過程」に照らして考えた場合、適切な記述を一つ選びなさい。

  1. おおむね6か月未満では、著しい発達が見られ、寝返り、腹ばいなど全身の動きが活発になり、その後首がすわり、手足の動きが活発になる。→×
  2. おおむね6か月から1歳3か月未満では、座る、はう、立つ、つたい歩きといった運動機能が発達し、腕や手先を意図的に動かせるようになる。→
  3. おおむね1歳3か月から2歳未満では、歩き始め、手を使い、言葉を話す意欲が出るが、まだ単語の発語のみである。→×
  4. おおむね2歳では、歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能が発達するが指先の機能は未熟であり、物をつまめない。→×
  5. おおむね3歳では、基本的な運動機能が伸び、それに伴い食事、衣類の着脱などはほぼ自立するが、排泄機能の自立はまだ困難である。→×

正答:2


H28後:子どもの保健②

平成28年度後期試験 子どもの保健 問2
 次の文は、保育所における子どもの健康支援に関する記述である。「保育所保育指針」第5章「健康及び安全」に照らして考えた場合、適切な記述を◯、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 子どもの発育および発達状態を、定期的・継続的に把握する。→
  2. 保健計画を作成し、そのねらいや内容を明確にしながら、一人一人の子どもの健康の保持及び増進に努める。→
  3. 子どもの疾病等に備えて救急用品を常備し、全職員が対応できるようにしておく。→
  4. 災害や事故の際には、子どもの精神保保健面の対応に留意する。→

正答:1 ○ ○ ○ ○ ○


H28後:子どもの保健③

平成28年度後期試験 子どもの保健 問3
 次の症状や所見のうち、小児のネフローゼ症候群における診断規準としてあてはまらないものを一つ選びなさい。

  1. 浮腫→
  2. タンパク尿→
  3. 血尿→×
  4. 低タンパク血症→
  5. 高コレステロール血症→

正答:3


H28後:子どもの保健④

平成28年度後期試験 子どもの保健 問4
 次の文は、「児童福祉法」における児童に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 児童とは、満 18 歳に満たない者をいう。→
  2. 乳児とは、満 18 か月に満たない者をいう。→×
  3. 乳幼児とはおおむね3歳までをいう。→×
  4. 幼児とは、満1歳から、小学校就学の始期に達するまでの者をいう。→
  5. 少年とは、小学校就学の始期から、中学校卒業までの者をいう。→×

正答:2 A D


H28後:子どもの保健⑤

平成28年度後期試験 子どもの保健 問5
 次の文は、身体計測時の注意・配慮に関する記述である。誤ったものを一つ選びなさい。

  1. 冬期の室温は 20 ~ 22℃に整え、必要に応じて暖房を使用する。→
  2. 年長児の場合は、羞恥心に配慮し、カーテンやスクリーンを用いる。→
  3. 継続的な計測では、測定する時間帯を一定にする。→
  4. 保護者に計測の日時と項目を前もって知らせる。→
  5. 2歳未満児の身長計測では、担当者1名で乳児用身長計を用いて計測する。→×

正答:5


H28後:子どもの保健⑥

平成28年度後期試験 子どもの保健 問6
 次の文は、世界保健機関(WHO)憲章の前文にある健康の定義(官報訳)である。
(A)~(D)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
健康とは、完全な(A 肉体的)、(B 精神的)及び(C 社会的)福祉の状態であり、単に(D 疾病)又は病弱の存在しないことではない。
(組み合わせ)
   A   B   C   D
1 経済的 精神的 宗教的 障害
2 肉体的 精神的 社会的 疾病
3 精神的  霊的  経済的 障害
4 肉体的  霊的  社会的 疾病
5 肉体的 精神的 経済的 障害
正答:2


H28後:子どもの保健⑦

平成28年度後期試験 子どもの保健 問7
 次の文は、子どもの生活習慣の習得に関する記述である。(A)~(E)にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
人は、(A 家庭)という最も小さな単位の(B 社会)に生まれ、日々の生活を送る。そして、(A 家庭)の中で人やものとの関係を広げながら成長し、自立し、(B 社会)の一員として生活を営むようになる。
日々の生活の中で、習慣化して身につける行為を(C 基本的)生活習慣とよぶ。食事、睡眠、排泄、衣服の着脱、清潔などの(C 基本的)生活習慣は、子どもが日々の生活を繰り返し行う中で、(D  経験)を通して身につけていき、自然に生活の一部になっていく部分が大きい。
子どもの(C 基本的)生活習慣の習得には、家族や保育者の養護が必要である。まわりの大人の生活を手本にして、子どもはそれを(E 模倣)することで生活の仕方を学んでいく。

(組み合わせ)
   A   B   C   D   E
1 家族 集まり 生理的 しつけ 模倣 
2 家庭  集団  基礎的  遊び  継承
3 家庭  社会  基本的  経験  模倣
4 家族  社会  基本的  遊び  学習
5 家族  集団  生理的  経験  学習
正答:3